サイトロンジャパンは3月15日、フランスVaonis製スマート天体観測ステーション「VesperaⅡ(ベスペラ2)」およびVespera用アクセサリー「Vesperaスタンダード三脚」を発表した。価格は、VesperaⅡが29万8000円、Vesperaスタンダード三脚が1万8200円。3月26日に同社直販サイトにて発売する。
Vespera IIは、最新のSTARVIS 2テクノロジーを採用した裏面照射型のSONY製IMX585センサー(カラー)を搭載する。このセンサーは大型1/1.2型フォーマットで一度に広い範囲を撮影するのに適しており、ピクセルピッチは2.9㎛、3840×2160ドット、およそ830万画素の高精細な撮影が可能。スマホやタブレットの専用アプリ上での観測のほか、本格的な天体写真撮影カメラとしても活用できる。
銀河、星雲、星団などのディープスカイオブジェクト(DSO)、太陽、月の観測に対応。肉眼ではなかなか見えない神秘的な天体の姿が、超高感度CMOSと独自の画像処理技術により映し出される。光害のある大都市からの天体観測でも、天体が鮮やかに表示されるとする。
天文知識や天体望遠鏡の使用経験がなくても、誰もが簡単に最高レベルの天体観測、撮影ができるように設計され、本体には電源ボタン1つのみ搭載。スマホやタブレット用の専用アプリ「Singularity by Vaonis」(iOS、Android対応、無料)に収録されている4300の天体カタログから、またはアプリが推奨する天体から天体を選択するだけで、導入、追尾、観測が全自動で実行される。また、ピント調節、画像スタッキング、ノイズ除去なども自動で画像処理される。
さらに、Vaonis独自の「CovalENSテクノロジー」によるライブモザイクモードでは、最大24メガピクセルで観測、撮影できる。広い画角、自由な構図、高解像での観測や撮影が可能になり、例えばアンドロメダ銀河のような大きな天体の全体を画面内に収められるとする。
本製品は、自動でスタック処理、ノイズ除去処理などを行い、天体写真向けの8bit JPEG画像を全自動で生成する。さらに、同時に後処理に適したRAWデータを本体内ストレージに保存できる。上質なスタック処理済みのTIFFデータやRAW画像であるFITSデータを使って、高度な画像処理ができる。
レンズ口径は50mm、焦点距離は250mm、F値はF5。内蔵バッテリー駆動時間はおよそ4時間(USB Type-Cによる外部からの給電にも対応)。ストレージは25GB、画像フォーマットはJPEG、FITS、TIFFをサポートする。本体のみのサイズは幅20×高さ48×奥行き9cm、重量は5kg。
Vesperaスタンダード三脚は、最大高さ17.5cmで、重量は470g。雲台と3本の脚を分解し、Vesperaバックパック(AC020)に収納できる。各脚には、傾きを補正するためのアジャスターが装備されており、不整地や起伏のある場所でも観測ステーションを正しく設置できる。専用気泡水準器が付属する。