対面開発の現場に居合わせたら、絶望した
大谷:さて根崎さんは、ジョイゾーで働き始めてどうですか?
根崎:まずスピード感がすごいです。社内でプロジェクトが始まると、みなさん、大縄飛びのようにドンドン参加していく。私はその様子をLINE WORKSで見ながら、いつ入ればいいのか、困ってしまうんですよ。
四宮:確か、システム39の対面開発にも同席してもらっていますよね。「あんなことできない」とひるんで帰ってきましたが(笑)。
根崎:絶望しました(笑)。ガチのkintone SIは本当にすごいです。
今まで私が作っていたのはあくまで社内で使ってもらうための業務改善のツールで、たまたま親会社や他部門からオファーをいただいて、有頂天になっていただけ。でも、ここに来て、開発現場を目の当たりにしたら、お客さまの声を聞きながらリアルタイムで、kintoneをサービスとして提供するのって、こんなにキツいものなんだと驚きました。
以前いた会社では、「kintoneってアプリを作るのは別に開発じゃないし、ビジネスにもならないよ」と言われてきました。「JavaScriptでコードを書き、スクラッチで作ってこそ初めて開発だ」みたいな感じでした。でも、ジョイゾーはきちんとkintoneでアプリを作って、ビジネス化しています。kintoneを触っているのは同じなんだけど、自分のレベルとは全然違う。甘かったなと思いました。
大谷:ユーザー企業だけではなく、kintoneでビジネスしている最前線なので、そのハードさは感じるかもしれませんね。
根崎:私は毎日できないことばかり。耳や目がポンコツだったり、物忘れが激しかったり、言いたいことをうまく表現できなかったり。でも、ここは「助けて!」と言うと、駆けつけてくれる若者がいるありがたい環境です。
私、会社にあるスマートロックの開錠すらおぼつかないんです(笑)。他の人はピッと入るんですけど、私はどうしてもうまく開けられない。困っていると、必ず誰かが飛んできてくれる。だから、私もどなたかのお役に立ちたいと思っています。
大谷:具体的なプランはあるんですか? やはり白馬村関係ですかね。
根崎:白馬村ではkintoneでこんなことやれませんか?という話はいくつかいただいています。高校生にkintoneを教えて、村の困りごとを解決してもらうとか、そういう活動ができたらいいなと思っています。
四宮:これは根崎さんも自覚していることですが、確かに現状では知識はユーザーレベル。SIをしているジョイゾーではやはりプロフェッショナルレベルが必要になります。
ただ、根崎さんと話をしていて「やっぱりエンジニアだなあ」と感じるのは、飲み込みが早いということ。もともとのSIの技術や能力は大きいです。フルタイムではないので、働き方の課題はありますが、慣れてきたら本番の案件でも回せるはず。だから、ジョイゾーでスキルと経験を積んで、白馬でなにかを作ってもらって、77歳でkintone hiveに登壇するというのは、全然無謀ではないと思っています。
働きたいという意志があるうちは、能力を発揮し続けてほしい
大谷:ジョイゾーとして根崎さんがメンバーに入ってきたのは、会社の方向性や意図を示している感じなんでしょうか?
四宮:ジョイゾーは以前から「能力は年齢と関係ない」世界を目指しています。これは年齢が高くても、若くてもという意味です。この会社にはそれぞれの役割があり、その役割の達成状態が評価される。だから、健康はどの世代でも重要ですが、年齢のようなタグ付けはないんです。
「歳をとったら、後進に道を譲りなさいよ」という意見はあります。確かに、それも一理あるのですが、それぞれの才能の発揮だから、年配も、若者もがんばろうでいいのではないかと思っています。両者が協力すれば、上が道を譲る必要も、下が上に仕事を奪われることもない。
だから、本人が働きたいと思っているうちは、自分の能力を発揮し続けて、楽しんでもらいたい。これが社会全体に拡がったらいいなあという夢はあります。やりたいと思ったことがあるのに、年齢が理由でやれない社会はもったいないと思います。
根崎:年齢だけでバサッと切られるのはもったいないし、こういう考え方を持った四宮さんのような経営者が増えてほしい。今は若者の奪い合いになっていますが、まだまだ引退したくないベテランはいっぱいいるので、うまく共存できるような企業や社会だったらいいなあと思うんです。
大谷:ありがとうございました!