日経BPコンサルティングは6月20日、3万人以上のネットユーザーが国内500のサイトを評価する「Webブランド調査2023-春夏」の結果を発表した。
同調査はウェブサイトのリニューアル効果や製品への関心、企業の好感度への影響等を明らかにするもので、調査報告書を「春夏編」「秋冬編」として年に2度発行している。
総合ランキングは、「楽天市場」が首位を堅持
調査対象500サイト中の総合ランキング第1位となったのは、「楽天市場」。前回(2022-秋冬)に続き、首位を獲得した。第2位は「Yahoo! JAPAN」、第3位は「Google」となり、TOP3は前回と同じ顔ぶれとなった。
第1位の「楽天市場」のWebブランド指数(WBI)は、前回110.0ポイントから14.8ポイント増の124.8ポイント。WBIを構成する「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティー」「サイト・ロイヤルティー」「態度変容:製品・サービス」「態度変容:企業活動」「行動喚起」の6つの個別評価指標のうち、サイト接触による、企業活動への意識変化を示す態度変容:企業活動のスコアが24.2ポイント増の65.5ポイントと大幅に上昇した。
さらに、キャンペーンコンテンツの利用などの行動喚起のスコアは、前回から15.1ポイント増の176.3ポイントと、極めて高い評価を獲得。行動喚起のスコアは、2017-春夏以来、全500サイト中で第1位を維持し続けており、日常生活と密接にかかわる利便性の高いショッピングサイトとして、高く評価されている。
一般企業サイト編は、「アサヒ飲料」が初の首位
一般企業サイト(インターネット専業企業サイトを除く)のトップ3は、「アサヒ飲料」「パナソニック商品情報」「ユニクロ公式オンラインストア」となった。
アサヒ飲料は、一般企業サイト内順位が前回第17位から上昇し、初の首位を獲得。500サイトでの全体順位は第6位となった。WBIは前回のスコアから8.0ポイント増の74.6ポイントだった。個別の指標では、態度変容:企業活動が16.9ポイント増と大幅に上昇し、67.6ポイントの高評価を獲得した。
トップページのリニューアルに伴い、キービジュアルでメッセージを押し出したり、商品情報だけでなく、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の取り組みを伝えるコンテンツへの導線を拡充したりするなど、企業としての姿勢や活動が伝わる情報発信が評価の上昇につながったと分析している。
スコア上昇サイトは「楽天市場」「NTTドコモ」「江崎グリコ(Glico)」がトップ3
前回から今回にかけてスコアが大きく上昇したサイトのトップ3は楽天市場、「NTTドコモ」、「江崎グリコ(Glico)」となった。楽天市場は前回から14.8ポイント増の124.8ポイント、NTTドコモは14.3ポイント増の63.8ポイントだった。
楽天市場は全体順位で第1位となったが、WBIを構成する6つの個別指標全てのスコアが前回を上回ったことで、スコア上昇ランキングにおいても第1位となった。特に態度変容:企業活動が前回から24.2ポイント上昇し、WBIを押し上げた。
NTTドコモにおいても6つの個別指数全ての評価が前回を上回った。サイトトップページの変更の影響が表れやすいサイト・ユーザビリティーは、構成する4つの個別項目全てで得票率が上昇した。
企業姿勢や行動が伝わる情報発信への関心度が高まる
企業活動訴求の評価指標となる態度変容:企業活動で高いスコアを獲得したサイトのトップ3は「ユニ・チャーム」「東芝」「シチズン時計(シチズングループサイト)」となった。首位となったユニ・チャームは、サステナビリティーの取り組みに関する発信が豊富であり、高評価につながったという。
最近では、企業情報サイトだけではなく、製品・サービス情報が中心のサイトであっても、企業として社会に存在意義を示すメッセージの発信や、サステナビリティーや社会課題解決を目指す取り組みに関するコンテンツが拡充され、一般の生活者から見ても、サステナブル時代における企業の姿勢や行動が伝わる情報発信への関心度が高まりつつあるという。