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KDDI、電波強々アピール! 5G最多基地局数&出力アップで首都圏で高速エリアが2.8倍

2024年06月14日 13時55分更新

文● オカモト/ASCII

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 KDDIは、5Gサービスの中でも特に大容量・高速通信を可能にするサブ6エリアを拡大する作業を今年4~5月にかけて実施。特に関東圏では約2.8倍になったと発表した。

KDDI

通信衛星との干渉による制限がなくなったことで、特に高速な5G基地局によるエリアが関東圏で約2.8倍に拡大したとアピールする

5G本来の高速大容量を実現できる基地局数で4キャリア中最多
通信衛星との干渉が今年3月になくなり、関東圏で出力アップ

 同社では、5Gサービスを開始した2020年から4年を導入期、2024年以降を普及期と位置づけて、当初は4Gから転換した比較的電波が飛びやすい周波数で面でのエリアを拡大、その一方で、5G専用の広帯域で高速なサブ6(KDDIは3.7GHz帯、4GHz帯)についても、MNO4社の中で最も多い約3.9万局の基地局を2023年度末までに開設してきた。

KDDI

電波が飛びやすい4Gの周波数を転用した5Gエリアをまず拡大させた上で、より高速な5Gの基地局の設置を進めてきた

KDDI

5Gの基地局数は合計で約9.4万局にまで達する

 一方で、このサブ6の周波数は通信衛星の事業者(スカパーJSAT)が地上にある地球局との通信に用いており、特に地球局が多く設置されている関東圏では、干渉を防ぐために出力を制限する必要があり、本来の性能を出すことができなかった。しかし、地球局を移設するなど通信衛星の事業者との協力で、この2024年3月末に制限が解除。ついに関東圏でもサブ6基地局の本来の性能を出すことができるようになったわけだ(このメリット自体は4社で共通)。

通信衛星との干渉でサブ6の基地局は本来の性能を出せずにいた

 KDDIでは、4~5月にかけて基地局の出力を本来のものにすることを完了。首都圏でのサブ6のエリアが2倍に。また、干渉を防ぐために下に向けるなどしていたアンテナ角度をリモート操作で最適化する作業を進めたことで、2.8倍にまで達したとする。

KDDI

電波の出力アップに加え、アンテナの角度を最適化することでよりエリアを拡大した

KDDI

関東圏以外ではすでに通信衛星との干渉による制限がなかった地域もあるが、いずれもエリアは拡大している

KDDI

生活導線を中心にサブ6の基地局を高密度で設置。他キャリアとの比較も

KDDI

今回の発表会ではリアルタイムに基地局の出力を上げた様子を再現。左が出力を上げる前で、右が上げた後。通信速度も約70Mbpsから約300Mbpsまで上昇した

サブ6の周波数を2つ持っているのはドコモとKDDIだけ
2つの周波数を組み合わせて、さらなる高速化を予定

 基地局数だけでなく、サブ6ではKDDIにもう1点強みがある。サブ6の周波数は100MHz幅を1ブロックとして、MNO4社に周波数が割り当てられているが、4社のうち2ブロックを割り当てられているのはドコモ(3.6GHz帯と4.5GHz帯)とKDDIの2社(ソフトバンクと楽天モバイルは1ブロック)。当然ながら通信容量自体に余裕があるというわけだ。

KDDI

サブ6で2ブロック、200MHz幅の周波数を持っているのはドコモとKDDIの2社。2周波対応の無線装置を導入予定

こちらの実際の無線装置。3.7GHz帯と4.0GHz帯の両方に対応しながら、軽量化されている。従来は3.7GHz帯中心でエリアを構築してきたが、今後はこの2周波対応機器で4.0GHz帯も活用。特にトラフィックが多い都市部を中心にネットワークの厚みを増すという部分でも効果を発揮してくれそうだ

 しかもKDDIは比較的近い周波数で2ブロック割り当てられており、キャリアアグリゲーションによる高速化が比較的容易。今年度内には国内初の2周波数対応の装置を導入して、超高速5Gの世界を実現するとする。

KDDI

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