クリエイター向けブランド「raytrek」はよりプロフェッショナル向けに、ワークステーションも展開
個人のクリエイター向けPCはGALLERIA(ガレリア)に統合、サードウェーブが今後の戦略を説明
2023年09月19日 18時00分更新
サードウェーブは9月19日、同社の今後の方針について説明するクライアントビジネス方針発表会を開催した。発表会では、サードウェーブ取締役 兼 上席執行役員副社長の井田 晶也氏が登壇し、説明を行なった。
40期の売上はほぼ横ばい
テレワーク需要の落ち着きや潜在的な投資が理由
井田氏はまず、同社の40期(2023年7月まで)について振り返った。40期は、39期と比べると微増でほぼ横ばいの売上高で着地。これは、コロナ渦によるパソコン需要の向上が落ち着いてきたことや、新規店舗の出展、本社移転、生産物流拠点の拡大、新たな製品ラインの技術開発といった、潜在的な投資を実施してきたことが理由に挙げられるという。
こういった理由から横ばいではあるものの、39期と比べて微増しているのは、新規ユーザー層のニーズをしっかりと把握し、それに合った製品を投入できているからだそうだ。
41期は大きく5つに注力
続いて井田氏は、41期の展望や戦略について語った。41期は、大きく5つのポイントについて注力していくという。
1つは、「ゲーミングパソコンユーザー層の拡張」。ゲーミングパソコンブランド「GALLERIA(ガレリア)」は、ゲーミングパソコンとしてのポジションをしっかり確保できたとしつつ、今後は若年層といったこれからゲームを始める層や、パソコンを覚えるためにゲームをしたいという高齢者層の方にも訴求していきたいとのことだ。
2つ目は「クリエイター・デザイナーパソコンの成長」。同社のクリエイターブランド「raytrek」を中心に、ワークステーションや法人のクリエイター向けの訴求を強化していくという。
3つ目は「法人市場のさらなる開拓」。パートナー企業との協業をより強め、同社が得意とするハイエンドパソコンに加えて、一般的な製品のラインアップも拡充し、幅広く市場に訴求していくとのことだ。
4つ目は、「文教市場におけるハイエンドパソコンの訴求」。同社はこれまで高等教育に注力してきたが、今後は小学校から高校までというように、対象の幅を広げて、できる限り貢献していきたいとのことだ。
5つ目は、継続的な店舗展開とさまざまな製品訴求」。井田氏は、同社は小売業からスタートしていることを改めて言及しつつ、今後も店舗展開は大切にしていきたいという。40期については、10店舗を新たにオープンさせたが、今後もさらに加速していきたいそうだ。
コンシューマー向けクリエイティブパソコンはGALLERIAに統合
raytrekは法人クリエイターなどを中心に展開
続いて井田氏は、「GALLERIA(ガレリア)」「raytrek(レイトレック)」「THIRDWAVE(サードウェーブ)」の今後のブランド戦略について説明した。
一番驚いたのが、個人向けのクリエイター向けパソコンを、raytrekからGALLERIAに移行するということを発表。昨今の動画編集や実況配信といったニーズは、GALLERIAブランドのほうが訴求しやすいという判断なのか、今後は一般向けのクリエイターパソコンも、GALLERIAブランドとして投入していく。現行のゲーミングパソコンとしてのGALLERIAブランドに加え、クリエイター向けのGALLERIAとしても、キャラクター付けをしていきたいとのことだ。
では今までそのクリエイター向けのブランドとしての立ち位置だったraytrekはどうなるかというと、よりクリエイタープロフェッショナルに特化したブランドに変更する。写真編集や動画編集といった用途だけでなく、CADやVR、AIといった分野に向けたパソコンの訴求を実施していく。また、クリエイティブ向けのパソコンに加え、ワークステーションも、raytrekブランドとして投入していく。さらには、14型~17型のハイパフォーマンスなモデルも、用意していくとのことだ。
THIRDWAVEブランドは、コンシューマー・ビジネス向け両方をカバーできるパソコンブランドとして展開していく。そのため、今後も幅広く使用できる製品ラインアップを予定しているそうだ。
最後に、今後のイベントについて説明。9月21日から24日まで幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ2023」には、GALLERIA BASEを展開。9月21日には、同社が制作した映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』について紹介するステージイベントを実施するとアピールした。
加えて、10月6日には、ベルサール秋葉原で法人を対象としたAIセミナー「Dospara plus Synapse 2023」を開催。加えて、11月4日にも、ベルサール秋葉原でユーザーが制作したAI作品の発表会や、ハッカソンを実施する「第1回 AIフェスティバル」も開催予定。同社は今後、AI分野にもかなり力を入れていきそうだ。
以上が、井田氏が説明した同社の今後の事業戦略となる。やはり一番気になるのは、GALLERIA、raytrekブランドについてだ。発表会では、今後発表される予定の製品の参考展示もあった。はたしてクリエイター向けのGALLERIAブランドと、クリエイタープロプロフェッショナル向けのraytrekブランドがどのように展開されていくのか、気になるところだ。
