Lepton Motion Pro Z790/D5をレビュー
RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう
2023年12月20日 10時00分更新
巨大なPCケースファンで静音かつ強力に冷却
ここからは、Lepton Motion Pro Z790/D5の内部を見てみよう。
CPUクーラーは空冷タイプで、Noctuaのサイドフローモデル「NH-U12S chromax.black」を採用。ベージュ×ブラウンの「NH-U12S」との違いは色だけで、ファンもヒートシンクもブラックで統一されている。
このCPUクーラーの延長線上、熱風があたる部分に排気用のPCケースファンを配置している。CPUから出た熱を、そのままPCケースの外へ排出しやすいレイアウトだ。
PCケースはミドルタワーの「Torrent Compact Black TG Dark Tint」。その最大の特徴は強力なエアフローにある。フロントには2基の180mmファンを搭載し、CPUクーラーの上からビデオカードの下まで完全にカバーしている。
また、見てもらえるとわかる通り、PCケースのリアはブラケット以外もパンチ穴が多く、通気性は抜群だ。熱気が外に抜けやすいため、PCケース内温度が上がりにくいというメリットがある。
ちなみに、CPUの電力設定をモニタリングツール「HWiNFO64 Pro」で確認してみたところ、プロセッサーのベースパワー(PL1)は160W、最大ターボパワー(PL2)は253Wだった。PL1に関しては、インテル推奨設定(125W)よりもだいぶ高いことになる。
CPUの電力設定は自作PCだとどちらも無制限設定の場合が多い(というか、デフォルトがその設定である場合が多い)が、BTOパソコンだと基本的にはインテル推奨設定がほとんどだ。
前者の場合、自分で選んだCPUクーラーの冷却能力と用途を考慮し、負荷をかけてどの程度の性能を安全に引き出せるか検証し、電力設定を探る必要がある。
一方で、後者の場合はCPUをフル稼働しても危険水域にならないように、メーカー側が設定しなければならないため、どうしてもインテルの推奨設定、あるいはその下の設定になりがちだ。必然、前者と比べ、性能が落ちてしまうことが多い。
サイコムの場合は、そのハイブリッドと言ってもいいかもしれない。独自の検証で温度・動作音・性能のバランスが良くなるラインを見定め、電力を設定している。この絶妙なさじ加減こそ、同社ならではの魅力と言える。