第176回 SORACOM公式ブログ

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IoTの楽しさをAWSとラズパイで紹介「AWS Dev Day 2022 Japan 登壇レポート」

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「IoTの楽しさをAWSとラズパイで紹介「AWS Dev Day 2022 Japan 登壇レポート」」を再編集したものです。

こんにちは、ソラコムのエバンジェリスト松下(ニックネーム: Max)です。
AWS IoT ヒーローでして、好きなAWSサービスはAWS IoT Coreです!

AWSを用いた開発者向けカンファレンス「AWS Dev Day 2022 Japan」でセッション公募枠を獲得し、AWSとRaspberry Pi(ラズパイ)を組み合わせたIoTアーキテクチャの基礎を紹介するセッションで発表をしてきました。

このブログでは発表内容に加えて、登壇の経緯から資料やライブデモの準備といった舞台裏も紹介します。今後、登壇してみたい方への参考になれば幸いです。

発表資料と内容

内容は8つのトピックでした。これを4つのライブデモを含めて、45分で発表しました。

趣旨としては、特にクラウドのエンジニアの方がIoTに取り組む際に疑問となる「IoTデバイスの開発」と「IoTデバイスとのアーキテクチャ」について、基本的な考え方からベストプラクティスの紹介を通じて、手間を減らせればと考えて作っています。

  1. IoTそのものを、事例と共に振り返り
  2. IoTにおけるラズパイの役割や位置づけ
  3. センサーとラズパイの接続方法と、プログラミングの概要 【ライブデモ含む】
  4. IoTデバイスが作り出す2系統のデータの整理と蓄積先の考え方
  5. IoTデバイスとAmazon Simple Storage Service(S3)間のアーキテクチャ【ライブデモ含む】
  6. Amazon API Gateway と AWS IoT Core の異なる点、IoT Core の利点 【ライブデモ含む】
  7. AWS IoT Greengrass の概要と、Lambda 関数のデプロイ 【ライブデモ含む】
  8. ラズパイのIoT活用事例と IoT プラットフォーム「SORACOM」の通信

発表資料は公開しています。併せてご覧ください。

【登壇の舞台裏】きっかけから準備まで

ここからは、舞台裏をご紹介します。

きっかけはCfP

AWS Dev Day(以下、Dev Day) のブレイクアウトセッションは公募 (CfP; Call for Proposal)で、CfPの選考結果で登壇が決定します。

Dev DayのCfPはGitHub上で行われました。エントリー内容は公開され、皆さんからのリアクションボタンによる投票が選考に大きく影響するとのことでした。最終的には82のエントリーがあり、その中の約20セッションの中に選んでいただきました。投票いただいた皆様、本当にありがとうございます。

私のエントリー内容は「IoTの楽しさをライブデモで!AWSとラズパイで「作らずに創る」IoTのハジメ」というものです。

選考理由は開示されていませんが、個人的に振り返ったことを共有します。
まず、IoTというテーマ設定がありそうです。CfPでもIoTは4つと競争率が低めでした。また、初級向けに設定したのも大きかったと考えています。IoTが普及期に差し掛かっている中、これから始める方向けコンテンツという位置づけです。そしてライブデモが良かったかもしれません。「やってみる」を一番表現しやすい手段がライブデモです。

参考までに、このCfPの作成手順を紹介します。
時間は約20分程度で作成しました。先にアブストラクト(概要文)ができて、そこからタイトル化しています。私の場合は概要から作る傾向が強いですね。まず紹介する事を列挙して、そのリストを基に概要文をまとめ上げます。最後に、概要文から特徴的な単語をピックアップして組み合わせるという手順です。

たまにスパっとタイトルから作ることもありますが、皆さんの参考になればと思い紹介しました。

ライブデモの準備

IoTの場合、パソコン画面だけでなく物理的なIoTデバイスを見てもらうために、手元を映す事も不可欠です。
最近の私のスタイルは、手元用カメラをオープンなストリーミング配信・録画ソフトウェア「OBS Studio」 の “プレビューウィンドウ” で表示する手法を利用しています。

