ユニコーン企業(評価額10億ドル以上)の仲間入り
ディープラーニング技術を使った翻訳サービス「DeepL翻訳」を提供するドイツのDeepLは1月11日(現地時間)、国際投資ファンドのIVP、Bessemer Venture Partners、Atomico、WiLから出資を受け、評価額が10億ユーロ(およそ1417億円)に達したことを明らかにした。
出資したのはいずれも、Dropbox、Slack、Intercom、Zoom、Skype、Asanaなどにも出資している企業。出資額は明らかにされていない。
DeepLは調達した資金によって「業界をリードする技術の開発に注力できるだけでなく、AIコミュニケーションのメリットをより広く提供できるようになり、個人だけでなくあらゆる規模の組織の社内外のコミュニケーションをAI技術で向上させることが可能になる」としている。
DeepLとは
DeepLは2017年にドイツのケルンで創業された非公開企業。ニューラルネットワークとAI技術を搭載した翻訳ソリューションを法人・個人に向け提供している。日本語を含む30近い言語に対応しており、文脈に応じて細かなニュアンスも捉える翻訳精度の高さが特徴。
ブラウザ版とアプリ版が用意されており、5000文字までの翻訳なら無料で利用できるほか、月額1000円(年払い)からの有料版も用意されている。
AIを利用した翻訳分野はグーグルやマイクロソフトといったビッグテックと競合しているうえ、OpenAIの「ChatGPT」など自然言語処理と組み合わせたより高度な研究も進んでいる。今回調達した資金も高騰する研究開発コストにあてられると見られている。