本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「ソラカメの活用場面がグンと広がる屋外BOX収容ノウハウ紹介」を再編集したものです。
目次
そもそもソラカメって屋外で使えるの?ソラカメを屋外で使うためには
【ポイント1】電源部やIoTルーターを屋外防水ボックスに収容する
【ポイント2】モーション検知録画スターターキットを活用する
まとめ
こんにちは。ソラコムのクラウド型カメラサービス「ソラカメ」のセールス/事業開発リードをしている高見(ニックネーム:yuu)です。
ソラカメは、アトムテック社のカメラ「ATOM Cam」シリーズとソラコムのクラウド録画サービスがセットになったクラウド型カメラサービスです。現在は、様々な業種のお客様様に多くご利用頂いていますし、展示会などでも多くのお客様に関心を持って頂いていますが、その中で一番多いご質問は「屋外でも使えるんですか?」という内容です。
本ブログでは、下記をご紹介したいと思います。
- そもそもソラカメって屋外で使えるの?
- ソラカメを屋外で使うためには
そもそもソラカメって屋外で使えるの?
ソラカメ対応カメラは現在ATOM Cam 2とATOM Cam Swingの2機種です。
結論としては、「屋外防水ボックスに収容するなど、電源部を防水対策すれば対応可能」となります。
カメラ本体の防塵・防水性能ですが、ATOM Cam 2はIP67準拠、ATOM Cam SwingはIP65準拠となります。(防塵・防水性能を表すIP規格について詳しくはこちらのブログ記事をご参照ください。)
しかし、電源部は通常のスマートフォンなどの充電器と同様、AC100Vコンセントから電源を取得するUSB電源アダプターとなっており、この電源部は防水非対応となります。そのため、屋外でソラカメをご利用になるには、屋外防水ボックスに収容するといった施工対応が必要になります。
なお、弊社では施工は電気工事士に依頼して行いました。施工には専門の資格が必要な場合があるため、関連法規をご確認の上、施工されますようご留意下さい。
また、温度耐性ですがどちらも-20℃から+55℃となります。本動作環境下であればご利用になれます。
ソラカメを屋外で使うためには
【ポイント1】電源部やIoTルーターを屋外防水ボックスに収容する
屋外で利用するためには、上述のとおり防水対応する必要があります。
具体的に「どんな部材を買って、どうやって取り付ければいいの?」というご質問を頂くことがございましたので、屋外BOXへ実際に収容する方法や必要な工事部材をご紹介いたします。
まず、先に完成形の写真がこちらです。
この写真では三脚式の自立ポールに、取付金具を使って屋外防水ボックスを取り付けました。屋外収容ボックスの中には通信用IoTルーター、AC電源アダプター、電源コンセントを入れています。カメラ本体は防塵・防水対応ですので、付属のケーブルを這わせて、ボックスの外に設置可能です。
具体的な工事部材については、下記を利用しております。IoTルーターや通信SIMについてはソラコムIoTストアよりご購入いただけます。工事部材についてはソラコムにて販売しておりませんので、参考情報のご提供のみとなります。
- モーション検知録画スターターキット (下記構成品がセットになっています。個別購入も可能)
- IoTルーター:アイ・オー・データ機器 UD-LT2
- クラウド録画ライセンス:クラウドモーション検知”無制限”録画ライセンス(7日間)
- データ通信用SIM:SORACOM Air plan-DU 50GB
- ソラカメ対応カメラ:ATOM Cam 2 (または ATOM Cam Swing)
- 工事部材(参考情報)
- 屋外防水ボックス:タカチ電機工業 (型番UPC232818G)
- 固定用アルミ板:タカチ電機工業 (型番UMP2328)
- 取付ネジ:タカチ電機工業 マウントスクリュー (型番OMS-1)
- ポール取付金具:タカチ電機工業 (型番SSK210)
- 抜け止め接地ダブルコンセント:Panasonic (型番WK3064)
- 電源コード用防水プラグ:日本エイ・ヴィー・シー (型番MGB20-14B-ST)
- ATOM Cam付属USBケーブル用防水プラグ:日本エイ・ヴィー・シー(型番FGB21S-10B)
屋外防水ボックス(タカチ電機工業 型番UPC232818)には、防水プラグの取り付けの為に、底面に2つの穴加工が必要となりますので、以下の寸法を参考に加工ください。
