経済産業省は5月12日、2021年度より国土交通省と共同で進めてきた「自動運転レベル4等先進モビリティーサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4)」にて、福井県永平寺町で実施する実証実験において、5月11日付けで道路交通法に基づく特定自動運行として国内で初めて許可されたことを発表した。これにより、レベル4の自動運行装置を用いた運転者なしでの運行が可能となる。
経済産業省と国土交通省は、「2022年度目途で鉄道廃線跡等における遠隔監視のみの自動運転移動サービスを開始」という目標達成に向けて、RoAD to the L4を進めている。具体的には、「遠隔監視のみ(レベル4)で自動運転サービスの実現に向けた取組(テーマ1)」を、産業技術総合研究所と民間事業者(ソリトンシステムズ、三菱電機株、ヤマハ発動機)とで組織されたコンソーシアムに委託し、福井県永平寺町において遠隔型自動運転システムを用いた自動運転車の技術・サービスの実証実験を進めてきた。
3月30日には、国内で初めてレベル4の自動運行装置として認可されたが、これに続き、道路交通法に基づく特定自動運行に関する申請書を福井県公安委員会に提出したところ、4月27日付けで国内で初めて許可を得た。今後は、レベル4での技術・サービス実証実験を実施した上で、福井県永平寺町によるレベル4での自動運転移動サービスの開始を目指すとしている。
今回の特定自動運行に使用する自動車は、走行環境条件の付与を受けた4台の7人乗り普通自動車で、ヤマハ発動機のARー07:グリーンスローモビリティー(電動カート公道仕様)をベースとしている。特定自動運行時に経路上で使用する車両は3台で、別途予備車両として1台を準備。
自動運行装置の走行区間は、福井県吉田郡永平寺参ろーど(京福電気鉄道永平寺線の廃線跡地)と、町道永平寺参ろーどの南側一部区間(永平寺町荒谷から志比(永平寺門前)間のおよそ2km)。道路環境は、電磁誘導線とRFIDによる走行経路が用意される。
自動運行装置による運行速度は、時速12km以下。走行状況は、電磁誘導線上にあり、車両が検知可能な磁気が存在することに加えて、路面が凍結するなど不安定な状態でないこととしている。