KDDIと三菱重工業、NECネッツエスアイは3月6日、データセンター内のサーバーを液体冷却することで冷却電力の94%減を達成したと発表した。
3社は2月28日、脱炭素に貢献するサステナブルなデータセンターを目指し、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置の大規模構成での利用を想定した実証実験をKDDI小山ネットワークセンターにて実施。冷却設備におけるデータセンターの品質を評価・格付けする基準のティア4レベルでの安定稼働に成功。
従来型のデータセンターと比較し、サーバー冷却のために消費される電力を94%削減、データセンターの電力使用効率を示す指標のPUE値で1.05を実現したという。
実証実験では、100kVA相当のサーバーなどのIT機器と液浸冷却装置をデータセンター内に収容して試験運用。最適化された外気空冷を行なうフリークーリング装置を開発し、データセンターでの実装を想定した排熱処理能力の向上と省電力化を実現。安定稼働の成立性を立証したほか、IT機器が発する騒音は空冷方式に比べておよそ35dB低減したという。
また、国内での商用利用を見据え、保守体制の検討、保守マニュアルの整備も含めた実践的な運用を実施。3社は大規模データセンターからコンテナ型データセンターまで幅広い活用を想定し、2023年度中に液浸データセンターの提供を開始するとしている。