固定用アルミ板(タカチ電機工業 型番UMP2328)には、IoTルーターと抜け止め接地ダブルコンセントの取り付けの為、穴加工(6つのM4と5.5の穴)が必要となりますので、以下の寸法を参考に加工されてください。直径5.5の穴は、結束バンド固定する為の穴ですので必須ではありません。
また、このアルミ板を、ご自身で加工するのが困難な場合は、CADで作成した、3D CAD共通データ形式を準備しておりますので、こちらのstepファイル(※1)を、株式会社ミスミの「meviy(メビー)」にアップロードいただくと、以下のような画面で3Dデータから、Webで簡単に注文ができます。
※1:stepファイルのリンクを開くとプレビューには何も表示されませんが、画面上部に表示される「ダウンロード」ボタンを押して、ファイルをダウンロードして下さい。
アルミ加工が苦手な方は、メビーのご利用がお勧めです。
ミスミのメビーの画面
こちらが、加工したアルミ板を筐体に取り付けた画像です。(写真の板は、メビーで作成したものです)
部品の配置は以下の図を参考になさってください。
施工時の注意点は、ATOM Cam付属USBケーブルが円形ではなくフラットなので、防水プラグ(日本エイ・ヴィー・シー 型番FGB21S-10B)にケーブルを通した後に、シリコンを注入して防水処理を施すことが必要です。
以下の写真のように、ケーブルと防水プラグの隙間をシリコンで水が入らないようにしてください。
なお施工は電気工事士に依頼して行いました。施工には専門の資格が必要な場合があるため、関連法規をご確認の上、施工されますようご留意下さい。
もし、ご自身での施工は難しいがソラカメを屋外に設置したいという場合は、施工可能なパートナー様をご紹介いたしますので、こちらからお問い合わせ下さい。
【ポイント2】モーション検知録画スターターキットを活用する
屋外防水ボックスに収容し、屋外でソラカメを使う場合に最適なのが、「モーション検知録画スターターキット」です。
屋外で利用する場合には下記制約事項を対処する必要がありますが、「モーション検知録画スターターキット」はこれらの制約事項へクリアできる構成品がセットになっております。ご購入いただき屋外防水ボックスに収容するだけで、ソラカメを屋外で利用することができる大変便利なスターターキットです。
<屋外利用に当たりクリアすべき制約事項と解決策>
- カメラ本体と同水準の温度耐性を持つIoTルーターを選定する: UD-LT2
- IoTルーターで利用できるカメラ特性に適した通信回線 :SORACOM Air plan-DU(50GB)
- データ通信量を抑えてクラウド録画できるライセンスの選定: クラウドモーション検知”無制限”録画ライセンス
まとめ
本記事を要約しますと、下記のとおりです。
- ソラカメを屋外で使うためには、「屋外防水ボックスに収容する」といった施工が必要
- 具体的な屋外ボックス収容方法については、本ブログに工事部材含めて詳細な情報を記載しております。。施工にあたっては電気工事士資格保有者による実施が必要な場合があります。関連法規を必ずご確認くださいますようお願いいたします。
- 機器や通信回線の選定は「モーション検知録画スターターキット」にすべて必要なものが含まれています!!ぜひ、ご活用ください。
今回は、これまで非常にお問い合わせの多かった「ソラカメを屋外で利用する方法」についてご紹介しました。
上述の通り、施工は電気工事士に依頼して行いました。施工には専門の資格が必要な場合があるため、関連法規をご確認の上、施工されますようご留意下さい。
本記事掲載の機材をご利用いただくことで屋外でのソラカメ利用が可能になります。ご自身で施工するのが難しい方は、施工可能なパートナーをご紹介可能ですのでこちらからお問い合わせ下さい。
また、今回は電源を引き込んで対応する方法でしたが、もし電源がない場所でソーラーパネルで利用したい方がいらっしゃいましたら、弊社認定済パートナーをご紹介可能です。こちらからお問い合わせ下さい。
これからもユーザーの皆様からのニーズにお答えして、プロダクトアップデートや積極的な情報提供をして参りますので、今後ともソラコムのクラウド型カメラサービス「ソラカメ」をよろしくお願いいたします。
― ソラコム高見(yuu)
投稿 ソラカメの活用場面がグンと広がる屋外BOX収容ノウハウ紹介 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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