KDDIとKDDI総合研究所は10月23日、スポーツ用具などに内蔵可能な小型・薄型の力触覚提示技術を開発したと発表。同技術を搭載の卓球ラケット型力触覚提示デバイスを公開した。
カメラで撮影したボールの位置、プレーヤーの位置、姿勢の情報、およびデバイスの位置や向きの情報をサーバーへ送信し、ボールを打ち返すための理想的な打球位置とスイングのタイミング、スイングの速度をサーバーで解析。解析したスイングのタイミングとスイングの速度をデバイスに送信。
デバイスでは、内蔵する2つのモーターを同時に駆動して、回転する円盤に2軸の回転を与えることでジャイロ効果を発生させ、デバイスを握るユーザーの手に対して前後方向に引っ張る力を提示できる。解析した打球位置などを映像や音で提示することも可能。
スポーツ指導や支援のフィードバックにおいて、力加減や身体を動かすタイミングなどのいわゆるコツは言葉だけでは直感的に伝えづらく、直接的な後押しになる技術は限られているが、言葉では理解しにくい力加減や動作タイミングなどのコツを直感的に学習でき、人の動作支援や能力強化が可能になるとしている。
KDDIでは、高品質3D映像をスマホ視聴できるリアルタイム再生技術の開発も同時発表した。
3Dメッシュデータのデータ構造を見直すとともに、スマホに搭載されたチップセットでオブジェクトごとの並列処理を可能とする手法を新たに開発。従来技術とは異なり、フレーム内符号化に加えてフレーム間予測符号化の技術を利用し、圧縮対象とするフレームの3Dメッシュデータを構成する頂点情報を符号化する際、時間的に近接するフレームを参照して動きを予測して予測値との差分などを符号化することで、形状表現に必要な符号量を削減。
高効率に圧縮された3Dメッシュ映像のデコード処理を2倍以上に高速化。高品質な3Dメッシュ映像をスマホなどのデバイスに効率的に伝送し、リアルタイム再生・視聴が可能になる。
同社では、国際標準規格V-DMC(Video-based Dynamic Mesh Coding)として標準化活動が進められている3Dメッシュデータの標準化に参画しており、同圧縮技術は提案された暫定仕様に基づく3Dメッシュデータの圧縮技術を利用しているという。