親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第274回
個人情報バレの恐ろしさを知っている世代
大学生のSNSアイコン「顔がわからない自分」が4割。映えないBeRealは6割弱が利用
2024年06月11日 09時30分更新
4割が顔写真非公開、鍵垢公開も多い
筆者が受け持つ講義の受講生を対象にアンケートを取った結果から、大学生の顔写真公開に関する傾向を見ていこう。有効回答数は271名、男女比はほぼ半々であり、1年生が6割近くを占め、2年生が3割程度、残りが3年、4年となっている。
SNSで顔写真を公開しているかどうか聞いたところ、「顔写真をよく投稿している」は5.5%、「自分と友人などの顔写真を投稿している」も10.0%止まり。一方、「顔写真は公開していない」は41.0%に上った。
「顔写真を鍵垢で公開している」(37.3%)、「スタンプや加工で顔がわからないものを投稿している」(6.3%)など、公開範囲などを工夫して公開する学生も多かった。
自撮りが一般的になっている一方、顔写真公開の恐ろしさも知っている世代というわけだ。
アイコンは「顔がわからない自分の写真」
SNSのアイコンに登録している画像についても聞いている。
こちらも、「自分の顔がわかる写真」は6.2%止まりである一方、「横顔、後ろ姿、シルエット、全身など顔がわからない自分の写真」は最多の35%に上った。
「推しの写真」(21.0%)、「風景」(18.5%)、「趣味関係」(11.9%)など、自分の好きなものや趣味などを反映させた写真を登録する例も多い。「デフォルトのまま画像は登録していない」は7.8%だった。
「BeReal」利用率は6割弱
最近人気の“映えない系”SNS「BeReal」について利用率を聞いたところ、「普段から利用している」(45.9%)、「使ったことはあるが、もう使っていない」(11.8%)と6割弱が利用経験があった。
BeRealは、1日1回ランダムに来る通知に合わせて2分以内に撮影する写真共有SNSだ。制限時間内に撮影、投稿しないと遅れた時刻が表示されてしまう上、投稿するまで友達の投稿はぼかしが入った状態で見られない。
スマホに保存してある写真も使えず、編集や加工などもできないため、インスタ映えの真逆のようなアプリと言われている。
「通知がきて講義中、バイト中などに撮影したことがある」(7.3%)、「他の人が通知がきて撮影しているのを見たことがある」(30.5%)など、周囲でも利用が目立つようだ。
大学生にとってメインのSNSはInstagramだが、もはや自撮り写真中心ではない。公開範囲を限定したり、加工したりして個人情報を守った使い方が当たり前となっている。アイコンも個人情報は守った状態で、自分らしさを出すのが一般的だ。
一方、同じ自撮り中心のSNSでも、BeRealなどのコミュニケーションができるアプリは人気が高い。位置情報共有アプリと同様、親しい人同士で楽しむために利用されている。
大学生の個人情報に対する考え方も徐々に変わってきている。また変化があればお伝えしていきたい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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