第14世代インテルCoreプロセッサーにKなしモデルが発売されましたが、「Core i9-14900」が10万4800円、「Core i9-14900F」が10万800円という、10万円を超える価格設定が波紋を広げています。
倍率ロックフリーモデルの「Core i9-14900K」が9万4980円、「Core i9-14900KF」が9万980円で買えるのに、後から発売された下位モデルがそれを上回る価格となっています。自作初心者が見たら14900Kよりも14900のほうが高性能だと勘違いするでしょう。同様のことは「Core i7-14700」と「Core i7-14700F」でも起きています。
この逆転現象は、為替の影響によるものなので、円安が解消されれば適正価格になるはずです。そうはいっても2024年になってからも円安はますます進行しており、当面円高になる兆しが見えません。後発の下位モデルが上位モデルよりも高額という事態は、今後も十分起こり得るでしょう。
ショップの価格表を見て、“高額なCPUほど高性能”と思考停止状態で選んでしまうと痛い目を見ます。「この店で一番高いやつをくれ!」はもう通用しないのです。
これはCPUに限ったことではありません。先週発売されたGeForce RTX 4070 SUPERの価格も妙なことになっています。販売価格は9万5480円から13万2580円(最多価格帯は11万円前後)。上位モデルのGeForce RTX 4070 Tiの実売価格が約11万円から17万円(最多価格帯12万円前後)なので、ほぼ価格差がありません。GeForce RTX 4070 SUPERを買うお金で、上位モデルのGeForce RTX 4070 Tiが買えてしまうのです。
もしもGeForce RTX 4070 SUPERを買うなら10万円以下で販売している製品を買うといいでしょう。実際に秋葉原のPCパーツショップでも10万円以下の製品ばかりが売れ、10万円超えの4070 SUPERはほとんど売れていないそうです。ちなみに、下位モデルとなるGeForce RTX 4070の実売価格は約8万5000円から11万円。やはりこちらもほとんど4070 SUPERと価格差がないですね。
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