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【先行レビュー】大幅進化の第2世代「HomePod」比較するライバルがいない理由(本田雅一)

2023年02月01日 12時00分更新

文● 本田雅一 編集●飯島恵里子/ASCII

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HomePodの実力を知るために
Apple Musicで選曲したプレイリスト

 なお、本機の試聴に使ったApple Musicの上記プレイリストを紹介するとともに、いくつか聴きどころと感じたポイントについて、ショートコメントを付け加える。参考になれば幸いだ。

本来筆者が使っているメインスピーカーの前上にステレオペアで設置して聴いた

 全ての楽曲についてインプレッションは書かないが、参考にしてほしい。なお、いずれも本来筆者が使っているメインスピーカーの前上にステレオペアで設置して聴いた。

 Jack Jonsonの「I got You」は、冒頭から空の上に抜けていくような開放的な口笛とギターから始まる。ギターのアタック速度、フレットノイズの感触など鮮烈さを伴いつつ、程よく心地よい癒しが感じられるナチュラルな減衰のエンベロープ。ヴォーカルもナチュラルだ。

 「Things You Don't Have To Do」は、The Peter Malick GroupがNorah Jonesとコラボした楽曲。スタジオ内で息を合わせながら二人が掛け合う様子が感じられる、シンプルな録音の中にある雰囲気が魅力なのだが、しっかりと音場を埋める情報が表現されていた。

 ご存知、ダフトパンクの「Get Lucky」(feat. Pharrell Williams & Nile Rodgers)。打ち込み系のリズムセクションは典型的な帯域と質感だが、妙に持ち上げることもなく、かといってタイトすぎない。極めて心地よい感触で、伸びやかなヴォーカルも抜けるようで、まるで空間オーディオのようにも聞こえるが、実際にはステレオ録音。

 佐藤竹善の「らいおんハート」は、かなりタイトな録音。エコーや残響感は適度だが、音葉は小さめでアーティストとリスナーの距離が近い印象だが、HomePodでもその空気感、録音時の息遣いが見えてくるようだ。一方でリラックスできる包み込むような感触もある。単なるHiFi調ではなく、そこにリラックスできる要素が感じられるのが本機の良いところだろう。

 セルジオ・メンデスが多数のアーティストとコラボしたアルバムに収録されている「The Look of Love」(feat. Fergie)。この楽曲はイジワルというわけではないが、スタジオのラージモニターでなければ正確に表現できないような低域を含む極端なアレンジ。流石に最低域の「Boom」というスイープは聞こえなが、音楽的なバランスはよい。むしろ無理に聞かせようと演出するよりは良いだろう。

 アリアナ・グランデの「thank u, next」からは空間オーディオの楽曲。立体的に残響がうねるように響く幻想的なビブラフォンの前奏が心地よい。そこに立ち昇るアリアナのヴォーカルにベースラインが絡みつき、残響の長いビブラフォンが包み込む。

 エルトン・ジョンとDua Lipaがコラボした「Cold Heart」(PNAU Remix)も、音場の整い方も良いが、リズム全体を支えるシンセベースに個人的には着目。空間オーディオのDolby Atmosだけに、パートごとにオブジェクトで作られているためなのか、しっかりとベースラインが楽曲全体を支えており、HomePodのサイズから期待する以上の弾力感あるベースが気持ちを上げてくれた。

 シールのヒット曲、「Kiss from a Rose」を空間オーディオでリメイクしたトラック。元々、かなり立体的な音作りがされていた曲だが、Dolby Atmosにすることで、本来の狙いに近づいているのだろう。多重録音でシールの声に包まれながら、クライマックスへと感情を煽られることを感じる。

 クラフトワークの「Tour De France(Etape 2)[Edit]」は空間オーディオにおける音源オブジェクトの移動感を確認できるトラック。自分の周囲を楕円形に音が巡ったり、クローズドハイハットが飛び交う感覚は思ったよりも明快。ベースはもう少し下まで出てほしい欲はあるが、楽曲のバランスを崩すほどではない。フロントサラウンドの音場再現という意味ではかなり良い。

 

筆者紹介――本田雅一
 ジャーナリスト、コラムニスト。ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析する。

 

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