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ダイソン初の空気質調査:約80%が室内の空気はきれいだと考えている一方*¹、東京では2022年のうち10カ月間も屋内PM2.5レベルが屋外よりも高く空気質が悪かったという結果に

ダイソン株式会社
2024年01月11日

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ダイソン株式会社
ダイソン初のグローバル コネクテッド エアクオリティデータ プロジェクトは、ダイソンの空気清浄機、250万台以上から収集されたデータを基に室内空気環境を調査したものです。

【主な調査結果】

- 実施した85%の国で、2022年のうち6カ月以上の間、屋外の空気質*²よりも屋内の空気質が悪かった。
- 3分の2の国で、2022年の屋内の年間平均PM2.5レベルが屋外より高かった。日本では、屋内の年間平均PM2.5レベルが屋外より約2%高かった。
- 全ての国の月間平均屋内PM2.5レベルは、少なくとも6カ月間、WHOの長期環境基準*³を上回った。中でもカナダ、デンマーク、アイルランド、オランダは、1年のうちすべての月でWHOのガイダンスを上回った。
- どの地域でも冬が最も汚染された季節であった。
- 24時間の平均で、最も汚染された時間帯(PM2.5)は午後6時から午前0時の間であり、これは人が通常家にいる時間帯と重なるため、より多くの汚染物質にさらされることになる。
- 日本では2022年のうち8カ月の間、屋内のPM2.5レベルが屋外を上回る結果となった。
都市レベルでは、東京で2022年のうち10カ月間、屋内PM2.5のレベルが屋外を上回った。


2022年のグローバルの空気質の傾向を表すグラフ
 グローバルテクノロジー企業であるダイソンは、2024年1月11日に、ダイソン初の空気質調査「Global Connected Air Quality Data Project(グローバル コネクテッド エア クオリティ データ プロジェクト)」の結果を発表しました。このプロジェクトは、2022年から2023年にかけて250万台以上のダイソンの空気清浄機によって収集されたデータをもとに室内空気質の環境を分析したものです。世界中の実際の家庭における空気質を、汚染物質をガスと粒子状物質に分け、日、月、季節、年単位で分析し、これまでにない粒度で可視化しています。このデータはMyDysonアプリに接続されたダイソンの空気清浄機から得られたもので、そのデータ量は5兆データポイントを超え、世界の都市や国における室内空気環境を描き出し、室内空気汚染に対する理解と認識を深めるために役立ちます。豊富なデータの中から、このプロジェクトでは2種類の汚染物質、PM2.5と揮発性有機化合物(VOC)に焦点を当てています。PM2.5とは、直径2.5μm以下の微粒子のことで、一般的な人間の髪の毛の直径25分の1という小ささです。これらの微粒子は肉眼で見ることはできませんが、空気中に浮遊していることがあるため、科学的・健康的研究が進められている分野です。発生源としては、ガスを使った調理や薪ストーブによる暖房などの燃焼、花粉、ペットのフケ、ホコリなどがあげられます。VOCは、ベンゼンやホルムアルデヒドを含む気体汚染物質で、掃除や調理などの活動や、消臭剤や制汗剤のスプレー、キャンドル、家具や塗料などの製品から発生する可能性があります。

今回のプロジェクトを行った国と都市のジオグラフィー
ダイソンの空気清浄カテゴリー エンジニアリングディレクター、マット ジェニングスは、次のように述べています。
「ダイソンのコネクテッド エアクオリティ データは、世界中の家庭における室内空気汚染の現実的な問題を把握することを可能にします。これにより、ダイソンの空気清浄機が実際の環境においてどのような課題に直面しているのかを直接理解することができ、その課題に取り組むために、より優れた空気清浄機を開発するための知識を得ることができます。このデータは、MyDysonアプリを通じて、リアルタイムや月次レポートがシェアされており、ダイソンオーナーの皆様の空気環境に対する理解を深めるために活用されています。」

