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フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2023」より

フィッシング詐欺は年100万件レベルにまで増殖。この夏も油断できず

2023年06月22日 18時00分更新

文● せきゅラボ

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国内のフィッシング情報の届け出件数(フィッシングレポート2023より)

フィッシング詐欺の勢いは止まらない

 フィッシング対策協議会は6月、2022年におけるフィッシング詐欺の被害状況、攻撃技術・手法などをまとめた「フィッシングレポート2023」を公開しました。これによると、2022年に報告された「フィッシング情報の届け出件数」は、これまでとは比べ物にならないほど急増しています。

 もともとコロナ禍前の2019年は1年間で5万件を超える程度だったはずが、翌2020年には約4倍の22万件に。そして2021年には50万件超にまで膨れ上がりました。この時点でも恐るべき急増ぶりですが、さらに2022年は上半期45万件、下半期50万件超の合計96万件と100万の大台寸前にまで達しています。

 ちなみに、最新2023年5月の報告件数は11万3789件と、たった1ヵ月で2019年全体の2倍にあたる数字を叩き出しました。2023年は旧正月のタイミングでいったんは急減したものの、再び右肩上がりに増加しており要注意です。

フィッシング詐欺の誘導先も急増したが……

 一方、フィッシングメール・SMSの誘導先にあたる「フィッシングサイトのURL件数」は、下のグラフを見る通り2022年下半期での急増が目立っています。2017年から2022年上半期までを足した件数と、2022年下半期の件数が拮抗するほどの激しい増加ぶりです。

 とは言え、この勢いは2022年10月以降衰えており、2023年に入ってからは多数のフィッシング詐欺が同じURLを利用する「使い回し」の傾向が見られるようです。

 最後に、フィッシング詐欺が成りすます相手、つまり「ブランド名を悪用された企業」の件数はほぼ変わりがありません。これは、不特定多数に送り付けるフィッシングメール・SMSの性質上、できるだけ利用者が多いブランド(企業・組織)に成りすます必要があるためと思われます。

国内のフィッシングサイトの件数(フィッシングレポート2023より)

国内のブランド名を悪用された企業の件数(フィッシングレポート2023より)

 どちらにせよ、フィッシング詐欺の脅威はまだまだ健在です。一度は減りましたが、2023年1月以降は一貫して右肩上がりを続けている以上、2023年の夏はこれまで以上に注意が必要です。今後もフィッシング詐欺に関する情報を定期的にご紹介しますので、せきゅラボをチェックしてくださいね。

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