高音質な有線イヤホンは根強い人気
ミックスウェーブはFAudioの注目機種「Project X」を展示した。
FAudio技術の集大成ともいうべき製品で、ダイナミック型ドライバー、バランスド・アーマチュア(BA)型ドライバー、ESTドライバー、ピエゾドライバーの4種類のドライバーが搭載されている。FAudioの担当者に聞くと、音の広さに重点を置いた設計で、ヘッドホンのようなサウンドをイヤホンで楽しめるよう設計しているという。試聴してみると、たしかに音の広さには驚かされる。左右の音場の広さはあまりイヤホンでは聞いたことがないほどだ。
担当者に「普通はドライバー数が多いと位相の問題で音場感は悪くなるはずではないか」と聞いてみたところ、「FAudioではドライバーを全て自社で管理していてパーツナンバーまで揃えている。そのようにして特性を一致させたドライバーを使用することで位相の問題を軽減して音場感を向上させている」という回答をもらった。
音の広さ以外でも楽器音が鋭くインパクトがある。帯域バランスも良好で音質が高いモデルだと感じた。
Pentaconnブースでは、ブランド初のイヤホン製品「Scyne α01」を展示していた。Pentaconnは端子のメーカーだったが、ケーブルも扱い始め、その延長線上でイヤホン本体を開発したという。設計は完全に自社で行い、OEMなどではないそうだ。ドライバー構成は非公開。もちろんイヤホンとケーブルを繋ぐ端子はPentaconnだ。音を聞いてみると躍動感があり、中高域も聴きやすいリスニングよりの音のように感じられた。
また、人気の金属入りイヤーピース「COREIR」のアルミバージョンも試聴可能だった。従来のBRASSバージョンに比べるとより硬質で金属感の高い音がするように感じられた。イヤーピースの材質でこのように音が変わるのは面白い。
finalブースでは、DITA Audioブランドの新製品「Project M」の試聴に長い列ができていた。Project Mは、DITAとしては初めてBA型ドライバーとダイナミック型ドライバーのハイブリッド方式を採用したイヤホンで、ステンレスの内殻(チャンバー)を透明で樹脂製の外部シェルで隙間なく包み込むというユニークな設計がなされている。ハイエンド製品が多いDITAとしては価格も手ごろだ。
実機を手に取ると軽量で装着感が高い。一般的なアクリルシェルは中が空洞だだが、樹脂が内部に隙間なく詰められているせいか遮音性も高い。音はハイブリッド型イヤホンらしいパンチのある低音とクリアな中高域がミックスされたもの。とても滑らかで美しい音が楽しめる。
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