これを買っておけばハズレはない!
27型液晶「M27Q P」の内蔵機能が便利すぎてPCでもPS5でも手放せなくなる
いまゲーミングディスプレーの市場には、多種多様なモデルがラインナップされている。ショップに行けばたくさんのディスプレーが並んでいて、その様に圧倒されてしまうほどだ。だが、それほどの数の製品が出ているからこそ、選択肢が多すぎてどれを選べばいいのかわからないという読者も多いだろう。
そんな方に向けておすすめしたい、鉄板ともいえる機種がGIGABYTEのM27Q Pだ。この記事では本機を試用した筆者が、そのレビューをお届けする。ゲーミングディスプレー選びの参考にしていただければ幸いだ。
27インチというサイズに込められた意味
ゲーミングディスプレーを選ぶ際、最初に決めることになるのがサイズだろう。基本的には設置場所の広さに応じて決めることになるが、筆者のおすすめは24インチか27インチだ。30インチを超える大型モデルは、迫力こそ確かにすごいのだが、大画面をずっと見ることになるので、目が疲れてしまうことが少なくない。
加えて、そんな大型モデルを設置するなら、デスクの奥行きが最低80cm程度は欲しくなるので、スペースも制約されてしまう。スピーカーなど、その他の機材を導入しようとしたときにネックとなりうる。筆者も一度、30インチのディスプレーを導入してから、27インチに戻したという過去を持っている。
一方で、どっぷりゲームを楽しむなら、臨場感も犠牲にしたくない。その点、21インチ程度の画面では、そのコンパクトさゆえ迫力がやや足りない印象を受けてしまう。消去法で残るのが、目の疲労、設置性、臨場感といった要素をバランスよく兼ね備えている24~27インチというサイズ帯なのだ。
ちなみにこれらのゲーミングディスプレーは、多くのゲーム大会でも用いられている、いわば“プロ標準”といえるものでもある。勝つことにこだわりたいユーザーにも、おすすめといえよう。
さて、そろそろM27Q Pの話に入ろう。本機は、その型番の通り27インチのディスプレーで、上記の条件を満たす。また、ゲーミング環境に求められる高水準の応答速度・リフレッシュレートを備えており、色域の広いWQHD解像度を映し出せる精緻さも持ち合わせる。ゲーミングディスプレーとしては色の美しさにこだわった機種でもあるゆえ、24インチより大きい27インチであることにも、映像美が楽しみやすいという点で意義があるだろう。
以降は、本機の魅力についてさらに深掘りしていく。本機が「鉄板」といえる理由を、サイズ以外の面でも明らかにしていこう。
ゲーミングディスプレーとしての高い基礎性能
M27Q Pは、ゲーミングディスプレーに求められる基礎性能を高いレベルで兼ね備えている。どこまでを「基礎」と定義するかは難しいが、ここでは第一に要求されるものとして、応答速度とリフレッシュレートを挙げよう。
ms(ミリ秒)という単位で表される応答速度は、画面が色を切り替えるまでにかかる時間のことだ。1msなら1000分の1秒で色が切り替わるということになるのだが、本機の応答速度は、その1msである。これはゲーミングディスプレーとして最高水準の速さといえる。おかげで素早く動く映像でも残像が残りにくく、快適にゲームを楽しめるというわけだ。
またのちほど触れるが、本機は液晶パネルにSS IPS(Super Speed IPS)を採用している。IPS液晶は発色性の高さや視野角の広さが長所である反面、応答速度が遅いなどの欠点も抱えている。その弱点を克服しているのが本機のSS IPS液晶だ。これは、本機の完成度を引き上げている重要な要素である。
一方のリフレッシュレートは、1秒間に画面表示を切り替えられる回数を表している。この数値が高いほど、映像がカクカクせず、ヌルヌルと動く。本機のリフレッシュレートは165Hzで、1秒間に165回の画面切り替えが可能。これだけの速度があればまず困ることはないだろう。
というのも、ゲーミングPCでも、165fps(フレームレート。デバイス側から出力できる1秒間の画像の枚数のこと)を上回る映像を出力できるのはハイエンド級のGPUを積んだ一部のマシンに限られてくるし、そもそもリフレッシュレートが120Hz以上にもなると、常人には速すぎて違いを体感するのがなかなかに難しいのだ。ちなみに筆者の場合、体感の限界は110Hzくらいである。
わかりやすい実機の例を挙げれば、PS5最高のフレームレートは120fps。120Hzのディスプレーがあれば、その性能を満足に活かせるので、本機のスペックで、まったく問題ない。
上記の理由より、本機のリフレッシュレート165Hzという数字は、ほとんどの人にとって必要十分なものといえよう。なお本機の場合、一時的に負荷をかけて性能をより高めるオーバークロックをすることで、その数値は170Hzまで上昇する。ただ、ここまでする必要はほぼないといっていいだろう。