前月比で減少したものの、件数自体は過去2番目
フィッシング対策協議会が発表した「2023年7月のフィッシング報告件数」は、前月より3万2690件減少して11万7024件。2割以上減ったことで、ほぼ先々月の数字に戻りました。
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年が明けてから右肩上がりが続いていましたが、詐欺師のみなさんも今年の容赦ない猛暑には勝てず、さすがに一息ついた……わけではなさそうです。報告によれば、「特定の海外クラウドサービスからのフィッシングメール配信が減少したため、全体のフィッシング報告数は減少」とのこと。
配信を減らした理由が明確になっていませんので、今後もこの減少が続くかは不明です。そもそも今月は、前月比で減りはしたものの、おそらく集計が始まってから2番目に報告件数が多かった月でもあるのです。
金融系ブランドを騙ったフィッシングが増加中
7月はAmazonを騙った報告が全体の約31%、そして三井住友カード、イオンカード、セゾンカード、ヤマト運輸、日本航空を騙る報告を合わせると全体の約63.5%を占めました。特に金融系ブランドを騙った報告が前月比31.6%と急増しています。
SMSを利用したフィッシング詐欺「スミッシング」も金融系ブランドを騙る報告が多いほか、相変わらず宅配便通知を装いながらAppleを騙るフィッシングや、国税庁を騙ってVプリカで金銭を要求するフィッシングも増えているようです。
なお、フィッシングメールからの誘導先にあたる偽WebサイトのURL件数は前月から1835件減少して2万1585件。悪用されたブランド数も数を若干減らして計93件でした。
今後も怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告すると良いでしょう。