返金してもらうはずが送金してしまった!?
ネットショッピングを日頃から利用している人も多いでしょう。しかし、中には商品が売り切れになってしまったり、確保できなかったりというケースもあるはず。そういうときは、当然、代金を返金してもらわなければいけませんが……。
国民生活センターによると、ネットショッピング代金を返金するふりをして、「送金させる」手口が報告されているとのことです。
具体的には、販売業者から「決済アプリを使って返金する」と言われ、スマートフォンで返金手続きを誘導されているうちに、返金してもらうはずがいつの間にか送金してしまっていた……という手口です。
事例としては、以下のような例が紹介されています。
ネット通販で、およそ7000円のアクセサリーを購入。支払方法は銀行振込のみ。事業者に振り込み完了メールを送ったところ、「在庫が欠品しているため、注文をキャンセルします」というメールが届いたとのこと。
そのメールの内容は、「払い戻しは○○ペイで行います」というもの。さらにLINEの友達登録をするよう指示があったため、ビデオ通話で指示をされるがまま、○○ペイに数字を言われて入力したそうです。
ところが、何度か相手から「失敗している」と言われ、複数回操作した結果、およそ10万円を送金していることがわかったというのです(【新手の詐欺】「○○ペイで返金します」に注意!−ネットショッピング代金を返金するふりをして、送金させる手口−(発表情報)_国民生活センター)。
ネットショッピングの代金を銀行振込で送金しているにもかかわらず、返金は決済アプリで……という流れは不自然です。「○○ペイで返金します」と言われたら、詐欺を疑いましょう。相手の指示に従ってスマートフォンを操作することはせず、最寄りの消費生活センターや警察などに相談してください。
◆消費者ホットライン……電話番号 188(いやや!)
◆警察相談専用電話……電話番号 #9110
◆情報セキュリティ安心相談窓口……電話番号 03-5978-7509
通販サイトを運営する企業が個人名義の口座を使っている場合は、公式に似せてブランドやメーカーが運営しているようなサイトを装ったり、粗悪品を販売したりする、偽のショッピングサイトの可能性があります。よく注意しておきましょう。
※以下は「架空の通販サイトであの新型家庭用ゲーム機がバカ売れ!?」からの抜粋です。
消えては浮かぶ幻の偽通販サイトに要注意!
——新型ゲーム機を予約するため、スマホ片手に奮闘中のAさんは、検索結果の広告欄に見慣れない通販サイトを発見します。何気なくタップしてその通販サイトに飛ぶと、なんと奇跡的に新型ゲーム機の予約が可能です! そして製品画像の下には「残り3個」の文字。『迷っているうちに誰かが予約してしまうかも!?』と慌てたAさんは即、予約注文を実行。ほどなく代金の振込先を知らせるメールが届いたので、その日のうちに振り込みを済ませました。
これまで、お目当ての人気製品を予約できず、転売屋からプレミア価格で入手せざるを得なかった経験を持つAさんは、今度こそ定価で買えると安心していましたが、発売日を過ぎても一向に新型ゲーム機は届きません。しかも予約したはずの通販サイトはいつの間にか消えておりアクセスできないのです。不審に思い、問い合わせメールを送りましたがなしのつぶて。ここにきてようやく騙されたことに気づくAさんでした——。
Aさんが遭遇したのは、消費者庁も注意喚起を呼び掛けている「人気の家庭用テレビゲーム機などを販売しているかのように装う偽の通信販売サイト」の一種かもしれません。
これらは悪意ある人たちが作った偽の通販サイトです。口座に代金を振り込ませてそのままサイトを閉鎖するという行為を繰り返しています。半月程度の間隔でサイト名を変えながら浮かんでは消えて……を繰り返す、幻の偽通販サイトなのです。
ただし、対策は比較的簡単です。この手の偽通販サイトは振込先として「個人名義の口座」を指定します。通販サイトを運営する企業が個人名義の口座を使っている時点で怪しさ満点ですから、よほど興奮したり切羽詰まったりしている状況でもなければ、ここで踏みとどまれるでしょう。「残り3個」といった文字に惑わされず平常心を心掛けることが大切です。
また、子どもや孫へプレゼントを贈ることが多い両親や祖父母などにも注意を呼び掛けてください。