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プライベートでも仕事でも注意したい 「ランサムウェア」の脅威

2023年05月05日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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ランサムウェアの被害が絶えない

 ここ数年、猛威を奮っているサイバー犯罪の1つがランサムウェア攻撃だ。PCやスマートフォンなどのデータ、もしくは端末自体を暗号化して使用不能にし、それらの復号化と引き替えに身代金を要求する不正プログラムのこと。

 警察庁によれば、2022年に警察庁に報告されたランサムウェアによる被害件数は230件で、前年比で57.5%増加。2020年下半期以降、右肩上がりで増加しているという。政府広報オンラインにも、ランサムウェアの対策ページが出ているほどだ(ランサムウェア、あなたの会社も標的に? 被害を防ぐためにやるべきこと | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン)。

 ランサムウェアは、システムをすぐに復旧させなければいけないというニーズのために、急いで身代金を支払うことが予想される相手をターゲットにする。近年はコロナ禍でオンライン化が進む中、システムを停止されると運営が困難になる教育機関・医療機関や、大企業に比べてセキュリティレベルが低いとされる中小企業なども主な標的となっている。

 最近では、暗号化する前にデータを窃取し、「支払わなければそのデータを公開する」「情報漏洩の事実そのものを公表する」などと脅迫する“多重脅迫”の手口もある。

 これは、ランサムウェアの対策として、データのバックアップを取る企業が増えてきた状況に対応したものだ。データを復号化しなくてもバックアップから復旧できる企業などに対して、「盗んだデータを公開する」と脅迫することは、犯罪者からすればプレッシャーを与えられる作戦といえる。

 また、ランサムウェアを扱う攻撃者たちは、ダークウェブでランサムウェアを購入したり、ランサムウェアの攻撃に先んじてデータを窃取したり、暗号化したデータを復旧させようとする相手との交渉を担当したりと、多数の人間が匿名で関与している巧妙なシステムを構成していることも多い。

 さらに、金銭目的だけでなく、スパイ活動の一環としての攻撃、窃取した情報を使って自分の名前を広めるための攻撃など、ランサムウェアの目的自体も多様化している。経済制裁を受けている、あるいは紛争中にあたる国家が、資金を得るためにランサムウェアを利用する場合もある。

 今日におけるランサムウェアは、単に被害が増えているだけではなく、手口や目的も多様化している複雑かつ危険なサイバー犯罪の一つなのだ。

バックアップを取るだけではなく
その他の対策も入念にしておきたい

 個人であれ企業であれ、ランサムウェアには相応の対策が必要だ。信頼できるセキュリティソリューションを導入するだけでなく、ソフトウェアを常に最新のものに更新する、疑わしいファイルやメールのリンクを開かない、データのバックアップをこまめに取るといった対応は基本。

 しかし、多重脅迫をしてくるランサムウェアもある状況では、バックアップを取るだけでは不十分だ。業務においては、一部のデータをオフラインでバックアップする、機密情報を暗号化するといったことも検討したほうがよいかもしれない。

 また、ランサムウェアの侵入を防ぐために、IDとパスワード以外にも生体認証やSMS認証などを組み合わせる、多要素認証を導入するのもリスク軽減に有効と言える。

 とくに企業の場合、ランサムウェアの被害を受けた際には、すぐに復旧するだけでなく、被害を受けた範囲を確認することや、社内外に報告することなどが求められる。その点においても、多重脅迫などに対する対応の手順を準備しておくことは重要になってくる。あわせて、組織としてのオペレーションだけでなく、内部の人間のセキュリティに関するリテラシーを高めておく必要もあるだろう。

 なお、被害にあった場合、すぐに身代金を支払ったとしても、データが戻ってくる補償はないばかりか、サイバー犯罪者たちの活動を助長してしまうことにもつながりかねない。利用中のセキュリティソフトのサポート窓口や、警察機関などに相談することが重要だ。

 今回はランサムウェアに関連して、ランサムウェアのきっかけともなりやすい、メールのハッキングについて解説したMcAfee Blogの記事「メールがハッキングされたら?ハッカーへの対策や対処法」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

メールがハッキングされたら?ハッカーへの対策や対処法:McAfee Blog

新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務やテレワークをする人が増えた中、コロナ禍に便乗したウイルス付きのスパムメールも増加しています。

ハッキングの手口はますます巧妙化し、メールの添付ファイルやリンクからウイルスに感染させようと試みます。

この記事では、メールによるハッキングの被害を増やさないようにするために、メールがハッキングされた疑いがある時の確認方法と、ハッキング被害にあった時の対処方法をお伝えします。

メールがハッキングされている可能性のある兆候

詐欺師やハッカーなどの悪意のある第三者によるハッキングの目的は、お金や個人情報、またはその両方を奪うためです。そのために、あらゆる方法を使ってメールをハッキングしようと試みます。

