このページの本文へ

業界最先端のWiFi 6Eメッシュシステム「NETGEAR Orbi 9」徹底解剖!

「NETGEAR Orbi 9」で知る、多くのデバイスが接続しても通信スピードが落ちない理由

メッシュWiFiを高速に! ネットギアだけの「専用バックホール」とは?

2023年03月24日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 WiFiアクセスポイント間を無線接続することにより、簡単にWiFiのカバーエリアを拡大できる「メッシュWiFi」。2階建以上の住居など、WiFiルーター1台だけではカバーできない環境を隅々までWiFiエリアにできるため、人気を集めている。

 ただし、同じように「メッシュWiFi対応」をうたっていても、仕組みの違いによって実際の使い心地には差が出てくる。特にその差が出るのが「専用バックホール」があるかどうかだ。耳慣れない言葉かもしれないが、特にWiFi接続デバイスの台数が多くなるほど、その効果を発揮する。

 この専用バックホールはネットギアが特許取得済みであり、ネットギア製品でしか体験できないものだ。今回は最先端のWiFi 6Eメッシュシステム「NETGEAR Orbi 9」を例にとり、その仕組みや、ある場合/ない場合の差を知っておこう。

メッシュWiFiのバックホールで通信スピードが落ちる理由

 メッシュWiFiの「バックホール(backhaul)」とは、ルーター(親機)とサテライト(子機、中継器)の間をつなぐネットワークのことだ。このバックホールを無線接続にすることで、ルーターの電波が届く範囲内であればサテライトを自由に設置して、簡単にWiFiエリアを拡大できる。これがメッシュWiFiのメリットだ。

メッシュWiFiの「バックホール」

 ただし、バックホールの通信スピードが遅いと、サテライトに接続したデバイスの通信スピードも遅くなってしまう。上図の仕組みを見れば当然だが、サテライトに接続したデバイスは、バックホールの通信スピードを超えるスピードではインターネット通信できない。

 バックホールの通信状態を悪化させる要因としては、ルーター~サテライト間の距離のほか、間にある障害物(壁や床など)、同じチャンネル(周波数帯)を使う電波(周囲の家庭のWiFiネットワークなど)がある。

 ここでもうひとつ注目したい障害要因が、「バックホールと同じチャンネルに接続するWiFiデバイス」だ。多数のWiFiデバイスを同じチャンネルに接続すると通信スピードが落ちるのはよく知られた現象だが※注、バックホールでもそれと同じことが起きる。バックホールの通信スピードを低下させる要因になるのだ。

※注:1つのWiFiチャンネルに複数のデバイス(ここではサテライトも含む)を接続した場合、ルーターは複数台同時ではなく1台ずつ順番に通信処理を行うことになる。そのため、デバイスの台数が増えるほど各デバイスでは“待ち時間”が多くなって、通信スピードが落ちてしまう。MU-MIMO対応のルーター/デバイスを使うと一度にアンテナ本数分だけ同時通信できるが、デバイス台数がアンテナ本数よりも増えればやはり同じことが起きる。

 ネットギアによると、バックホールと同じチャンネルにWiFiデバイスを接続すると、デバイス1台あたり平均で25%も通信スピードが低下するという。サテライトに接続したWiFiデバイスは、このスピードの落ちたバックホールを使うことになるので、快適にWiFiが使えなくなってしまう。

非専用バックホールの場合、チャンネルを共有するデバイス台数が増えるほどバックホールの通信スピードが低下してしまう

 この現象をわかりやすくたとえるならば「流しそうめん」のようなものだ。バックホールの上流(ルーター)と下流(サテライト)の間にたくさんの人(デバイス)がいて、それぞれそうめん(通信帯域)を取ってしまうと、下流に流れてくるそうめんの量は減ってしまう(通信スピードが落ちる)。そんなイメージでとらえてみてほしい。

 最近では、2.4/5/6GHz帯の通信チャンネルごとに専用の無線機とアンテナを備える「トライバンド」「クアッドバンド」のWiFiルーターが数多く登場しているが、バックホールとデバイス接続に同じチャンネルを利用するのであれば、結局はこの問題を解決することができない。

ルーターでもサテライトでも高速通信を実現する「専用バックホール」

 そこでネットギアが考案したのが「専用バックホール」だ。1つのチャンネル(5GHz帯)をバックホール専用のチャンネルとして使い、ほかのWiFiデバイスは接続させないようにすることで、バックホール通信への影響をなくす。サテライトに接続するWiFiデバイスでは、WiFi接続するデバイスの台数が増えても変わらず快適にWiFiが使えるわけだ。

