◆2階はレースカテゴリーごとの展示で見やすく
2階フロアへ上がると、展示内容はカテゴリーごとに分かれていました。
トヨタ/セリカGT-FOUR(ST185)は、1990年に日本車で初めてWRCドライバーズ・タイトルを獲得した傑作機。展示の車両は1993年製で、この年、ユハ・カンクネンによるドライバーズタイトルと日本車初のメーカータイトルというダブルタイトルを獲得しました。
そして日本車にとって、世界の壁の厚さを実感させたのがル・マン24時間レースです。中でも忘れられないクルマが、日本車として初めて総合優勝を果たした1991年のマツダ787B。そして1999年、日本人トリオがレース終盤でトップを猛追するもののタイヤバーストで2位に終わったトヨタGT-Oneでしょう。この2台は見ているだけで胸が熱くなる人が多いのでは?
モータースポーツの頂点といえるF1。日本ではHondaのイメージが強いですが、2002年から2009年までトヨタも参戦していました。エンジンはもちろん、シャーシまで自社制作する体制で、最高成績は2位が5回と、優勝こそ叶いませんでしたが存在感をみせつけました。写真のTF109は、2009年の最終戦アブダビGPで小林可夢偉選手が6位入賞を果たした車両です。
日本ではSUPER GTが最も人気のカテゴリー。富士スピードウェイでも年に2回の大会が行なわれています。「富士モータースポーツミュージアム」では、過去活躍したマシンがいくつか展示されていました。
「富士モータースポーツミュージアム」はその名のとおりレーシングカーが中心で、量販車はあまり多く飾られていません。そのような中、HondaのNSX-R(1996年)がチャンピオンシップホワイトの輝きを放っていたことをご報告します。
日本発祥のモータースポーツといえばドリフト。ここではHKSオイルカラーのGRスープラが展示されていました。富士スピードウェイでも、時々ドリフトの大会が開催されています。
日本人にとって海外のモータースポーツというと、ヨーロッパのレースがメインで北米のIMSAシリーズやインディカーシリーズ、NASCARの話はあまり伝わってこなかったりします。施設内では、これらのマシンも展示されていました。
◆富士山をイメージしたお土産やコースが見えるカフェも
3階にはミュージアムショップとカフェが併設されていました。ミュージアムショップではミニカーなどクルマ関係のもののほか、富士山の形をした陶器なども販売され、土地柄を感じさせるものがありました。
ミュージアムで歩き疲れたらカフェで一休み。眼下には富士スピードウェイの最終コーナーが一望できます。晴れていればテラス席も利用可能ですが、催事時には貸し切り営業になることもあるとのこと。
ハイソサエティな空間で、ゆったりとモータースポーツの歴史を学ぶことができ、そしてモータースポーツに思いを馳せる施設。一度足を運ばれてはいかがでしょうか?