ソフトバンクは、2024年3月期第1四半期(4~6月期)決算説明会を開催。その質疑応答で同社代表取締役社長執行役員兼CEOの宮川潤一氏は、現在進行中のプラチナバンドの新たな割当についての所感を問われ、携帯キャリアには電波の有効利用という責務がある点に触れ、「(楽天モバイルは)しっかり設備投資をしてほしい」とコメントした。
楽天モバイルへの割当がほぼ確実視される
プラチナバンドの新規周波数
700~900MHzのいわゆる「プラチナバンド」は、電波が飛びやすく、広いエリアカバーが可能なことから、携帯キャリアにとっては非常に重要な存在となっている。そして国内MNO4社のうち、楽天モバイルのみ、プラチナバンドの割当を受けていないことから、割当を強く望む意見が同社から出ていた。
一時は既存3社に割当済みの周波数を巻き取った上で、再割当する議論が進んでいたが、その後、新たに活用が決まった700MHz帯の3MHz幅について、今秋の割当が予定されている。
なお、複数の事業者が申請した場合は、「比較審査基準」と呼ばれる基準で点数が付けられて審査が実施されるが、今回の割当では「いわゆるプラチナバンドの割当てを受けていないこと」という項目に100点中24点が配点される案が総務省から示されており、楽天モバイルが非常に有利なことは明らかだった。
宮川氏は、今回の割当を申請するかは「検討中」だとしながらも、「(ソフトバンクが)割当を受けられる可能性は非常に低いように思える」と率直な意見を述べ、楽天モバイルが割当を受けた場合は「おめでとうと言って引こうと思う」とした。
また、宮川氏はソフトバンクの携帯事業参入(2006年)から、プラチナバンドでのサービス開始(2012年)と、エリア拡大に苦慮した当人としての視点から、「プラチナバンドは地方のエリアカバーに非常に有効。楽天さんがそれで頑張られる材料になればいい」とエールを送る。
一方で、「(携帯キャリアには国民全体の貴重な資産である)電波の有効利用という責務がある」「電波が飛びやすいから基地局は少しでいいだろうというのはなし。免許を取られたらしっかり設備投資をしていただきたい」とクギを刺した。