前へ 1 2 3 4 次へ

4Kでも非圧縮240Hz表示に対応! 31.5型のOLEDゲーミングディスプレー「AORUS FO32U2P」はゲーム補助から焼き付き軽減まで多彩な機能を搭載

文●宮里圭介 編集●北村/ASCII

提供: 日本ギガバイト

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

これからゲーミングディスプレーを買うなら
HDMI 2.1やDisplayPort 2.1(DP 2.1)に対応した製品を選ぼう

 リフレッシュレートは、1秒間に何回画面を書き換えるかという数値。一般的なディスプレーは60Hzで、1秒間に60回画面を書き換えている。

 60回と聞くとかなり多く感じるが、1画面が表示されている時間に換算すると、約16.7ミリ秒。つまり、画面に新しい情報が表示されるまで、最大16.7ミリ秒の遅延が起こることになる。これに対し、120Hzのリフレッシュレートであれば遅延は半減し、最大8.3ミリ秒まで短くなるわけだ。

 ゲーム、とくにFPSのような対戦ゲームになると、ほんのわずかな遅れが勝敗を決する、ということも珍しくない。プレーヤーが反応できるかどうかは別問題として、リフレッシュレートの高いディスプレー……つまり、ゲーミングディスプレーを使っている方が有利になる、というのは想像に難くないだろう。

 しかし、高リフレッシュレートを実現するのは意外と難しい。新しく画面を更新するということは、それだけ多くのデータを扱う必要があるからだ。60Hzから120Hzにするには、単純に2倍のデータ伝送帯域幅が必要になる。

 また、画面の解像度も大きく影響する。3840×2160ドットの4Kは、1920×1080ドットのフルHDの4倍のデータ量となるため、同じリフレッシュレートで表示しようとすれば、4倍のデータ伝送帯域幅が必要になるわけだ。

 HDMIやDisplayPortといった規格ではデータ伝送帯域幅が決められており、これを超える表示はできない。例えば、14.4GbpsのHDMI 2.0ではフルHDでこそ240Hzまで表示できるものの、WQHDでは144Hz、4Kでは60Hzが限界になる。

 データ伝送帯域幅の上限を引き上げるのは簡単ではなく、また、できたとしてもコストが高くついてしまう。そこで使われるようになったのが、色差を使ったデータの圧縮だ。これはRGBすべてのデータを送るのではなく、輝度信号と2つの色差信号に変換し、色差信号の情報量を落とすことで、見た目の解像感を損なうことなく表示するという方式だ。

 さらにHDMI 2.1からは、データ伝送帯域幅を引き上げるだけでなく、DSC(Display Stream Compression)もサポート。これはリアルタイム性に優れており、非可逆圧縮となるものの、高解像度での高リフレッシュレート表示を可能にする技術となっている。

 これからゲーミングディスプレーを買おうと思っているのであれば、データ伝送帯域幅が広く、高解像度での高リフレッシュレート表示が可能となるHDMI 2.1や、DisplayPort 2.1(DP 2.1)以降に対応した製品となっているかというのが、ひとつのポイントとなるだろう。

 今回紹介する「AORUS FO32U2P」は、そんな高リフレッシュレートに対応したゲーミングディスプレーの中でも、最高峰といっても過言ではないモデルのひとつ。最大の特徴は、4Kでの非圧縮240Hz表示に対応していること。

 また、パネルがQD-OLED(量子ドット有機EL)となるため、引き締まった黒と色鮮やかな発色、高速な応答速度、広い視野角をもつといった点も見逃せない。これ以外にも、5つの映像入力、デイジーチェーン接続対応、KVM機能搭載など、充実した機能を備えている。

 こういった特徴から、ゲームはもちろん、映像鑑賞や仕事用としても、かなり満足できる1台となっているのだ。この「AORUS FO32U2P」について、詳しく紹介していこう。

31.5型で4Kの240Hz表示に対応

DPなら非圧縮の240Hzやデイジーチェーン接続も可能

 入力端子は、HDMI 2.1×2、DP 2.1 UHBR20×2(うち、1つはmini DP)、USB Type-C(Alternate Mode、65W出力可能)の合計5つ。どれも4Kの240Hz表示に対応しているが、HDMI 2.1では帯域が足りないため、圧縮伝送となるDSCが使われてしまう。

 これに対しDP 2.1 UHBR20の帯域は、80Gbpsと大きく上回る。これにより、非圧縮の4K 240Hz表示……つまり、より忠実で遅延や劣化の少ない表示ができるわけだ。

DP 2.1 UHBR20の採用で、非圧縮の4K 240Hz表示に対応

 今回は機材の都合上DP1.4までをサポートするGeForce RTX 4080 SUPERを使っており、残念ながらDSCが使われた圧縮伝送となるのだが、4K@240Hzが表示でき、HDR 10bitも可能だった。

SDRはもちろん、HDRでも4K 240Hz表示が可能

 非圧縮での表示を体験するにはDP2.1 UHBR20をサポートするビデオカード(*)がこれから一般的になるまでの楽しみとなるだろう。

(*) 現状、DP2.1 UHBR20をサポートしているビデオカードはRadeon Pro W7000シリーズのみ。一般的に入手しやすいRadeon RX 7000シリーズはDP 2.1をサポートしているがUHBR 13.5まで。Intel ArcもDP2.1をサポートするが、UHBR 10までとなっている。

 もうひとつ、DPでだけ使える機能として、デイジーチェーン接続がある。通常、複数のディスプレーを接続するには、PCのHDMIやDPといった映像出力とディスプレーを直接ケーブルで接続する必要がある。つまり、PC本体からそれぞれのディスプレーにケーブルを接続する必要がある。

 これに対してデイジーチェーン接続は、2台目のディスプレーを1台目に接続可能。数珠つなぎでディスプレーを増やしていけるのだ。

複数のディスプレーを数珠つなぎに増設できる

mini DPとType-C端子の間にあるのが、出力用のDPだ

 離れた場所にディスプレーを設置したい、という時でも、長いケーブルが必要なのは1本だけ。2台目からは短いケーブルでいいため、配線も見た目もすっきりさせられる。

 ただし、1本のケーブルで複数画面分のデータを伝送するということもあり、画面の解像度や色深度、リフレッシュレートには限界がある。試しに、AORUS FO32U2PのDP出力にフルHD(60Hz)のディスプレーを接続してみたところ、4Kでは200Hz表示までとなっていた。

デイジーチェーン接続では、リフレッシュレートが200Hzに落ちていた

前へ 1 2 3 4 次へ

過去記事アーカイブ

2024年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2019年
01月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
11月
12月
2017年
08月
2015年
04月
09月
2014年
10月
2010年
01月
02月