HTCグループ傘下で5G RANソフトウェアソリューションを専門に提供しているG REIGNS(REIGN Technology Corporation)は、6月28日から東京ビッグサイトで開催中のCOMNEXTに出展。同社が開発したポータブル型のローカル5Gネットワーク「REIGN CORE S2」の展示を日本で初めて行なった。
REIGN CORE S2は2023年2月下旬に開催されたMWC Barcelona 2023で発表されたソリューション。約575(W)×610(D)×15(H)mmとスーツケース大のコンテナに、ローカル5Gを構築するために必要な5Gコアネットワークとベースバンドユニットサーバー、O-RUリモートラジオユニット及びレイヤ3スイッチを含む5Gネットワークシステムがまとまっている。さらに、約30分でセットアップができる、ポータブル型のローカル5Gネットワークソリューションとなっている。
接続数は標準で20台、オプションで最大32台までとなっており、使用するバンドはn48、n77、n78、n79。アンテナユニットは2台まで接続可能で、2台使用時のカバーエリアは1万平方メートル(1台の場合はその約半分)となっている。通信速度は標準では下り最大800Mbps、上り最大120Mbps。オプションで下り最大1Gbps、上り最大350Mbpsまで設定可能。
基本的にはOpenRANに準拠した設計で、各社のデバイスやユニットを組み合わせたものだが、同社としてはベースバンドユニットサーバーに採用している独自開発したO-CU/O-DUソフトウェアがセールスポイントとのこと。
日本での展示はスペースの関係でREIGN CORE S2本体の展示のみだが、MWC Barcelona 2023では、REIGN CORE S2を使って、HTCが得意とするVR HMDとの接続デモを披露していた。
現状ではVR HMD自体に5Gへの接続機能がないものがほとんどのため、REIGN CORE S2とIOTテストをした、対応するWi-Fiルーターやドングルを経由しての接続となるが、端末自体が5Gへの接続機能を搭載すれば、REIGN CORE S2と直接接続できるようになるとのこと。
またREIGN CORE S2から先をインターネットに接続することもできるが、台湾ではローカル5Gをインターネットに接続することが禁止されているとのこと。このあたりのレギュレーションは国によってまちまちのため、REIGN CORE S2にサーバーなどを接続して、REIGN CORE S2が構築するローカルなネットワーク内での使用を基本的には想定している。
日本で提供する場合の価格などは未定。今後はHTC NIPPONを通して日本市場で展開していくとのこと。