ユニバーシティ カレッジ ロンドンの集中治療医学長であり、ダイソンのサイエンティフィック アドバイザリー ボードの議長を務めるヒュー モンゴメリー教授は次のように述べています。
「大気汚染といえば、屋外や道路脇の問題だと誰もが思っています。屋内の大気汚染に関する研究は増えつつありますが、まだ発展途上です。ダイソンの調査結果は、世界中の家庭における実際の空気の汚染レベルを知る貴重なインサイトを与えてくれ、日ごと、月ごと、季節ごとの汚染パターンを理解するために役立ちます。ダイソンのデータは、非常に強力な教育ツールであり、私たちの身の回りの汚染状況を理解することは、汚染にさらされる機会を減らす第一歩なのです。」

■屋内と屋外のPM2.5レベルの比較:屋内の空気の質が屋外よりも悪い傾向
<国別の年間平均>
上位10都市は中国、オーストリア、スペイン、シンガポール、オーストラリア、カナダ、ドイツ、ルーマニア、英国、フランス、マレーシアでした。調査対象の31カ国のうち19カ国では、PM2.5レベルの年間平均が屋外より屋内の方が高いという結果になりました。

<国別の月間平均>
月別で見ると、調査対象のうち4カ国を除く27カ国すべての国で、屋内のPM2.5レベルが屋外を6カ月以上超えており、その中には、11カ月間、屋内のPM2.5レベルが屋外を上回ったイギリスとドイツ、12カ月間毎月屋内が屋外を上回った中国、オーストラリア、フランス、オーストリア、カナダ、スペインが含まれます。インド、ノルウェー、ポーランド、フィンランドの家庭だけが、PM2.5レベルが屋外レベルを下回っていました(2022年に6ヶ月未満)。

日本では、2022年の8カ月間、屋内のPM2.5レベルが屋外の月平均を上回りました。

<都市別の年間平均>
都市レベルで見ると、ミラノの家庭の屋内のPM2.5の年間平均は屋外の2.5倍以上であり、これは調査したどの都市よりも高い数値でした。ミラノに次いで、深圳、アムステルダム、ソウル、マドリード、メルボルン、ウィーン、シンガポール、ニューヨーク、東京。調査した34都市のうち20都市で、PM2.5レベルの年間平均が屋外より屋内の方が高いという結果になりました。

<都市別の月間平均>
また、月別では、次の8都市で1年間すべての月で屋内のPM2.5レベルが屋外より高いという結果が出ました:深圳、ニューヨーク、メルボルン、ミラノ、ローマ、ソウル、ウィーン、アムステルダム

日本では約80%の人々が室内の空気はきれいだと考えていますが¹、東京では2022年のうち10カ月間、屋内PM2.5のレベルが屋外を上回りました。

屋内と屋外のPM2.5レベル年間平均の比較 上位10都市
■汚染レベルが最も高いシーズンは冬
冬が近づくにつれ、私たちは家の中で過ごす時間が長くなります。1年を通して、私たちは自宅、仕事、休日や空き時間などで、90%の時間を室内で過ごしています。ダイソンの空気清浄機のデータによると、2022年の冬は世界的に最も屋内の空気質が汚染された季節であるという結果が出ました。寒くなると、私たちは窓を閉め切って家を密閉し、ガスヒーターや薪ストーブ、ろうそくなどの燃焼式暖房を使うようになります。
日本では、2022年では2月が最も汚染された月だったことがわかりました。
世界的には1月が最も汚染された月で、次いで3月、12月、2月でした。それに対して、8月が最も汚染が少ない月でした。

■PM2.5の年間平均値
2022年の各国のPM2.5レベルの平均のランキングで驚くべき結果が出ました。インドと中国が上位2位を占め、続いてトルコ、アラブ首長国連邦、韓国、ルーマニア、メキシコ、イタリア、ポーランド、オーストリアが上位10位に入りました。そして今回調査したすべての国の屋内PM2.5の年間平均値は、WHOのPM2.5の長期環境基準(5μg/㎥)を上回り、その数値に対してインドでは11倍、中国では6倍、トルコとアラブ首長国連邦では4倍、韓国、ルーマニア、メキシコ、イタリアでは3倍以上となっていました。
都市レベルでは、PM2.5の年間平均の数値の上位5都市はすべてアジアで、デリー、北京、上海、深圳、釜山、それに次いでイスタンブール、ドバイ、ソウル、メキシコシティ、ウィーンとなりました。国レベルのデータと同様に、調査したすべての都市がPM2.5のWHO長期環境基準(5 µg/㎥)を超えており、デリーではWHOのガイドラインを14倍近く、北京は6倍以上、上海は5倍以上、上回っています。大阪、ロサンゼルス、パリ、東京、アムステルダム、ミュンヘン、台北、ダブリンはすべて、PM2.5のWHO長期環境基準の2倍を記録しました。

