アリババグループ
コンピュータビジョンや自然言語処理、音声認識などの分野で世界有数のAIモデルを利用可能にプロダクト展開や開発効率を改善するサーバーレスソリューションも新たに登場
アリババグループのデジタルテクノロジーとインテリジェンスの中枢であるアリババクラウドは本日、今月3日から開催のアリババクラウドの年次イベント「Apsara Conference 2022」で、世界中の研究・開発者が利用できる大規模な事前学習モデルを含む数百のAIモデルを搭載したオープンソースのモデル・アズ・ア・サービスプラットフォーム「ModelScope(モデルスコープ)」を発表しました。また、アリババクラウドは、この年次イベントで、さまざまなサーバーレスデータベース製品やアップグレードされた統合データ分析サービス、インテリジェントコンピューティングのプラットフォームを発表しました。これらのソリューションやサービスを通じて、ユーザーがクラウド技術を最大限に活用してビジネス革新を起こせるよう支援します。
ModelScopeで包括的かつ透明性の高いテクノロジーコミュニティを構築
ModelScopeのプラットフォームには、アリババグループのグローバル研究機関であるDAMOアカデミー(中国語:達摩院)が過去5年にわたって開発した、300以上のすぐに利用可能なAIモデルが搭載されています。これらのモデルは、コンピュータビジョンから自然言語処理(NLP)、音声認識などの、さまざまな分野で展開できます。ModelScopeでは、各分野で世界的に最も優れている150以上の先端AIモデルも利用でき、研究開発やプロジェクトにおいて成果をもたらします。
ほかにもModelScopeでは、50億のパラメータでテキストから画像を生成するサービス「Tongyi(通意)」、画像への見出し付けやVisual QA(Visual Question Answering)などのクロスモーダルなタスクに優れた60億のパラメータを持つモデル「OFA(One-For-All)」など、アリババ独自の大規模な事前学習モデルを利用できます。独立した開発者が、これまでに数十のAIモデルをこのオープンソースプラットフォームに提供しています。
ModelScopeはオープンソースコミュニティとして、AIモデルの開発や実行をより簡単にし、その費用対効果を高めることを目指しています。開発者や研究者は、オンラインでAIモデルを無料でテストして、数分以内にその結果を得られます。また、既存のモデルを微調整してカスタマイズされたAIアプリケーションを開発し、そのモデルをアリババクラウド上で実行したり、他のクラウドプラットフォームやローカル環境で展開したりできます。
ModelScopeは、AIモデルの構築や実行を容易にするほか、大学や中小企業がそれぞれの研究やビジネスで簡単にAIを活用できるようにします。これは、包括的なテクノロジーを推進するDAMOアカデミーの一貫した取り組みの一つです。今後、DAMOアカデミーのプラットフォーム上で高品質なAIモデルが利用可能になるほか、研究機関やサードパーティの開発者などのパートナーが参加することによって、コミュニティはさらに成長すると予想されます。
コンピューティング効率向上に寄与するソリューション
アリババクラウドは、サーバーレスソフトウェア開発の新たなトレンドに先駆けて、主要なクラウド製品をサーバーレス化し、煩雑なサーバーやインフラの管理で負担を負うことなく、企業やユーザーが製品の開発と展開に集中できるようにします。最新のアリババクラウドの製品やサービスでは、ユーザーが必要に応じて最新の機能やコンピューティング性能を活用できるよう注力しています。
その例として、クラウドネイティブデータベースのPolarDB、クラウドネイティブデータウェアハウスのAnalyticDB (ADB)、ApsaraDB for Relational Database Service(RDS)があります。ユーザーは、実際のワークロードに合わせた弾力性の高い自動スケーリング能力や、コスト削減に貢献する従量制課金モデルを活用できます。ニーズに応じて活用できる弾力性のある自動スケーリングは、1秒単位の短い時間で作動します。最新のデータベース製品を使用することで、企業やユーザーは、従来の製品を使用する場合と比較して、平均50%のコスト削減を実現できます。現在、アリババクラウドには20以上のサーバーレス製品があり、今後もさらに多くの製品カテゴリの拡充に努めます。
また、アリババクラウドは、自社開発の統合データ分析およびインテリジェントコンピューティングプラットフォームであるオープンデータプラットフォーム・サービス(ODPS: Open Data Platform and Services)をアップグレードし、企業に多様なデータ処理および分析サービスを提供します。このプラットフォームは、1つのシステムでオンラインとオフラインのデータを同時に処理できます。複雑なワークロードを扱う企業に対して、コスト削減や業務効率の向上にかかわる意思決定を支える分析を提供します。
トランザクション処理とデータベース・ベンチマークの基準を設定する業界団体「トランザクション処理性能評議会(Transaction Processing Performance Council)」の最近の調査結果によると、アリババクラウドのODPSは、ビッグデータの性能に関する世界記録を更新しています。100TBのデータベンチマークに基づき評価されたODPS Maxcompute Clusterの性能は、6年連続で最高得点を獲得しています。また、ODPS Hologres Clusterは、TPC-H 30000GB意思決定支援ベンチマークテストにおいて、記録的な結果を示しました。
アリババクラウド・インテリジェンスのプレジデントであるジェフ・チャン(Jeff Zhang)は、次のように述べています。
「クラウドコンピューティングは、ソフトウェア開発のパラダイムを転換してクラウドとエンドポイントの統合を加速し、またコンピューティングリソースの組織化、生産、商業利用で根本的な革命をもたらしました。クラウド時代におけるビジネス機会を広げるために、より多くのお客様がクラウドの導入を進めています。アリババクラウドは、クラウドベースのリソース、サービス、ツールのサーバーレス化やアップグレードを通じて、企業が新たなテクノロジーを容易に採用できるよう支援します。引き続き、企業やユーザーが抱える障壁を取り除き、デジタルインテリジェントなテクノロジーや環境を提供してまいります。」
【アリババクラウドについて】
2009年に設立されたアリババクラウドは ( www.alibabacloud.com )、アリババグループのデジタルテクノロジーとインテリジェンスの中枢です。アリババクラウドは、エラスティックコンピューティング、データベース、ストレージ、ネットワーク仮想化サービス、大規模コンピューティング、セキュリティ、管理およびアプリケーションサービス、ビッグデータ分析、機械学習プラットフォーム、IoTサービスなど、あらゆるクラウドサービスを世界中のお客様に提供しています。IDCの調査でアリババクラウドは2018年以降、Infrastructure as a Service(IaaS)分野で世界3位のサービスプロバイダーに認定されています。また、ガートナーには、アリババクラウドは2018年以降、売上高で世界3位、アジア太平洋地域で1位のIaaSプロバイダーとして認定されています。