このページの本文へ

KDDI、脳トレーニングでドライビングテクニックの向上につなげる技術開発プロジェクト「みんなの夢をのせるeレーサープロジェクト」結果発表

2022年11月18日 16時10分更新

文● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 KDDIは11月11日、eスポーツを活用したトレーニングを通じ脳の認知能力を高め、実車でのドライビングテクニックの向上につなげる「みんなの夢をのせるeレーサープロジェクト」の開催結果を発表した。

 KDDIおよびアイロック、VIE STYLE、レーシングヒーローによる取り組みで、レースゲームを楽しむeスポーツゲーマーや自動車メーカーをはじめとする多くのパートナーとともに、脳科学とITを組み合わせたブレインテックとeスポーツを活用したトレーニングを通じて脳の認知能力を高め、実車でのドライビングテクニックの向上につなげる技術の開発に取り組むというプロジェクト。

 eレーサー(レースゲームを楽しむeスポーツゲーマー)20名が参加し、実車などによる走行タイムの測定と約4週間の脳トレーニングを行なった。結果として、脳トレーニングを受けた10名のeレーサーは、トレーニングをしなかった10名と比べて、実車走行でおよそ2.2倍のタイム向上率となり、脳トレーニングの効果を確認したという、

本プロジェクトの流れ

実車での走行イメージ

「T3R Simulator」でのドライビングイメージ

 プロジェクトでは、筑波サーキットにおいて、実車とドライビングシミュレーターで走行タイムと脳波を測定。運転パフォーマンスと相関する認知能力を特定するため、5種類の認知タスク・心理尺度回答を実施し、これらの測定結果をもとにトレーニング対象の認知能力を特定。参加者に脳トレーニングを実施する/実施しないを10名ずつに振り分け、1週間に1回の脳トレーニングを実施。1回目と同様に筑波サーキットで2回目の測定会を実施した。

脳トレーニングイメージ

タイム短縮率 左: 実車、右: シミュレーター

 実験の結果、トレーニングを行なった参加者が、訓練した感覚運動のパフォーマンスは有意に向上。感情制御のニューロフィードバックも目的とする状態に制御できていることが確認され、これは開発したトレーニングプログラムで対象とする認知機能の向上に成功したと解釈できるという。

 実車での走行タイム短縮に効果が出たことから、脳トレーニングはeモータースポーツと比較して、参加者への伸びしろが大きい運転パフォーマンスの向上につながることが示唆された。一方、ドライビングシミュレーターにおいては結果のばらつきが大きく有意ではなかったものの、絶対値としてはコントロール群と比較し、大きな向上効果が期待される結果となった。これらを踏まえると、開発した脳トレーニングによってターゲットとなる認知能力を伸ばすことで、レースパフォーマンスの向上に因果的に寄与することが示唆される結果となったとしている。

■関連サイト

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン