楽天モバイルは1月26日、5Gホームルーターサービス「Rakuten Turbo」の提供を開始した。月額料金は4840円で、最初の3年間は月額3685円で利用可能。1回線目の申込分は契約事務手数料も無料となる。
使用には専用ホームルーター「Rakuten Turbo 5G」(4万1580円)が必要。24回または48回の分割払いも選べるが、48回払いは楽天カード限定だ。
楽天モバイルの参入により、ホームルーター市場に通信大手4社が出揃うことになった。
コンセントに挿すだけで手軽に使える5Gルーター
「Rakuten Turbo 5G」は、コンセントに接続し「Rakuten Turbo」のSIMカードを挿入するだけで使用できる据え置き型のルーター。
4G及び5G(sub6)対応で最大通信速度は下り2.1Gbpsと、家庭用光回線に迫るスピードが特徴だ。
端末の同時接続数は最大128台で有線LANポートも備えるため、一般的なモバイルルーター(同時接続数10〜15台程度・有線LANポートなし)と比べ、より自宅や職場での利用に適している。
また、設置時の工事も要らないので、古いマンションや庭の離れ等、固定回線の工事が難しい場所にも手軽に設置可能だ。
ただし契約時に指定した住所に設置する決まりがあるため、自宅で使っている「Rakuten Turbo 5G」を出張先のホテルに持ち込むような使い方はできない。
これは競合他社のホームルーターでも同様だ。
パートナー回線には非対応/楽天5Gエリアもまだまだ少ない
「Rakuten Turbo」のサービスは、4G/5Gともに楽天自らで整備した「楽天回線エリア」でのみ利用できる。
楽天の電波が届きにくい地域に残る「パートナー(au)回線エリア」には対応していないので、設置場所がどちらのエリアになっているか契約前に確認した方が良いだろう。
また、5G通信のエリアについても、2023年1月の時点ではまだ限られているため、「Rakuten Turbo」を契約しても4G通信しか使えないケースは少なからず存在すると見られる。
4G通信では下り最大391Mbps・上り最大76Mbps(ルーターに「Rakuten Turbo 5G」を使用した場合)となるため、光回線と「Rakuten Turbo」を比較検討する際は注意が必要だ。
不自然な逆転現象:スマホ向けプランより高価な「Rakuten Turbo」
「Rakuten Turbo」の月額料金については、楽天モバイルが以前から提供しているスマートフォン向けプランと価格の逆転現象も起こっている。
同社のスマートフォン向けプラン「Rakuten UN-LIMIT Ⅶ」は、データ容量使い放題に音声通話サービスもついた上で月額3278円だ。
「Rakuten Turbo」は最初の3年間が月額3685円・それ以降は月額4840円なので、毎月400〜1500円程度スマートフォン向けプランの方が安い計算になる。
通常、モバイル通信の料金はデータ通信専用より音声通話+データ通信プランの方が高くなることが多いため、前者の方が高価な今の楽天モバイルの状況は不自然と言わざるを得ない。
同社がモバイル事業の収支改善を目指している現状も踏まえると、「Rakuten UN-LIMIT Ⅶ」値上げの前段階として「Rakuten Turbo」を観測気球にしている可能性も十分考えられるだろう。