ここからは、お使いのデバイスがハッキングされている可能性のある4つの兆候を紹介します。

1. 送ったはずのないメールが送信されている

身に覚えがないのに、あなたから社内の人たちや取引先、さらには友人にメールが送信されている場合、つまり、メールの乗っ取りの場合、パソコンに深刻な問題がある可能性が高いです。

メールの受信者は、メールにウイルスが添付されていることに気づくとは限りません。特に添付ファイルをやり取りする機会の多い仕事関係のメールとだと、受信者は添付ファイルを開いてしまうかもしれません。そうなると、ハッカーの思う壺です。

ハッカーは、メールの添付ファイルを介してコンピュータにマルウェアをインストールすることができ、驚くほど少ない労力でパスワードを盗み出します。

2. パスワードが機能しなくなる

よく使うメールサービスだと、そのサイトでログインするのに必要なパスワードを知っているでしょう。パスワードを打ち間違えたり、別のサイトのものと勘違いしたりすることもあるかもしれませんが、何度もパスワードを間違える可能性は非常に低いと思います。

何度試してもパスワードが機能ぜず、メールにログインできない場合は、誰かがあなたのメールをハッキングした可能性を考慮した方がよいでしょう。

ハッカーがあなたのパソコンへの侵入に成功すると、あなたが使用しているパスワードを探すための権限を持ってしまいます。多くの人が利便性のためにパスワードのリストを作成したり、パスワードマネージャーを利用したりしていますが、そのような情報がハッカーに見つかってしまえば、かなりの損害を被る可能性があります。

3. パソコンのパフォーマンスが遅くてエラーが多い

お使いのパソコンが予測のできない動作をする場合は、ウイルスに感染しているかもしれません。悪意のあるソフトウェアの一種であるスパイウェアは、オンラインアクティビティを追跡したり、ファイルを改ざんしたり、個人情報を盗んだりします。

スパイウェアがパソコンのシステムに与える負担を考えると、急にパフォーマンスが低下したり、エラーが増えたりすることは、ハッキングされている兆候かもしれません。

ウェブサイトから画像をダウンロードしたり、メールの添付ファイルを開いたりした際には何も気づかなかったとしても、ウイルスがそれらに付随して紛れ込むことも多々あります。

4. ランサムウェアに感染している

悪意のあるソフトウェア (マルウェア) の中でも特に陰湿なものは、コンピュータを制御して、それに対して対価を支払わせる能力を持つランサムウェアです。

ランサムウェアは、電子メールを介してシステムに侵入することができるため、悪意のあるメールの添付ファイルやリンクを開くと感染してしまいます。

ランサムウェアによってファイルへのアクセスが完全に拒否され、それを取り戻すためにお金を支払うというペナルティが課されます。パソコンとお金の両方が損害を受ける可能性があるので、本当に心当たりのあるメールかどうか確認するようにしましょう。

メールがハッキングされた場合、どうすればいいのか?

ここからは、メールがハッキングされた時の対処法を紹介します。困ったときに、参考にしてください。

1. パスワードを変更する

これは、再びあなたのメールが乗っ取りの被害に合わないように、最初にしなければならないことです。

新しいパスワードは複雑、かつ以前のパスワードとは関係のないものにしましょう。大文字と小文字、数字と記号を混ぜた 8 〜 10 文字を使用してください。

2. 連絡先に登録している人たちにメッセージを送る

ハッカーは、あなたのアドレス帳を盗み出して、他の人も騙そうと試みるでしょう。

できるだけ早く、連絡先に登録している全ての人に、ハッキング被害にあった旨メッセージを送りましょう。あなたから送られてきたメール (マルウェアが入っている可能性が高いもの) は開かないように伝えましょう。

3. セキュリティに関する質問を変更する

メールアカウントにセキュリティの質問がある場合は、それも変更するようにしましょう。その際は、予測不可能なものにしてください。

4. 多要素認証を有効にする

多要素認証をオンにすると、ログイン時に追加のアクションが必要になりますが、同時にもう一つの保護層も追加してくれます。

これを有効にすると、パスワードに加えて、ログインするためのユニークな 1 回限りのコードが必要になります。通常、このコードはあなたの携帯電話に送信されます。

5. マルウェアやウイルスのスキャン

これは、ハッキングされた際に必須のステップです。包括的なセキュリティソフトウェアをお使いのデバイスに導入すると、あらゆるオンラインの脅威から守ってくれます。McAfee トータルプロテクションを使用すると、パソコンやスマートフォンを含むご家庭でご使用の全てのデバイスをウイルスやマルウェアから保護してくれるので、とても便利です。

また、McAfee トータルプロテクションには、パスワードマネージャーも含まれているので、全てのアカウントに固有のパスワードを生成し、記憶することができます。

6. 同じパスワードを使っている他のアカウントも変更する

ハッキングされたメールと同じユーザー名とパスワードを使用している、他の全てのアカウントのパスワードも変更しましょう。とても時間がかかりますが、価値のある作業です。

同じユーザー名で登録していると、ハッカーは簡単に他のアカウントも探しだせます。

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーなどを編集して紹介する記事です。

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