このページの本文へ

ASUS Dual GeForce RTX 4060 OC Edition 8GB GDDR6をレビュー

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

2023年08月03日 16時30分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

同じVRAM 8GBのRTX 3060 8GB版と比較

 今回の検証環境を紹介しよう。今回はRTX 3060の8GBモデルとの比較を試みる。VRAMはどちらも同じ8GBである点に注目したい。ReSizable BARやSecure Boot、コア分離やHDRといった要素はすべて有効化している。また、ASUS Dual GeForce RTX 4060のモードスイッチはPモード固定、クロック設定はデフォルトの2505MHz設定とした。

検証環境
CPU インテル「Core i9-13900K」
(24コア/32スレッド、最大5.8GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG MAXIMUS Z790 HERO」
(インテルZ790、ATX、BIOS 1202)
メモリー Micron「Crucial Pro 32GB Kit (2x16GB) DDR5-5600 UDIMM CP2K16G56C46U5」
(16GB×2、DDR5-5600)
ビデオカード ASUS「ASUS Dual GeForce RTX 4060 OC Edition 8GB GDDR6」、
ASUS「ASUS Dual GeForce RTX 3060 8GB GDDR6」
ストレージ Corsair「Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ用)、
Silicon Power「PCIe Gen3x4 P34A80 SP002TBP34A80M28」
(2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、データドライブ用)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80 PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2)

 まずは定番「3DMark」から検証を始めよう。ラスタライズ系テストとレイトレーシング系テストでグラフを分割している。

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

3DMark:ラスタライズ系テストのスコアー

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

3DMark:レイトレーシング系テストのスコアー

 ラスタライズ系で差が開いたのはTime Spy Extremeで、RTX 3060 8GBから見て45%増。レイトレーシング系を見ると、Speed Wayが59%という大きな差を付けた一方、Port Royalは33%増と最も差が小さかった。RTX 4060はRTX 3060 12GBよりも性能が良いことはファーストレビューで明らかにしたが、RTX 3060 8GBは12GBよりもさらに性能を絞られたGPUであるため、このような結果になるのは自明といえる。

 ここから先は実ゲームを利用した検証となる。RTX 4060はフルHDゲーミング向けのGPUであるため、解像度はフルHD(1920×1080ドット)一択、画質は基本的に最高設定(ゲーム毎に記述)とした。ベンチマーク中のGPUの実消費電力(Total Board Power:TBP)を計測するために、電力計測デバイス「Powenetics v2」も使用している。さらに、フレームレート計測はすべて「CapFrameX」を使用した。

 「Overwatch 2」から検証をスタートしよう。画質“エピック”を選択し、レンダースケール100%、フレームレート上限600fps、さらにFSR1/2はオフに設定。マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを計測した。

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

Overwatch 2:1920×1080ドット時のフレームレート

 RTX 3060 8GBも割と良い感じのフレームレートを出せているが、ASUS Dual GeForce RTX 4060は平均フレームレートにおいて約34%上回っている。ただその一方で、最低フレームレート(下位1%の平均)はあまり変わっていない事から、RTX 4060の足回り(特にメモリーバス)が影響していると思われる。実際に遊ぶ場合は画質を1〜2段下げると良いだろう。

 続いて、「Call of Duty: Modern Warfare II」では、画質は“極限”、アンチエイリアスは“ウルトラ品質”に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

Call of Duty: Modern Warfare II:1920×1080ドット時のフレームレート

 平均フレームレートで見ると、ASUS Dual GeForce RTX 4060は平均60fpsを大きく超え、RTX 3060 8GBよりも約28%高いフレームレートを出せているが、ここでも最低フレームレートの落ち込みがネックに。画質を下げ、さらにDLSSも有効化するなどの工夫をするとより快適になるはずだ。

 次は「Forza Horizon 5」だ。画質は“エクストリーム”、MSAAはx2とし、ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

Forza Horizon 5:1920×1080ドット時のフレームレート

 Forza Horizon 5では最低フレームレートも平均フレームレートもASUS Dual GeForce RTX 4060がRTX 3060 8GBを明確に上回る。このゲームはDLSS FGに対応しているが、筆者の経験上あまり劇的な効果は得られない。

 DLSS FGといえば「Cyberpunk 2077」を試さないわけにはいかない。今回は3通りのテストを実施した。まずは画質“レイトレーシング:ウルトラ”をベースに、DLSSは無効にした設定、次にレイトレーシング:ウルトラにDLSS“バランス”設定を追加し、RTX 4060ではDLSS FGも有効化した設定で検証。最後にパストレーサーを利用した“レイトレーシング:オーバードライブ”設定を利用し、DLSS“バランス”+DLSS FGも有効にした設定の3つだ。いずれもゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測している。

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

Cyberpunk 2077:1920×1080ドット時のフレームレート

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

Cyberpunk 2077:DLSS“バランス”設定、1920×1080ドット時のフレームレート

コンパクトな2連ファンのRTX 4060、ゲーム10本で実力検証

Cyberpunk 2077:パストレーサー有効かつDLSS“バランス”設定、1920×1080ドット時のフレームレート

 DLSSがない状態ではなんとか移動はできるという程度だが、DLSSとDLSS FGを併用することでレイトレーシング設定を盛っても快適に遊べるフレームレートが得られる。

 また、真のレイトレーシングと言うべきパストレーサーを使ってもある程度のフレームレートが出せるというのはRTX 4060のメリットだ(パストレーサーを使ったゲームは現状ほぼないため、認知されにくいが……)。RTX 3060 8GBでもパストレーサーは利用できるが、設計が古く、かつDLSS FGが利用できないためフレームレートが半分以下になってしまう。

カテゴリートップへ