画面右下が OBS Studio の “プレビューウィンドウ”

OBS Studio のプレビューウィンドウはタイトルバーだけのシンプルな表示であるため、ライブデモでも邪魔になりません。また、OBS Studioで映像調整もできるため、撮影条件にも対応できます。あとは三脚で固定していくわけです。

パソコン画面での操作時も、ライブデモでは配慮が必要です。
それが認証情報などのセンシティブな情報の扱いです。特にクラウドでは URL やリソース ID、認証情報など、外部へ漏洩すると問題となる情報が多いです。これを動的に隠す方法として CSS3による動的なマスキング を利用しています。

ブラウザ上限定ではありますが、クラウドの管理画面はブラウザで操作する事がほとんどですので、これで回避できます。

ネットワークの準備

モバイルWi-Fiなど、自前でのネットワークを準備しておくと安心です。

実際にあった話ですが、会場でネットワークがお借りできなかったことがありました。ライブデモのほとんどがネット接続を必要としますので、どんな現場でも対応できるようにしておくと、ライブデモの成功確率が格段に上がります。

今回私はラズパイにUSBドングル型LTEモデム「SORACOM Onyx」を取り付けて、ラズパイから直接インターネット接続をするようにしました。結果、安定的にリモートアクセスのライブデモができたのでよかったですね。

左の黒いUSBデバイスが「SORACOM Onyx

あとは、操作用パソコン向けのネットワークとして、例えばスマートフォンのテザリングを使えるようにしておくと、いざというときに対応できるのでオススメです。

当日にむけた練習と失敗対策

登壇当日へ向けた練習は、ライブデモそのものも行いますが、加えてカメラ等の機材設置と調整も練習します。休憩時間内で設置ができないとセッションそのものが始められませんので、この練習も重要です。どのくらい練習しているかというと、実は10回くらい実施しています。時間を計測したり手順の効率化もしていきます。

失敗の対策としては「ライブデモの内容をあらかじめ動画撮影しておく」や「別の解説コンテンツを用意しておく」が考えられます。ともかく、失敗しても慌てずに対処する手段を持っておくことが大切です。

ライブデモはスマートさが重要です!練習を重ねる事と、失敗も想定しておくことで安心して臨めますので、ぜひ練習と準備をしましょう。

【おわりに】情報発信は「自分のために」

AWS Dev Day の登壇内容と、舞台裏をご紹介しました。
ラズパイやAWSのIoT向けサービスの紹介を通じて「自分でも挑戦できそう」と思っていただければ何よりです。

また、今回ご紹介した舞台裏をきっかけに、さらなる情報発信が増えれば良いとも考えています。「教えることが学ぶために非常に効果的」という言葉があるように、皆さん自身の学びを深める手段として、情報発信をしてみてください。
私自身も、ラズパイで使うmicroSDの使い方ラズパイをWi-Fiアクセスポイントにしてトラフィック計測をする方法の公開を通じて、自身の知識や技術のアップデートを行っています!

また、今回ご紹介したAWSとIoTの連携やアーキテクチャにご興味のある方に適したセミナーのご紹介です。
11/17(木) 午後2時からのオンラインセミナー「IoTデータ収集と活用で知っておきたい、AWSの基礎と実践セミナー」をお送りします。ライブデモを交えて、基礎から実践に役立つヒントまで解説しますので、是非ご参加ください。

また、ソラコムでは皆さんの情報発信を応援するキャンペーンとして「Try! SORACOM キャンペーン」を開催中です。イベントに参加したレポートやIoTプラットフォームSORACOMのサービスや機能、ソラカメを使ったブログ記事を書いた方へ、もれなく特製プレゼントをお届けするキャンペーンです。
情報発信の第一歩として、ご応募ください!

― ソラコム松下 (Max)

投稿 IoTの楽しさをAWSとラズパイで紹介「AWS Dev Day 2022 Japan 登壇レポート」SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。

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