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IBM、ヨーロッパ初の量子データセンターを建設し、拡大するエコシステムに対応

日本IBM
2023年06月09日

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日本IBM
ドイツ・エーニンゲンのIBM施設内に設置され、2024年に運用開始予定。ヨーロッパ・クラウド・リージョンのユーザーは、EU域内で量子システムのプロビジョニングとデータ処理が可能に


【ニューヨーク州アーモンク、ドイツ・エーニンゲン - 2023年6月6日(現地時間)発】
IBMは、 企業、研究機関、政府機関が最先端の量子コンピューターへ容易にアクセスできるよう、ヨーロッパに初の量子データセンターを開設する計画を発表しました。

本データセンターは2024年の運用開始を予定しています。複数のIBM量子コンピューターが設置され、それぞれに実用規模の量子プロセッサー、すなわち100量子ビット以上の量子プロセッサーが搭載されます。

本データセンターは、ドイツ・エーニンゲンにあるIBMの施設に設置され、IBM Quantumのヨーロッパ・クラウド・リージョンとして機能し、ヨーロッパをはじめとする世界のユーザーは、クラウド・ベースの量子コンピューターの研究や探索活動用として、本データセンターでサービスを利用可能になる予定です。本データセンターは、EU圏内ですべてのジョブ・データを処理するなど、お客様が欧州データ規制の要件を継続的に管理できるように設計されています。この施設は、米国ニューヨーク州ポキプシーに次ぐ、IBMとして2番目の量子データセンターおよび量子クラウド・リージョンとなります。

IBMフェロー 兼IBM Quantumバイス・プレジデントのジェイ・ガンベッタ(Jay Gambetta)は、次のように述べています。「ヨーロッパには世界で最も先進的な量子コンピューター・ユーザーがおり、実用規模の量子プロセッサーの時代において、その関心はますます高まっています。計画中の量子データセンターおよび関連するクラウド・リージョンは、世界で最も難しい課題を解決するために量子コンピューターの力を利用しようとするヨーロッパのユーザーに、新しい選択肢を提供するものとなります」

IBMのEMEA担当ゼネラル・マネージャーであるアナ・パウラ・アシス(Ana Paula Assis)は、次のように述べています。「ヨーロッパに設置される量子データセンターは、IBMのグローバルな取り組みに不可欠なものです。量子データセンターの設置により、お客様が、ヨーロッパにいるIBMの科学者や顧客と肩を並べて協業し、また、お客様自身の業界における量子の最適な適用方法を模索する新たな機会を提供します」

ヨーロッパにおけるIBM Quantum
現在、Bosch、ドイツ連邦軍大学、Credit Mutuel Alliance Federale(技術子会社のEuro-Information、Targobankを含む)、ドイツ電子シンクロトロン (DESY https://www.desy.de/news/news_search/index_eng.html?openDirectAnchor=2326&two_columns=1 )、欧州合同原子核研究機構 (CERN https://www.ibm.com/case-studies/cern/ )、フラウンホーファー研究機構、ポズナン・スーパーコンピューティング・ネットワーキング・センター (PSNC) 、 T-Systems( https://newsroom.ibm.com/2023-03-23-T-Systems-to-Offer-Quantum-Computing-Expertise-and-Access-to-IBM-Quantum-Computational-Resources )など、ヨーロッパの60以上の組織がIBM Quantum Networkに参画し、クラウド経由で量子ハードウェアおよびソフトウェアへアクセスしています。

ヨーロッパにまたがるこれらのお客様は、材料科学、高エネルギー物理学、エネルギー転換、サステナビリティー、金融アプリケーションなど、量子コンピューターの潜在的な用途を探求しています。

フラウンホーファー研究機構のラウル・クリングナー博士は、次のように述べています。「ドイツのエーニンゲンにヨーロッパの量子データセンターを設立するというIBM Quantumチームの決定を支援できたことを嬉しく、誇りに思います。バーデン・ビュルテンベルクという立地の選択は、フラウンホーファー研究機構が産業界や研究界のお客様やパートナーと築いてきたエコシステムをさらに強化するものです。IBMとの戦略的パートナーシップをさらに継続できることを嬉しく思います」

Deutsche Telekomの取締役であり、T-Systems のチーフ・エグゼクティブである アデル・アル・サレ(Adel Al-Saleh)氏 は、次のように述べています。「T-Systems は、当社のお客様が量子コンピューターのアプリケーションを探求できるよう、シームレスでスケーラブルなエクスペリエンスで量子コンピューターと古典コンピューターを統合することに関してIBMと協業しています。ヨーロッパ専用の量子データセンターへのアクセスが可能になることで、お客様が量子の探求と活用に向けた、最初の、決定的な一歩を踏み出す際のアクセス障壁を低減することができます」

ヨーロッパ・クラウド・リージョンは、IBMがヨーロッパの主要な業界、学術界、政府と連携してヨーロッパにおける量子の進展や量子人材の育成を進める上で、重要な役割を担っています。IBM QuantumとオープンソースのQiskit(R)ソフトウェアは、欧州の100以上の大学の授業で使用されています。IBMが主催するハッカソンやワークショップ、デジタル学習を通じて、ヨーロッパの100万人の学習者が量子スキルを向上させています。

IBMのヨーロッパ初の量子データセンターに関する詳細は、IBM Researchブログ(英語 https://research.ibm.com/blog/europe-quantum-datacenter-software )をご参照ください。

IBMの将来の方向性や意図に関する記述は、予告なく変更または撤回されることがあり、目標や目的を表すものに過ぎません。

当報道資料は、2023年6月6日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文はこちら( https://newsroom.ibm.com/2023-06-06-IBM-to-Build-its-First-European-Quantum-Data-Center-to-Serve-Expanding-Ecosystem )を参照ください。

IBMについて
IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しています。世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における4,000以上の政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびコンサルティング・サービスなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。 これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。詳細は、http://www.ibm.com/ をご覧ください。

IBM、IBM ロゴ、ibm.com、Qiskitは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US) をご覧ください。

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