FCNTが法人向けスマートフォンの新モデル「arrows BZ03」を発表しました。「arrows BZ」シリーズで初めて5G(第5世代移動通信システム)に対応したモデルで、2023年1月に発売されます。その発売に先駆けて実機に触れられる機会を得たので、端末の特徴や使用感をレビューしたいと思います。
なお、arrows BZ03は法人向けではありますが、Amazon.co.jpでもSIMフリーモデルとして販売を予定しており、個人で購入可能です(前モデルは販売中)。余計なアプリがバックグラウンドで動作するのを極力避けた仕様となっており、対応バンドも主要キャリアのものが使えるので、SIMフリースマホとして個人でも普通に使えることを先にお伝えしておきます。
最大のメリットは5Gへの対応
arrows BZ03の最大の特徴は、FCNTの法人向けスマホとして初めて5Gに対応したこと。全国で広がっている5Gエリアで超高速・低遅延の通信を利用でき、さらに企業などがプライベートネットワークとして構築するローカル5Gにも対応しています。また、現行の「arrows BZ02」でサポートしているsXGP(4Gを用いるローカルの通信方式)に加えて、地域・自営のBWA(2.5GHz帯を利用する広帯域移動無線アクセス)にも対応。大規模施設内での内線電話などにも利用できる仕様になっています。
5Gの対応バンドはn3、n28、n77、n78、n79。国内の全キャリアに対応し、ローカル5Gにも用いられる(公衆網としてはドコモだけが利用の)n79にも対応しています。なお、SIMスロットには1枚のnanoSIMしか装着できませんが、eSIMを搭載しているので、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)で使うことも可能。通話用とデータ通信用の回線を使い分けたり、公衆回線とsXGPによる内線を同時に使ったりすることもできます。
持ちやすいサイズ感で
ケースなしで使っても安心
arrows BZ03は、昨今のスマホとしては「比較的コンパクト」といえるサイズ感。約5.7型の液晶ディスプレーを搭載し、サイズは約71×147×9.4mmで、重さは約172g。ほとんどのアプリは片手で楽に操作できます。
本体の右側に電源キーと音量キーを搭載。左側にSIMとmicroSDのスロットを備えています。上部には3.5mm穴のイヤホンジャック、下部にUSB Type-C接続端子という、ベーシックなレイアウト。内蔵スピーカーはモノラルです。
指紋センサーは背面パネルに搭載されています。背面パネルはマットな質感で、指紋が付着しにくい印象。エッジが丸みを帯びているので、手になじみやすいことも魅力。IPX5/IPX8の防水性能、IP6Xの防塵性能に加えて、米国国防総省の資材調達基準であるMIL規格の23項目に準拠するタフネス性能を備えていることも利点。業務用のスマホは、ケースに入れずに使うことも多いようですが、堅牢性に優れたarrows BZ03は、ケースを付けなくても安全に快適に使えるのです。
大ヒットモデル「arrows We」との共通点も
arrows BZ03を手にすると、どこかで触れたことがあるように感じました。どうやら、ハードウェアは昨年12月に発売されて以来、ロングヒットを続けている「arrows We」と共通しているようです。持ちやすさや操作のしやすさは、arrows Weと同等と言って差し支えないでしょう。
arrows BZ03は、arrows Weと同じように泡タイプのハンドソープや食器用洗剤で洗うことが可能。作業現場などで付着した汚れをきれいに落とせます。また、アルコール除菌に対応しているので、複数人で使うことがあったとしても安心。さらに、病院や食品を扱う現場などでも安心して使えるように、イソプロピルアルコール(99.7%)、エタノール(99.5%)、次亜塩素酸ナトリウム(1.0%)による拭き取りもできるそうです。