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「Duolingo Music」などの新サービスや新機能の発表をみんなで体験

国内初開催のDuolingoファンイベント潜入!681日連続ユーザーとして楽しんできた

2023年10月20日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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文法や活用法ではなく、脳にパターンを見つけさせるDuolingoメソッド

 続いて、学習・カリキュラム担当のボザーナ・パジャック氏がDuolingoメソッドの設計思想について説明してくれた。

 冒頭、パジャック氏は、「外国語を学ぶとき、文法の説明や活用表、長い単語リストの暗記などは、どれも重要ではない」とコメントする。初等教育の段階で単語と文法漬けだったわれわれからすると「えっ?」と思うが、確かにDuolingoで印象的なのは、文法を教わるのではなく、まずはイラストで単語を覚え、ゲームのように単語を並べて文を作っていく実践型レッスンだ。これを繰り返すと、パターンが認識されるので、確かにルールを考えなくとも文章を組み合わせることができる。

 たとえば、複数のイラストを見て、「Dax」という単語がどのような意味かを考えてみる。1枚目は犬のイラスト、2枚目は3匹の異なる犬、3枚目は黒ぶちの犬のイラスト。この一連のイラストが示すシナリオから、われわれはDax=ダルメシアンの意味であることを導く。パジャック氏は、「これはまさに、私たちが子どもの頃に言語を覚えるときと同じだ。私たちは活用表や文法を暗記したわけではない。聞き、観察し、脳にパターンを見つけさせることで学んだのだ。そして、あなたはそれをすべて完全に自動的に行なった」と指摘する。

Duolingoメソッドの設計思想について語るボザーナ・パジャック氏

 子どもが「eat」の過去形を「ate」ではなく「eated」と言ってしまうのは、例外を覚えるまで、自身が認識したパターンを全面的に適用してしまうからだという。「Duolingoメソッドは私たち誰でも持っている、世界と関わりながら学ぶという自然な能力を高めるものです」とパジャック氏は指摘する。

 しかし、シンプルで直感的なDuolingoメソッドを構築するのは、複雑な作業の繰り返しただという。コースで取り上げたいコンセプトをひとくちサイズのレッスンに収まるように分割し、このレッスンをこなしていくうちに、全体のコンセプトを学べるように設計する。パジャック氏は、「性と数の一致」というスペイン語の大事な概念を理解するためのDuolingoのレッスン例を披露。「レッスンを受けて、その体験を楽しむ。しかし、その背後で、あなたの脳は多くの学習を行なっているのです」とパジャック氏は説明する。

より高度な英語学習コースが導入 とにかく続けて

 続いて、今回来日したラーニングディレクターのジェシー・ベッカー氏の登壇パート。今までよりも高度な英語学習を可能にする新しい「没入型エキササイズ」について説明した。

 2022年のDuolingo言語レポートによると、英語は131カ国で学ぶべき言語の1位または2位を占めているという。また、利用機会の多い英語は学習者がもともとかなり勉強しているため、高度な内容を学ぶ準備ができているという。こうした学習者は、翻訳を必要とせず、職業上・学問上の目標を持っている人も多く、英語の上達自体が仕事や教育の機会拡大に直結するという。

 DuolingoではCEFR(ヨーロッパ言語共通参照フレームワーク)と呼ばれる国際基準で言語習得レベルを測っているが、現在開発している没入型エキササイズは中級レベルのCERFのB1とB2をカバーする。これらは言語の自立した使用者になれるレベルで、流ちょうに話すことができるだけでなく、文化や政治的な問題、抽象的な話題についても話せるようにデザインされるという。

中級にあたるCEFRのB1・B2レベルを開発している

 このコースはすべて英語で行なわれ、翻訳は一切ない。そのため、英語だけで新しい語彙を覚え、トリッキーな文法もカバーされる。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの主要スキルが徹底的に強化され、似たような音の違いや文章の完全な理解が必要になる。また、学習者が実際に言葉を発することができる新しいタイプの問題も取り入れられ、長文読解での問題やライティングの練習も可能になるとのこと。ロシア語、日本語、中国語のユーザー向けにはすでにラウンチされ、近日中には英語を教える20以上のコースに導入されていく予定だという。

 最後に登壇したCEO・共同創業者であるルイス・ボン・アン氏は、5回目のDuoconにして初めて学習者としての自らを語った。学習している言語は、ポルトガル語、フランス語、アラビア語、ドイツ語、日本語、スウェーデン語の6つだ。最近の日課は約20分で、毎日5つのレッスンをしているという。フランス語は2レッスンで、一番上達している言語を学んでいるという。加えて、数学と音楽のレッスン。連続記録は2874日(!)だ。

CEOは2874日連続(!)

 外国語を学ぶのに限らず、独学で学ぶためにもっとも難しいのはモチベーションを維持することだとアン氏は語る。そのため、Duolingoは「より楽しく、よりソーシャルなもの」にするために一生懸命取り組んでいるという。アン氏は最新のアップデートをいくつか紹介する。

 Androidアプリの新機能である「Adventures」では、ゲームをすることで、インタラクティブに外国語を練習できる。また、アバタークリエイトでは、プロフィール画像も多くのカスタマイズが可能になる。さらにDuolingoからソーシャルフィードにコメントできるようになるという。これまでのカンファレンスをラップアップしたアン氏は、「どうか今日もDuolingoのレッスンをしてください」と語り、イベントを締めた。

 なお、Duocon 2023はYouTubeでも視聴できる。今回視聴した以外のセッションも面白いので、ぜひDuolingoファンは見ていただきたい。

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