各都市の屋内のPM2.5レベルとWHOの長期環境基準を表したイメージ
(補足情報)
本プロジェクトについて
Dyson Global Connected Air Quality Dataプロジェクトは、5兆を超えるデータポイントを分析し、世界中の実際の家庭の空気質を描き出し、ユーザーの行動を理解し、屋内と屋外の空気質を比較します。世界全体のサンプル数は約3,440,000です。日本国内のサンプル数は約260,000で、都市レベルでは東京が約64,000、大阪が約8,000、福岡が約5,000です。調査対象の室内空気環境は、家庭内のダイソンの空気清浄機の設置場所に基づいているため、全国を代表するものではありません。
室内の空気質データは、ダイソンの空気清浄機がMyDysonアプリに接続され、モニタリングのみを行い、空気清浄を行っていない状態で取得されたものです。そのため、計算のサンプル数は少なくなりますが、ダイソンのデータサイエンティストは、ダイソンの空気清浄機が空気清浄していない、実際の家庭の空気質を正確に表していると確信しています。
ダイソンのデータサイエンティストは、豊富なデータの中からPM2.5とVOCのデータに注目し、2022年1月1日から12月31日までの測定値を分析しました。データは1分ごとにマシンによって収集され、項目の計算に応じて、時間、日、月、季節、年ごとの平均値に計算されます。すべての平均推定値について、正確で統計的に有意な空間的・時間的比較を確実にするため、99%信頼区間を考慮しています。
空気質をより正確に把握するため、異常値を出したマシンは削除されています。例えば、ある地域で粒子状汚染物質が極端に高く、その傾向が全体的に反映されていないマシンは、センサーの閉塞によりデータ測定値が歪んでいる可能性があり、そのような異常値は除去されています。「オートモード」のマシンは、1年間で毎日75%以上をオートモードで使用していたかによって決まります。つまり1日のうち6時間は手動で使用することができ、これは暖房または冷房モードで手動により使用されていたことを意味します。
すべてのマシンが1年中毎日24時間稼働しているわけではありません。そのため、MyDysonアプリに接続し、データを記録している時間帯の割合に応じて、マシンデータの重み付けを行いました。例えば、1年のうち6カ月間しかMyDysonアプリに接続していないマシンは、1年中接続しているマシンよりも重み付けが低くなります。
屋外の空気質データは、主にOpenAQのデータを使用しています。深圳、福岡、大阪、アムステルダム、台北、ニュージーランドの屋外の空気質についてはWorld Air Quality Projectによるデータです。

調査対象国: オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インド、インドネシア、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サウジアラビア、シンガポール、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、米国、ベトナム
調査対象都市: アムステルダム、バンコク、北京、ベルリン、ブリストル、ブリュッセル、釜山、シカゴ、ケルン、コペンハーゲン、デリー、ドバイ、ダブリン、福岡、ハノイ、香港特別行政区、イスタンブール、ジャカルタ、クアラルンプール、ロンドン、ロサンゼルス、リヨン、マドリード、マンチェスター、マニラ、マルセイユ、メルボルン、メキシコシティ、ミラノ、ムンバイ、ミュンヘン、ニューヨーク、大阪、パリ、ローマ、ソウル、上海、深圳、ストックホルム、シドニー、台北、東京、トロント、ウィーン

*¹ 空気清浄機に関するU&A調査に基づく - 日本在住の消費者4,000人を対象に2022年4月25日から4月27日にかけて実施。
*² 接続されたダイソンの空気清浄機で記録された屋内の空気質とOpenAQによる屋外の空気質の比較。深圳、福岡、大阪、アムステルダム、台北、ニュージーランドの屋外の空気質データはWorld Air Quality Projectによるデータを使用。
https://www.who.int/publications-detail-redirect/9789240034228

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