アドビは4月17日(現地時間)、同社の生成AIサービス「Adobe Firefly(以下Firefly)」を活用した動画編集分野での取り組みについてコンセプト動画を公開し、今後の展開を発表した。
3月21日に発表されたFireflyは、商業利用可能な生成AIとして画像とテキストエフェクトの生成に焦点を当てていたが、本年度後半から、ビデオ、オーディオ、アニメーション、モーショングラフィックスデザイン向けの新たなジェネレーティブAI機能の導入を開始していくとしている。
シナリオから絵コンテを作成してくれる?!
では、公開された動画から想定されるAI機能を見ていこう。
テキストによるカラー調整
動画の配色や時間帯、季節を変更したり、特定のトーンや感触を想起させるように瞬時にムードや設定を変えることができる機能。
ここでは「Change it to golden hour(ゴールデンアワーに変えて)」というプロンプトを使って、画面全体の色味を黄金色に変更している。ここで言うゴールデンアワーとは「日がまだ沈んでいない、赤みがかった空の色になる時間帯」のことを指す。
高度な音楽とサウンドエフェクト
ロイヤルティフリーのBGMやSE(サウンドエフェクト)を提案・生成する機能。
ここでは「Bright, adventurous, cheerful music(明るい、冒険的な、陽気な音楽)」というプロンプトからBGMを、「Find Sound Effects(SEを探して)」というプロンプトからSEを生成している。
美しいフォント、テキストエフェクト、グラフィック、ロゴ
文章を入力することで、字幕、キャプション、ロゴ、タイトルカードなどを生成する機能。カスタムアニメーションの追加も可能。
ここでは、「3D MOLTEN iron」というプロンプトからアニメーション付きの3Dロゴを生成している。
強力な脚本解析およびBロール機能
脚本テキストをAIで解析し、絵コンテ(ストーリーボード)やPreviz(プリビジュアライゼーション)を自動生成するほか、ラフカットやファイナルカット用のBロールクリップを提案するなど、プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクションのワークフローを支援する機能も多数追加されている。
ここではインポートした脚本ファイルを元にまず絵コンテを生成、さらにより実写映像に近いPrevizを使った絵コンテが生成されている。
また、脚本を元にBロール(画面切り替え用の補助的な動画クリップ)で使用するクリップを提案し、自動的にカット編集まで行なわれているシーンもあった。
他にも、生成AIによってパーソナライズ生成された「ハウツーガイド」を利用できる「クリエイティブガイド機能」もアナウンスされている。
動画には、4月15日から19日にかけて米国ラスベガスにて開催された「2023 NAB Show」で発表された「Premiere Pro」の新機能も含まれている。この夢のような機能を試すことができるのも案外すぐかも知れない。