話題のイヤホンをクイックレビュー
イギリスのNothing Technologyが22日(現地時間)に、ワイヤレスイヤホンの新モデル「Nothing Ear(2)」を発表しました。同社が2020年夏に最初のプロダクトとして発表し、日本でも発売された「Nothing Ear(1)」の後継モデルです。Ear(1)はスケルトン調の斬新なデザインが注目されましたが、Ear(2)も同じデザインコンセプトを継承。されど、中身は大幅にアップデートされています。
発表に先駆けて、日本のメディア向けに「Nothing Ear(2)プレブリーフィング」が開催されました。同社のマーケティング責任者兼共同創立者のアキス・イワンジェリディス氏がオンラインで製品のプレゼンテーションを行ないました。そこで聞いた話を中心にEar(2)の特徴を紹介します。
Ear(1)のデザインを継承しつつ
コンパクト化を実現
Ear(1)は世界でこれまでに60万台を販売し、昨年末に発売されたハーフインイヤー型の「Ear(stick)」を合わせると販売台数は100万台を超えているとのこと。
Ear(2)はEar(1)と同じくカナル型で、デザインは異なるもののアップルの「AirPods Pro」に近いサイズ感。イヤホンのステムが透明で、ケースを閉じていてもイヤホンが見えるシースルーのデザインになっています。これはスマートフォン「Nothing Phone(1)」にも共通するデザイン。ただし、Ear(1)やPhone(1)のカラバリはホワイトとブラックの2色でしたが、Ear(1)はホワイト1色です。Ear(2)はEar(1)よりも若干コンパクトで、「質量として30%の削減が図られた」(イワンジェリディス氏)そうです。
音質にこだわって、カスタムドライバーを再設計
Ear(2)には新しい独自のカスタム ダイヤフラムを備えた11.6mmのドライバーユニットが搭載されています。Ear(1)からの進化点として、イワンジェリディス氏はまず「デュアルチャンバー」を挙げます。「より多くの空気を取り込んで、円滑な空気の流れによって、サウンドを向上させた」とのこと。ダイヤフラムの素材にはポリウレタンとグラフィンを組み合わせて使用。「ポリウレタンはバス(低音域)の性能を高めて、グラフィンは音に明瞭さを与える機能を果たします」(イワンジェリディス氏)。
ハイレゾオーディオ認証を受けて、LHDC5.0コーデック技術を採用していることも特徴。独自設計のアクティブノイズキャンセリングは最大40dbのノイズ低減を実現しています。
自分に最適化された音を楽しめる
ユーザーが便利さを実感できる新機能としては、イヤホンの装着性をテストできる機能が追加されました。3サイズのイヤーチップが付属していて、左右の耳それぞれに最もフィットするものをテストできます。
さらに、音の聴こえ方をユーザーに最適化できる機能も追加されています。ノイズに混じって聴こえるビープ音を聴き取るテストを行ない、自分だけのヒアリングIDを作成。それに基づいて、自分に最適化されたイコライザーを利用できる仕組みです。
アクティブノイズキャンセリングはEar(1)にも搭載されていましたが、ノイズ除去のレベルを「高・低」から選ぶ必要がありました。Ear(2)では「高・中・低」から選択でき、さらに「アダプティブモード」を追加。自分で切り替えなくても、自動で調整されるようになりました。これによって「リスニングの快適性を高めるとともに、バッテリー消耗も最適化できるようになっています」(イワンジェリディス氏)。
より高性能なチップの採用によって、通話音質も改良されているとのこと。Ear(1)の開発時には30人ほどだったエンジニアが、現在は170人以上になり、開発環境も大きく変わったようです。「Ear(1)では、ノイズと音声の100万通りの組み合わせをテストしましたが、Ear(2)では、2000万通りをテストしています」(イワンジェリディス氏)。
アンテナの搭載位置を変えることで、接続時の安定性を向上。また、2つのデバイスの同時に接続できる「デュアル接続」(マルチポイント接続)にも対応。パソコンに接続して音楽を聴きつつ、スマホに着信した電話に応答することもできます。