東芝デバイス&ストレージは5月23日、グループ会社である加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)にて、300mmウエハー対応パワー半導体新製造棟、および新事務所棟の竣工式を行ったことを発表した。
今回竣工したのは新製造棟の第1期分となる。装置の搬入を進め、2024年度下期より本格的な生産を開始予定としている。第1期フル稼働時には、低耐圧MOSFET、IGBTを中心とするパワー半導体の生産能力を、本建設を決定した2021年度比で2.5倍に増強する計画だ。第2期については、市場の動向を見ながら建設と稼働開始の時期を決定していく。
新製造棟は、地震の揺れを吸収する免震構造の採用や電源の2重化などを通じてBCP(事業継続計画)を強化。また、再生可能エネルギー由来の電力活用や、屋上への太陽光発電設備(オンサイトPPAモデル)設置などにより、使用する電力を100%再生可能エネルギー由来でまかなう。さらに、AI活用などを通じて、製品品質および生産効率をより向上させる。
設備投資の一部には、経済産業省から「半導体の安定供給確保のための取組に関する計画(供給確保計画)」に基づく助成金の交付を受ける予定だ。
同社は、加賀東芝エレクトロニクス既存棟において、2022年度下期より300mmウエハーを用いたパワー半導体を生産しており、新製造棟の稼働開始により、パワー半導体の生産能力をさらに拡大する。