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次世代Wi-Fiがもう動き出す

TP-Linkが日本初のWi-Fi 7ルーターを発表、新規参入するロボット掃除機も3月30日より順次発売

2023年03月10日 12時00分更新

文● 飯島範久 編集●ASCII

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 ティーピーリンクジャパンは3月9日、Wi-Fi 7ルーターやロボット掃除機を発表した。Wi-Fi 7は今夏発売予定で、ロボット掃除機は3月30日より順次発売する。

ティーピーリンクジャパンの社長 Simon Li氏

 まず、ティーピーリンクジャパン(TP-Link)の社長であるSimon Li氏が登壇。「ほとんどの方が、TP-LinkはWi-Fiルーターのブランドとして認識していると思いますが、我々はスマートホーム機器や法人向けソリューションなど6つのカテゴリーに対してビジネスを拡大しております。本日はその中の重要なカテゴリーであるWi-Fi 7とロボット掃除機を発表します。2019年10月にWi-Fi 6製品を日本で初めてリリース。そして2023年にWi-Fi 7においても日本最速で発表いたします。また、ロボット掃除機は、Tapoブランドの新カテゴリー製品で、手軽でスマートな暮らしを実現します。TP-Linkはこれからも安定性、信頼性、パフォーマンスに優れた価値のある製品をみなさまにお届けします」と述べ、今回既発表した製品に対して自信を見せていた。

ハイスペックなWi-Fi 7ルーター

リテール営業部の鈴木義信部長

 続いて、リテール営業部の鈴木義信部長が日本初となるフラッグシップ機の「Archer BE900」とメッシュWi-Fi 7システム「Deco BE85」など、Wi-Fi 7製品群を紹介。

「Archer BE900」はWi-Fi 7の規格を十分引き出すハイスペックなモデル

 「Archer BE900」は、11520Mbps(6GHz)+5760Mbps(5GHz-1)+5760Mbps(5GHz-2)+1376Mbps(2.4GHz)のクアッドバンドルーターで、内蔵アンテナは12本備える。Wi-Fi 7は規格上、Wi-Fi 6の4.8倍にあたる最大46Gbpsの通信速度を実現し、Wi-Fi 6より100倍低いレイテンシーや320MHzの帯域幅とMLO(複数のバンドとチャンネルでデータを同時に送受信する技術)により5倍のネットワーク容量が利用できる。

Wi-Fi 7と従来の規格との比較表

 ストリーム数は従来の8から16へ倍増。加えて、10Gbpsポート×2、2.5Gbpsポート×4を備えており、最近都心で拡大しているマルチギガ回線にも対応する性能だ。USBポートも備えており、ストレージを接続すれば高速アクセスのNASとして利用可能だ。

 外観も従来のルーターとは一線を画し、正面から見ると「X」のようなボディラインで、ミニPC並のサイズ感がある。また、LEDスクリーンが搭載され、天気や時刻、ルーターの状態、メッセージなどを表示可能。タッチパネルのディスプレーから表示内容の変更やゲストWi-Fiのオン/オフ操作などが行なえる。今夏発売予定で、価格は8万9800円の予定。

正面下部は、タッチパネルディスプレーになっており、操作できるようになっている

 「Deco BE85」は、トライバンドで11520Mbps(6GHz)+8640Mbps(5GHz) +1376Mbps(2.4GHz)の最大速度を実現。内蔵アンテナは8本でストリーム数は12となっている。こちらも10Gbpsポート×2と2.5Gbpsポート×2を用意。従来から利用している専用アプリ「Deco」で、簡単にメッシュ環境の管理ができる。価格は1パックが7万9800円、2パックが14万8800円の予定だ。

「Deco」シリーズの3製品。真ん中が「Deco BE85」左が「Deco BE75」、右が「Deco BE65」

1階にルーター、2階に中継機を設置しメッシュ化したときのスループット速度のヒートマップ。広い範囲で高速化を実現

そのほかにも、中継機やビジネス向けモデルもラインアップする予定。この夏一気に日本市場でWi-Fi 7ラッシュを目論んでいる。

左がドライバンドでトータル9.3Gbpsの「Archer BE550」、右がトータル19Gbpsの「Archer BE805」。ほかにもゲーミングルーター「Archer GE650」も予定されている

ビジネス向けのOmada Proシリーズや、中継機も用意されている

スマートホームの一角を担うロボット掃除機

リテール営業部の吉岡英剛課長

 一方、新規参入したロボット掃除機をリテール営業部の吉岡英剛課長が紹介。エントリー向けモデルとなる RV10 シリーズから「Tapo RV10 Plus」「Tapo RV10」「Tapo RV10 Lite」の3機種を3月30日に発売。ミドルクラス向けモデルとなる RV30シリーズから「Tapo RV30 Plus」「Tapo RV30」の2機種は4月20日に発売される。

ロボット掃除機と自動ゴミ収集機がセットのミドルクラス向けモデル「Tapo RV30 Plus」

 まず、「Tapo RV30」シリーズは、最大4200Paの吸引力による掃除機機能と水拭き機能を備えており、1回のフル充電で最長3時間の連続運転が可能。吸引力を調整することで騒音を4段階に設定できるので、床の素材や汚れ具合によって柔軟に選択可能。また静音にすればマンションでの深夜帯稼働でも近所に迷惑をかけない騒音レベル55dBまで抑えられる。

4段階の吸引力で、床の材質、絨毯などを使い分けられる

 障害物探知にはLiDARナビゲーションとジャイロセンサーを組み合わせ、部屋をしっかりマッピングすることで短時間に終了できる。段差は20mmまで対応し、Wi-Fi接続でスマホアプリから設定や操作が行なえる。

まず部屋のマッピングをすることで、効率よく掃除が可能。写真は壁がないためきちんと部屋を認識していないが、部屋を認識できれば、部屋をタップするだけで掃除機を稼働できる

「Tapo RV10」シリーズは、LiDARナビゲーションが省かれたモデル

「Tapo RV10」シリーズは、最大2000Paの吸引力のエントリーモデルで、水拭き機能を省いた「Tapo RV10 Lite」も用意。いずれの「plus」モデルには、自動ゴミ収集機も付属しており、最大27000Paの吸引力で4Lの紙パックにゴミを収集。ゴミがいっぱいになると通知され、袋も自動で封がされる仕組みになっている。

自動ゴミ収集機は4Lの容量で、紙袋にゴミが満タンになるまで70日程度

バッテリーがなくなれば、自動的にドックへ

 価格は「Tapo RV30」が5万9180円、自動ゴミ収集機付き「Tapo RV30 Plus」が7万6780円。「Tapo RV10」が3万7180円、自動ゴミ収集機付き「Tapo RV10 Plus」が4万9800円、「Tapo RV10 Lite」が2万9800円となっている。

 Wi-Fi 6は半年前に6GHz帯が利用可能になったばかりで、まだ対応機器も少ない中、もう次世代規格であるWi-Fi 7が動き出した。マルチギガ回線も意識したハイスペックな仕様は、これまで以上に高価なため、エントリーモデルがどの程度の価格帯に収まるのかが気になるところ。Wi-Fi 7の実力とやらを早く見てみたいものである。

 ロボット掃除機は、業界でかなり後発になるが、スマートホーム製品の一角を担うだけあり、他社製品のいいところをしっかり押さえている印象だ。豊富なラインアップでニーズに合った製品を選べるので、必要な機能、スペックを見比べて購入したい。

TP-Link製品サイト

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