Eraシリーズをさらに活かす、2つのレイアウト
ところで筆者は原稿執筆用の書斎に、2台のSonos Fiveを並べて使っている。
Fiveはウーファーユニットが全面に3つあり、ヴォーカルなどセンター定位の音は(ほぼフルレンジをカバーする)真ん中のユニットで再生。左右のウーファーはやや角度をつけて広がるように配置され、ツイーターはウェーブガイドで左右斜め方向に放出する設計だ。
つまりシングルボディでのステレオ再生が行えるのだが、2台をステレオ構成にすると明確なステレオイメージを表現しつつ、部屋中を音楽で埋め尽くす心地よさがある。純粋なる音質を求めるステレオセットとは異なる方向だが、これがまた執務部屋にはぴったりのセッティングに仕上がってくれる。
こうした良さはEraシリーズにも引き継がれており、Era 100を2台用いればFiveを2台使ったような指向性が広いステレオ再生システムになり、Era 300を2台使うことで高さ方向も含め、より広く心地よいリスニングエリアを確保できるだろう。「だろう」というのは、まだ2台のペアリングを試していないからだが、Sonosはステレオペアで利用した際にEra 300各ドライバーユニットがどのように働くかをチューニング済みだという。
さらに同社製サウンドバーとサブウーファーを組み合わせ、ワイヤレスのホームシアターシステムでも両機種を活躍させることが可能なことは前述したとおりだ。Sonosイネーブルドスピーカーを内蔵する ArcとEra 300の組み合わせがベストだが、Sonos BeamであってもリアにEra 300を用いれば、Era 300の上方スピーカーをイネーブルドスピーカーとして活用し、立体的な音場表現をしてくれる。
もちろん、リアスピーカーにはEra 100を利用することも可能だ。現在のところ、Eraシリーズ4台を用いた空間オーディオ再生などには対応していないようだが、今後は別のレイアウトへの対応も検討しているという。
つまり、シングルボディのステレオ、空間オーディオスピーカーとして機能し、さらに1台を追加することでさらに豊かな音場を実現。HDMI内蔵/eARC対応のSonos製サウンドバーと組み合わせれば本格的な立体音響システムにまでホームシアターを発展させることが可能という、実に都合の良い柔軟なシステムということだ。
これは将来的にシステム変更をしたい際に、それまでの投資が無駄になりにくいということでもある。