ソニーは8月29日に、αシリーズのフルサイズコンパクトカメラα7Cシリーズの新製品「α7CR」と「α7CⅡ」の2機種を発表した。
「α7C」は2020年9月に発売されたフルサイズセンサー搭載の小型ミラーレスカメラで、今回の「α7CR」は、6100万画素センサーを搭載する高画素機「α7RⅤ」とほぼ同等の機能を小型ボディに収めたモデルで、「α7CⅡ」は「α7C」の後継ながら、「α7Ⅳ」の機能を超えたフルサイズ標準機の最新モデルとなる。ともにボディーカラーはシルバーとブラックの2色だ。
市場推定価格は「α7CR」がボディのみ45万円、「α7CⅡ」がボディのみ30万円、レンズキット(28-60mm)が33万円で9月6日受注開始、10月13日に発売の予定だ。
フルサイズ裏面照射6100万画素にBIONZ XR
AIプロセッシングユニットも搭載でほぼ「α7RⅤ」を53%の体積に凝縮
「α7CR」
「α7CR」は、α7の最高画素モデル「α7RⅤ」の機能をほぼそのまま継承する、高画素&高機能モデルで、裏面照射型6100万画素センサーにBIONZ XRを搭載する。35mmフルサイズ時の静止画サイズは9504×6336ドットとなる。
AIプロセッシングユニットを採用し、オートフォーカスはリアルタイム認識AFにより、人物、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機を認識してくれる。位相差センサーも693点で「α7RⅤ」と同じだ。
「α7RⅤ」と異なるのは、まずボディ内手振れ補正の効果で、「α7RⅤ」では8.0段のところ、「α7CR」では7.0段となっている。また、連続撮影速度は「α7RⅤ」の最高毎秒10コマが8コマ、動画記録性能は「α7RⅤ」の最高8K24P/4:2:2-10bitが、4K60P/4:2:2-10bitとなっている(ともにクロップ時)。メモリーカードスロットも「α7RⅤ」の2から1になる。
EVFは「α7RⅤ」の944万ドット0.9倍から、「α7CR」では236万ドット0.7倍に、背面液晶は209万ドット4軸マルチアングルが、「α7CR」では103万ドットのバリアングル型となる。
逆に、「α7CR」ではLUT(ルックアップテーブル)を使った動画保存が可能で、使用時重量は「α7RⅤ」の723グラムから515gへと208グラム軽くなる。サイズは横幅124×高さ71.1×奥行き63.4ミリで、体積は53%しかない。
「α7CⅡ」では別売となるグリップエクステンションの「GP-X2」が、「α7CR」では同梱される。ボディ底部の三脚穴を使って装着するグリップで、小指の握りが改善されるもので、装着したままバッテリー交換ができるように一部が折れ曲がる仕組みになっている。
フルサイズ3300万画素にAIプロセッシングユニットも搭載で
「α7Ⅳ」を超えたフルサイズ機
「α7CⅡ」
「α7CⅡ」は「α7C」の後継ながら、「α7Ⅳ」の機能を超えたフルサイズ標準機の最新モデルとなる。
撮像素子は「α7Ⅳ」と同じ裏面照射の3300万画素にBIONZ XRを搭載。「α7Ⅳ」では搭載していないAIプロセッシングユニットを搭載し、オートフォーカスはリアルタイム認識AFで人物、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機を認識してくれる。
手振れ補正も「α7Ⅳ」の5.5段を上回る7.0段、最高連写速度は毎秒10コマで、動画記録は4K60P/4:2:2-10bit、EVFは236万ドット0.7倍、背面液晶は103万ドットのバリアングル型など、「α7CR」と同じ性能である。
αでは5本目の16-35mmズーム登場
「FE 16-35mm F2.8 GMⅡ」
同時発表となった新レンズは「FE 16-35mm F2.8 GMⅡ」で、「FE 16-35mm F2.8 GM」の進化モデル。市場価格は35万円で9月22日発売予定だ。
サイズは直径87.8×長さ111.55ミリで重量は547グラムで、20%133グラムの軽量化が実現している。
モーターはダイレクトドライブSSMからXDリニアモーターに変更されAF速度を向上。フォーカスブリージングを最小限に抑制、絞りリングのクリック切り替えスイッチなど、動画撮影に対応した。
最短撮影距離は全域で28センチから22センチと短くなり、最大撮影倍率は0.19から0.32へと向上している。
GマスターのF2.8ズームシリーズは、70-200mm、24-70mmがすでに第二世代となっており、これで、いわゆる「大三元」が新世代になった。3本合計での重量は3046グラムから2287グラムとなり、α7約1台分軽くなったことになる。