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成長を続けるものの「まだまだ」と語る井田氏、サードウェーブの今後の展望・戦略とは?

成長続けるサードウェーブは今後どうなる? 戦略のキーマン、井田副社長に聞いてみた

2023年12月27日 14時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

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取締役 兼 最高執行責任者(COO) 副社長執行役員の井田 晶也氏にインタビューを実施

 「GALLERIA(ガレリア)」「raytrek(レイトレック)」「THIRDWAVE」といったブランドを持つサードウェーブ。2023年9月に実施されたクライアントビジネス方針発表会のなかで、このブランドの戦略についての変更が発表され、話題となった。

 詳しくは発表会のレポートを参照してほしいのだが、一般的なクリエイター用途をGALLERIAに集約し、raytrekはよりプロ、ビジネス向けに特化したブランドに変化する。加えて、raytrekブランドでワークステーションも販売していくということだった。

 また、サードウェーブは同社の40期(2023年7月まで)に本社の移転や生産物流拠点の拡大のほか、新規店舗の出店や新たな製品ラインの技術開発といった投資も実施してきたうえで、売り上げは前年比でフラット(しかもちょっと増加している)という実績を実現している。

 正直この実績であれば大成功では? と私は感じてしまったが、同社の取締役 兼 最高執行責任者(COO) 副社長執行役員の井田 晶也氏は発表会にて「苦戦した、まだまだだ」とコメントしていた。

 今回は、そんな井田氏に単独でインタビューをする機会を得ることができたので、どうしてブランド戦略を変更したのか、同社はユーザーにとってどんな企業でありたいのか、今後の展望などを詳しく聞いてきた。

ブランド戦略の変更は、よりシンプルにわかりやすくユーザーに用途を伝えるため

リブランディングを発表

──本日はよろしくお願いします。まずは井田さんがサードウェーブのなかでどのようなことをされているのか教えてください。

井田 晶也氏(以下、井田氏):サードウェーブのクライアントパソコンからワークステーションサーバーまで、コンピューティングの製品全般を統括するのが私の役割です。そのため、メインは本社で勤務していますが、月に2~3回はカスタマーセンターや綾瀬事業所、物流センターにも足を運んでいます。品質管理本部も綾瀬事業所のほうにございますので。

井田氏は、すべてのパソコン製品に関する事業を統括しているとのことだ

──以前のクライアントビジネス方針発表会にて、ブランド戦略に変更があり、話題になったと思いますし、個人的にもとても気になりました。こちらの戦略変更の意図について、詳しく教えていただけますでしょうか

井田氏:私どもの主力製品としては、ゲーミングパソコンのGALLERIAと、クリエイター向けを中心としたraytrek、それ以外に例えば「Monarch(モナーク)」「THIRDWAVE Pro」といったブランドがありました。それをまず単純化することで、我々の製品検討してくださるお客様に対してよりわかりやすいメッセージを発信できるブランドにしたいというのが、大きな理由です。

──なるほど、確かにユーザー側からすると、ブランドのメッセージがシンプルでわかりやすいほうがありがたいです。では、実際にどのように変わったのでしょうか?

井田氏:まずGALLERIAですが、こちらは従来からのゲーミングパソコンという位置付けに加え、動画編集や音楽制作といった作業がしたい一般のクリエイターの方々や、AIを活用したいお客様向けのスペシャリティー製品として展開していきます。raytrekは、クリエイターブランドとして展開してきましたが、その役割の一部をGALLERIAに置いて、プロ(法人)のクリエイター向けのハイエンドパソコンとしての位置づけは引き続き担いつつ、今までそこまで踏み込んでいなかったCADデザインといった用途や、かつてTHIRDWAVE Proが担っていたAIの検証や学習といった用途のワークステーションなども含めたブランドとして展開していきます。

GALLERIAは、ゲーマー向けに加え、一般クリエイター向けモデルとしても展開していく

raytrekはプロクリエイター向けに特化するほか、ワークステーションなども展開していく

──一般ゲーマーやクリエイター向けのハイエンドパソコンはGALLERIA、プロ向けのクリエイターパソコンやワークステーションはraytrekになるというわけですね。ではTHIRDWAVEブランドは変わらずでしょうか?

井田氏:THIRDWAVEブランドは、高性能でありつつもGALLERIAやraytrekブランドよりはリーズナブルで手の届きやすい製品として展開していきます。ということで、この3つのブランドに集約して、今後は展開していきます。

THIRDWAVEは、一般向けに広く製品をラインアップして展開する

──高性能かつリーズナブル以外に、THIRDWAVEブランドの特徴はありますか?

井田氏:THIRDWAVEブランドは、一番バラエティーに富んでいるのも特徴です。スペックでいうと、例えばインテルCPUだとCore i5、Core i7を搭載し、ビデオカードも4060や4060 Tiあたりを搭載したモデルまでラインアップしているほか、内蔵GPUを採用したマシンもございます。加えて、1kg以下のモバイルノートパソコンや、ミニPCのようなボックス型のパソコンにノート向けCPUを使って展開するなど、さまざまな企画の製品を、このブランドで用意しています。さらに、色々なニーズに対して対応できる選択肢を用意しています。

──この変更に関して、結構反響は大きかったのではないですか?

井田氏:おかげさまでとても肯定的な反響をいただいており、歓迎していただけていることを感じております。

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