インフルエンザとマルウェア、どちらもウイルス対策が必須
新型コロナの感染拡大防止に向けた取り組みが功を奏した結果、インフルエンザウイルスの流行も落ち着いていました。ただ、この冬は3年ぶりに感染者が増加しているようです。
ウイルス入りの飛沫を吸い込んだり、飛沫が付着した指で目や口などの粘膜をこすってしまうことが主な感染経路ですが、これは新型コロナも変わりませんので引き続き用心したいものです。
他方、企業のウイルス(ランサムウェア)被害や個人相手のフィッシング詐欺などサイバー攻撃もここ数年、激しくなっています。どちらもウイルスの名を冠するトラブルですが、いわゆるマルウェア(ウイルス)感染は接触が不要なのでインフルエンザよりも悪質です。
不審なメールやSMSに騙されて偽Webサイトに誘導されたり、怪しいアプリをインストールさせられたりしないよう対策を講じることが、手洗い・うがいに相当します。
※以下は「マルウェアの感染経路はインフルエンザよりも豊富でタチが悪い」からの抜粋です。
接触が必須のインフルエンザ、接触しなくても感染するマルウェア
インフルエンザウイルスの感染経路は、感染者の咳やくしゃみに含まれる「ウイルス入りの飛沫」をそのまま吸い込んでしまうルート、あるいはその飛沫が付着したモノを触った手で目や口など粘膜にこすり付けてしまうルートが一般的です。そのため対策は、いかに飛沫を飛び散らせない/防御するかが重要になります。
一方マルウェアの場合は、「PCにマルウェア入りUSBメモリを挿入する」といった物理的接触は少数派で、ほぼすべてがインターネット経由です。メールの添付ファイル、メール本文・メッセンジャー・掲示板などに書き込まれているURL経由、広告バナー、感染済みのWebサイト、etc...と挙げればキリがありません。インフルエンザとは異なり、物理的接触が不要なので、ある意味数段タチが悪いのです。
感染して周りに被害を振りまくのはインフルエンザもマルウェアも同じ
さて、私たちの体内に入ったインフルエンザウイルスは、1~3日のあいだにのどや気管支で爆発的に増殖します。そして1週間程度にわたって高い発熱、悪寒、のどの痛み、関節痛などなど、お馴染みの症状を発生させます。その間は咳やくしゃみにインフルエンザウイルスが混じっており、周りを感染させる側に回ってしまうわけです。
マルウェアもたいていはインターネット経由でPCに侵入します。そして欠陥があるプログラムを見つけて感染・増殖し、それぞれのマルウェア特有の攻撃を試みます。
たとえば情報を盗み出す種類なら、プログラムが正常に動いているかのように振る舞わせつつ、インターネット経由でPC内のデータを外部に少しずつ送信します。同時に前述したさまざまなルートを使ってインターネット経由で自身をバラまくのです。マルウェアに感染すると自分も感染させる側に回ってしまうのは、インフルエンザ同様ですね。
ウイルスの発生と流行は事前に予測できません。前述した通り、PCには「寝ていれば治る可能性」が存在しませんから予防が最大の対策です。危ういサイトに行かない、怪しいファイルをクリックしないといった行動が、日々のうがいや手洗いに相当するわけです。