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自社がリスキリングに求める背景や本気度を伝えるのが必要

期待はあるがメッセージは不足 リクルートMSがリスキリングの実態を調査

2024年01月16日 11時00分更新

文● ASCII

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 リクルートマネジメントソリューションズは、2024年1月15日、企業におけるリスキリング・学び直しの推進に関する実態調査の結果を発表した。

 本調査は、政府が5年で1兆円を投資することを表明するといった支援が進む中、企業のリスキリングや学び直しの取り組み状況や、推進における課題や支援策の実態を明らかにすべく実施された。対象は182社の人事・人材開発の責任者・担当者、調査期間は2023年7月となる。

 なお、本調査では新しい知識・スキル獲得を会社が主導する場合をリスキリング、個人が主導する場合を学び直しとして定義している。

期待は6割、メッセージの発信は4割前後

 調査では、経営やマネジメント層から従業員のリスキリング・学び直しへの期待がある企業は6~8割に上る一方、具体的なメッセージを発信している企業は4割前後にとどまった。「期待はあるが具体的なメッセージがない」状態にある企業は3割前後であった。

 リクルートマネジメントソリューションズの組織行動研究所 主任研究員である藤澤理恵氏は、「目の前の業務を推進する傍らで、将来のための漠然とした学習の優先度を高めることは簡単なことではありません。従業員に新しい知識・スキルの獲得を期待するのなら、自社がそれを求める背景や本気度を伝える必要があるでしょう」とコメントしている。

経営やマネジメント層からのリスキリング・学び直しへの期待発信(リクルートマネジメントソリューションズ調べ)

実施率が高いリスキリング・学び直しの内容は、「生産性向上」「DX」「キャリア自律」の知識・スキル獲得

 知識・スキルの内容ごとのリスキリング・学び直しの取り組み状況としては、「現在の担当業務の生産性を向上するための知識・スキル獲得」「DXを推進するための知識・スキルの獲得」「従業員の自律的・主体的なキャリア形成のためのスキル獲得」の実施率が高く、それぞれ全体の半数を超えている。

 成果実感の割合が5割を超えるのは「現在の担当業務の生産性を向上するための知識・スキル獲得」「社内・グループ内の公募異動や副業制度などを通じたキャリアチェンジのためのスキル獲得」となった。

知識・スキルの内容ごとのリスキリング・学び直しの取り組み状況(リクルートマネジメントソリューションズ調べ)

リスキリング・学び直し促進のための支援策は「管理職のマネジメント能力の向上支援」が最多

 実施率の平均が5割以上のリスキリングの支援策は、高い順に「管理職のマネジメント能力の向上支援」「教育訓練プログラムの提供」「目標管理制度などを通じた、個人目標と組織目標の連動の担保」「費用面での支援」となった。

 「教育訓練プログラムの提供」「費用面での支援」は学び直しの支援策としても平均して半数以上の企業で実施されている。学び直しの支援としてリスキリングより実施率が高いのは「費用面での支援」「休暇制度の整備による時間面の支援」となる。

リスキリング・学び直しの支援策の取り組み状況(リクルートマネジメントソリューションズ調べ)

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