とある中小企業で起こった営業企画部と情シスのkrew活用ストーリー
krewでkintoneと販売管理システムを連携させたら営業革命が起こった
2023年04月03日 09時00分更新
空調部品メーカーの明日来の営業企画室で日々Excelと格闘する佐藤。コロナ禍を機にクラウド導入を進める情報システム部の鈴木と連携し、現場でのkintone導入を推進。販売管理システムとの連携で大活躍したのがグレープシティのプラグイン「krewData」と「krewSheet」だ。kintone導入と運用の模様をのぞいてみよう。
<本事例はフィクションです>
登場人物
・営業企画室 佐藤
明日来の営業企画部。業務改善やIT活用を提案する立場で、kintoneと出会う。kintoneによる日報システムの導入と定着を主導し、次の活用として基幹システムの連携をもくろむ
・情報システム部 鈴木
明日来全体の情報システムを統括する情報システム部のメンバー。長らく基幹システムのお守りをしてきたが、オープン系システムへのリプレースを機に、現場で役立つITの導入を目指す
コロナ禍からスタートした営業企画部と情シスのkintone
中堅空調部品メーカーの明日来の営業企画部は、営業マンの活動を支援するさまざまな施策を構築・運営するチームだ。営業部の売上や原価管理を行なうほか、それらの数字を部内で共有したり、営業部の数字として資料にする。営業企画部の佐藤もExcel片手に、昨対・予実の売上表を作るのが業務だった。
営業企画部も最近はクラウドを部門導入する案件が増え、ITに関わることも多くなった。社内には情報システム部もあるのだが、基幹システムの運営にかかりきりで、業務改善や現場のIT化に関しては基本的にはノータッチ。クラウドサービスの選定に関しても、セキュリティ面の条件をクリアすれば、部門に任せるというスタンスだった。
こうした中、訪れたのがコロナ禍だ。基幹システムを担当していた情報システム部だったが、急遽全社的なテレワーク体制の構築が必要になった。VPNの増強やテレワーク可能な端末の確保とともに、一気に進んだのが紙ベースのシステムのクラウド化だ。ここで全社導入されたのが、サイボウズのkintoneになる。
営業部でのkintone導入は、当然ながら営業企画部が情報システム部とタッグを組んで実現した。営業企画部の佐藤が、情報システム部の鈴木とやりとりするようになったのもこのときだ。とはいえ、情報システム部は営業部の業務フローをほとんど理解してなかったので、kintone導入のときも最初は四苦八苦だった。そもそも業務アプリを作れるアプリというのがよくわからず、話もよくスレ違っていた。まずは情シスが営業部の業務を理解し、営業企画部がkintoneを理解するというフェーズからスタートした。
佐藤:ということで、以上が営業部のざっくりした業務フローです。紙で困っているのは、やはり日報ですかね。毎日提出して営業部長が確認するというものになっているので、台風の日でも極論は日報出しに帰社しなければならなかったんです。どこかどんなときでも、日報出すのがえらいみたいな風潮があって。
鈴木:走れメロスですかね。
佐藤:Wordで書いてメールで送るのでもいいんですけど、わざわざPCを開くのが面倒という部員も多いし、営業部長はわざわざ探してまで読まないんですよね。
鈴木:わかりました。では、kintoneで日報の仕組みを作ってみましょう。日付、担当者、報告用のテキスト欄を入れればいいですかね。
佐藤:テキスト欄は長めに書けるようにしておいてください。日報にこだわる営業マンとかいますので。あと現地の写真を登録しておけると便利なので、ファイルも添付できるようにしてもらえます?
鈴木:なるほど、わかりました。今回は情シスでアプリ作りますが、今後は営業企画でもアプリ作りおねがいします。業務に密着したアプリ作成は営業企画部にお願いして、われわれはサポートに回った方がよいと思うんですよね。
佐藤:部長からもそう言われているのですが、正直いまだになぜkintoneを入れるのか、あんまりよくわかってないんです。kintoneって、アプリ作れるといいますけど、裏を返せば、業務アプリを作らないといけないんですよね。最初からありもの持ってきた方がよくないですか?
鈴木:お恥ずかしながら、過去に営業支援や顧客管理システムの導入、失敗しているんですよ。ありものを持ってきたら簡単かというと、意外とそうでもなくて、結局は営業のみなさんが使ってくれなくて、プロジェクトも頓挫しました。そういう経緯があって、情シスも現場部門のIT化に及び腰なんですよね。
佐藤:なるほど。でも、kintoneなら成功するんですかね。
鈴木:たとえば、先ほどテキスト欄大きめにとか、ファイルを添付したいという要望をいただきましたが、kintoneはこういう要望に迅速に対応できるんです。些細なことかもしれませんが、細かいところに迅速に対応できるって、けっこう重要ですし、自分の要望が通れば、アプリも使ってくれそうじゃないですか。
まあ、クラウドサービスなので、ダメだったら継続しなければいいわけで、今回のコロナ禍を契機にまずはスモールスタートしてみようと。
佐藤:確かにそうですね。私も紙だらけはいかがなものかと思っていたので、まずはやってみることにしましょう。