英国知的財産庁(IPO)は1月31日(現地時間)、音楽ストリーミングに関するライセンスとロイヤリティの透明性向上させるのを目的にした「音楽ストリーミングの透明性に関する英国規範(UK Code of Practice on Transparency in Music Streaming )」を発表した。
Spotifyの方針変更が遠因
この規範(コード)は、音楽クリエイター、レコード会社、出版社、デジタルサービスプロバイダー、配信事業者、音楽収集協会を代表する12の音楽業界団体によって策定され、合意された。
内容は、音楽制作者との契約、ストリーミングのライセンス契約、ロイヤリティの支払い、使用データ、監査権、音楽制作者へのコミュニケーションにおいて、より大きな信頼を築くための基準を定めたものだ。
これは、自分たちの音楽がどのようにライセンスされ、管理され、使用されているかについてのクリエイターの理解を向上させ、自分たちの音楽がストリーミング・サービスを通じて再生される際に正しく支払われているという信頼と明確性を築くためのプロセスの一環としている。
IPOは規約とその実施を監督し、規約がどのように機能しているかを検討するため、6ヵ月ごとに署名団体の会議を招集し、2026年に規約の正式な見直しをすることが予定されている。
今回の英国の動きは、Spotifyが2023年11月に「2024年初頭より、印税を得るには最低1000回のストリーミングが必要になる」と利益配分の方針を変更したことを受け、1月17日にEUが採択した新たな法的枠組みの構築を含む決議を受けてのものだ。
AI・知的財産担当大臣のカムローズ子爵は「ビートルズやローリング・ストーンズからデュア・リパやリトル・ミックスまで、英国の音楽シーンは世界の羨望の的だ。私たちは、ストリーミング・プラットフォームでアーティストが適切なロイヤリティと保護を得られるよう支援する措置を講じている。この規約の中核には信頼がある。私たちのお気に入りの楽曲を聴く方法が進化し続ける中、私たちの比類なきクリエイティブ・マインドが彼らにふさわしい保護を得られるよう、英国が主導権を握ることをうれしく思う」と述べている。