ネットギアの専用バックホールの場合、接続するデバイス台数が増えてもバックホールの通信スピードに影響を与えない

 ちなみにOrbi 9では、専用バックホールに4ストリーム(最大2.4Gbps)の帯域幅を割り当てている。たとえば4K/8Kのストリーミング再生をサテライト側に接続したデバイスで楽しみたいような場合でも、バックホールがボトルネックになることはないはずだ。

 また、ルーターとサテライトの間に障害物などがあってWiFi電波が届きにくい環境では、LANケーブル(最長100メートル)でルーターとサテライトをつなぐ「有線バックホール」も使える。Orbi 9の場合は2.5G Ethernetで接続されるので、サテライト側でも無線バックホールと変わらず高速な通信ができる。

モバイルアプリの指示に従って電源を入れるだけの簡単セットアップ

 実際に、筆者も自宅でOrbi 9をセットアップしてみた。ルーターとサテライトのバックホール接続を含め、モバイルアプリで簡単にセットアップできる点も、ネットギアOrbiシリーズの優れたところだ。

 基本的にはルーターの電源を入れ、そのルーターにWiFi接続したスマートフォンでOrbiアプリを起動して、アプリの画面指示に沿って操作をしていくだけでよい。途中の画面でサテライトに電源を入れるよう指示されるので、サテライトに電源ケーブルを接続すると自動的にバックホール接続が行われる。セット販売されているルーター/サテライトの場合は、ペアリング(同期)の操作すら必要ない。

Orbi 9のセットアップはモバイルアプリで簡単にできる。ルーターへのWiFi接続もカメラでQRコードを読み取るだけだ

アプリの指示に従ってサテライトの電源を入れると、数分程度で自動検出され、バックホール接続が行われる

 正しくバックホール接続ができた場合は、サテライト本体のLEDが青色に光る(数分で消灯する)。一方で、接続できなかった場合はマゼンタ色(ピンク色)に光る。利用し始めてからもバックホールが切れた際にはマゼンタに光るので、トラブルが起きても一目でわかる。

本体のLEDは、バックホール接続が成功すれば青色、失敗すればマゼンタ色に光る

 ルーターとサテライトの接続状態や、それぞれにどのデバイスがWiFi接続されているのかは、モバイルアプリで簡単に確認できる。

 ちなみにサテライトを複数台設置する場合、個々のサテライトをルーターと直接接続するのか、ほかのサテライト経由で接続するのかは、設置場所の電波状態に応じて自動的に選択される。ユーザーが意識しなくても最適な方法を選んでくれるのでありがたい。

通常はルーターと各サテライトが直接接続される(スター型)が、ルーターとサテライトの間の電波状態が悪い場合はほかのサテライト経由(デイジーチェーン型)で接続される場合もある

* * *

 今回はネットギアのメッシュWiFiだけが備える「専用バックホール」について紹介してきた。

 Orbi 9を自宅でセットアップしてみた結果、どこにいても強力なWiFi電波が拾えるようになったのはもちろん、専用バックホールで安定して高速なインターネットアクセスができるようになった。筆者宅は狭いのでOrbi 9ほどの超強力なメッシュWiFiシステムは必要ないかもしれないが、Orbiシリーズでは「Orbi 8」や「Orbi 7」といったほかの機種もすべて専用バックホールを採用している。

 Orbi 9のもうひとつの特徴が、ネットギア独自設計による「強力なアンテナ」だ。Orbi 9では、このアンテナを搭載することで5GHz帯のカバーエリアを30%も拡大しており、専用バックホールの安定的な通信にも役立っている。次回の記事で詳しく見てみたい。

■ Orbi 9はネットギア公式通販での購入がオトク!

 Orbi 9を「NETGEAR Store」で購入された方には、以下の特典があります。
   ・新規会員登録で10%割引クーポンをプレゼント
   ・お買い物ごとに10%のポイント付与
   ・無料のOrbi 9専用サポートダイヤル
   ・30日間返品保証

 また、公式ストア限定でOrbi 9ブラックエディションも販売中です。

 Orbi 9のお買い求めはぜひ「NETGEAR Store」にて!

(提供:ネットギア)

カテゴリートップへ

この連載の記事