NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は5月15日、セルラードローン化を目的としたSkydio製ドローンの性能検証を実施したと発表した。
セルラードローンは飛行制御や映像伝送などにモバイルネットワークを利用するドローン。同社ではSkydio製ドローン「Skydio X10」をセルラードローン化して河川巡視・鉄塔点検・夜間飛行などの利用を想定しているという。
ドコモグループはSkydioと資本・事業面で連携しており、NTT ComはSkydioの一次代理店・Strategic Partnerとして、2020年11月から日本で初めてSkydio製ドローンを提供。Skydio X2では上空LTEを用いた実証実験に成功するなど国内で先行してLTEを活用した実証に取り組んできた。
Skydio X2はSIMを利用するための標準モジュールが搭載されていなかったため外付けのドングルを取り付けての実証のみ実施となる。目視外飛行が可能となるため、Skydio X10の特長のひとつである最大飛行時間40分という長距離飛行を活用できるという。
河川などの巡視業務での活用が期待されていることから性能検証においても河川敷1km以上を飛行し撮影映像を遠隔地に伝送しながら飛行できることを確認。また、Skydio X10が搭載する最大128倍のデジタルズームによる通信鉄塔の周囲を飛行し、ズーム機能を活用して撮影、ボルトなどの詳細部分を確認する点検業務に活用できることを確認した。
また、Skydio X10は暗所での自律飛行が可能なため、従来飛行が困難だったトンネルや夜間の点検業務での活用が期待されており、検証においても暗所での飛行を確認した。
NTT ComではSkydioとともに、インフラの点検用途などを中心にユースケース創出や日本市場での活用に向けた機能改善に取り組んでおり、今後も両社の連携をさらに深めてセルラードローン化したSkydio X10を中心に、モバイルと自律飛行型ドローンを組み合わせながら社会課題解決に取り組むとしている。