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今のiPhoneを最大限使いこなすなら、eSIMをうまく活用できるかが分かれ目

iPhoneのデュアルSIM化にはeSIMが必須 月290円~でeSIMも可なHISモバイル「自由自在290」

2022年09月29日 12時00分更新

文● ASCII

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 iPhone 14が発売、また最新のiOS 16では対応端末がiPhone 8以降に絞られるなど、このタイミングで新しいiPhoneに買い替える、料金プランの見直しを考えている人は多いはず。その際に同時に検討してほしいアイデアが、iPhoneでのデュアルSIMの使いこなしだ。

iPhone 14シリーズが発売され、最新のiPhoneに買い替える人はもちろん、比較的新しいiPhoneのユーザーにぜひオススメしたいのがデュアルSIMの活用だ

仕事用とプライベート用で使い分けられるデュアルSIM
使いこなし方は色々あり

 一般にデュアルSIMとは、1台のスマホで2つの電話番号が使える機能だ。たとえば、フリーランスや自営業だったり、テレワークでの業務などで、私用のスマホを仕事にも使っていると、どうしても公私の切り分けが難しくなり、健全とは言いがたい状況になりがち。このときスマホを2台持つのもいいが、2つの電話番号を1台の端末に収めて、同時に待ち受けできるのがデュアルSIMの基本となる。

 デュアルSIMの便利な使い方は「仕事用とプライベート用」に限定されない。たとえば、家族や仲のいい知人のみに伝える番号と、子供の学校の関係者や各種契約など、より広い範囲に教えるための番号の使い分け、また就活生なら企業との連絡専用といった使い方もある。さらに障害対策としても有効。先日ニュースになったような大規模通信障害の際、異なる2つのキャリアと契約していれば片方は使える可能性が高い。そんなこともあって、デュアルSIMを注目する人、実際に活用する人が増加している。

実は結構前のモデルからiPhoneではデュアルSIMが可能
ただし、eSIMに対応したサービスが必要

 そのデュアルSIMにiPhoneは結構前のモデルから対応している。具体的にはiPhone XS/XR(第2世代のSEを含む)以降で、11や12でも使えるので対応モデルは実は多いのだ。ところが、iPhoneユーザーでデュアルSIMを使っている人はこれまであまり多くなかった。なぜなら、iPhoneは通常のSIMカードは1枚しか入らず、デュアルSIMにはeSIMと呼ばれる仕組みを活用する必要があったためだ。

SIMフリーのAndroidスマホは左写真のようにSIMカードが2枚入る製品が存在するが、iPhoneは1枚のみ。しかし、eSIMとの組み合わせでデュアルSIMは可能だ

 eSIMとは、スマホに内蔵されたチップにネット経由で契約情報を書き込む電子的なSIMのこと。従来はeSIMが利用できるサービスがあまりなく(自社でネットワークを持つドコモ/au/ソフトバンク/楽天が中心)、特にネットワークを借り受けてサービスを提供する、いわゆるMVNOの格安SIMでは特に少ないこともあって、2回線目のサブ回線で契約するには金銭的にやや負担が大きい……という状況だった。

iPhone+デュアルSIMでアンテナが2つ立っている。ドコモ+ソフトバンク(LINEMO)で異なるネットワークに接続しているので通信障害への対策にもなる。また、1台のiPhoneに複数のeSIMを入れることも可能(同時に待受可能なのは2枚まで)

格安SIMでもeSIM対応サービスが増えてきた
今回はその中でもHISモバイル「自由自在290」に注目した

 ところが、ここにきてMVNOの格安SIMでもeSIMが利用できるサービスが増えてきた。1000円以下で契約できるプランも見られ、サブ回線として利用するのに最適と言える。なかでも月290円~で利用できるHISモバイル「自由自在290」が8月末にeSIMに対応したのが、デュアルSIMを活用しているユーザーの間で話題になっている。実際にどんな特徴があるのか詳しく見ていこう。

今春、月290円~という料金で登場したHISモバイル「自由自在290」が、8月からはeSIMでの利用も可能になり、さらに注目を集めている

最安で月290円~、サブ回線の場合は維持費が安い
メインで使う場合も7GBで月990円! しかもドコモ回線

 まず、HISモバイル「自由自在290」のプラン内容と料金は以下の表のとおり。通信量は1GB/3GB/7GB/20GB/50GBの5つから選べる。特に1GBプランは月550円と安価だが、この1GBプランで100MB未満しか使わなかった月はさらに290円となる。サブ回線として使う場合、電話を受けることが大半で、データ通信や自分からの発信はあまりしないというケースが考えられるが、そのような人にとっては維持費が安いのが大きい。

こちらが料金表。一番左が通常の音声SIMでも料金。7GBプランでも月990円から

 一方で、メイン回線として日常的に使うユーザーにも「自由自在290」は適している。スマホで動画を頻繁に見ない(動画を見る場合はWi-Fiがある自宅が中心)という人であれば、月7GBの通信量があれば十分なケースが大半だが、7GBプランの月額料金は990円。それでも通信量が足らなくなった場合は追加チャージが可能で、1GBあたり200円と大手キャリアの半額以下で済む。

 また、障害対策という面では、HISモバイル「自由自在290」はドコモネットワークを用いてサービスが提供されているので安心感があり、サービスエリアも充実している。au系、ソフトバンク系(Y!mobileやLINEMOを含む)のSIMとのデュアルでは特に組み合わせの妙があると言える。

1回5分までが月550円、完全かけ放題が月1480円で追加可能
通話品質は大手キャリアと基本的に同等

 もう1点、HISモバイルの長所として紹介しておきたいのが音声通話。家族やプライベートの知人以外の仕事相手などには、まだまだ電話番号での通話をする機会が多いという人もいるだろう。

 そういう人向けには「5分かけ放題オプション」(月500円)、「完全かけ放題オプション」(月1480円)のオプションがある。通話定額を付けない通話料も30秒あたり9円と、こちらも大手キャリアの半額以下だ。また、一部のサービスと異なり、「かけ放題」や通話料を下げるのに専用アプリを使って発信するのが条件になっておらず、単純に手間がかからないほか、操作ミスによる思わぬ課金も生じない。さらに、「中継電話」と呼ばれる仕組みも用いていないので通話品質は大手キャリアと基本的に同等だ。

通話定額は2種類。かけ放題でも月1480円。しかも専用の通話アプリなどは不要で、音質もVoLTEが利用可能なので良好だ

 基本的に通話専用で契約する人なら、100MBまでの月290円と「完全かけ放題オプション」を組み合わせても月1770円。サブ回線にもいいし、実家の親世代や子供用にも便利そう。また、仕事用や前述した就活生用の回線と考えると、通話品質の高さは大きなメリットになる。音質が良くて会話がスムーズだと、細かなニュアンスが伝わりやすいし、相手に与える印象も違ってくる。

維持費も安価なので
とりあえずiPhoneのeSIMに入れておくのはアリでは?

 今回紹介した以外にもいろいろな使い方があるデュアルSIM。iPhoneのeSIMにサブ回線の契約を入れておけば、通信障害時や普段使っている番号以外を誰かに伝える必要が生じたときなどに便利なので、とりあえず契約しておくという手はあるだろう。特にHISモバイル「自由自在290」なら、維持費も月290円~と負担が小さい。

 また、メイン回線として使う場合も7GBで月990円、かけ放題が月1480円という料金は格安SIMの中でも安価。それでいて、音声通話の使い勝手や品質に優れている。

 eSIMが使える比較的手頃な料金のサービスとしては、ほかには楽天モバイルや3大キャリアのオンライン専業プランなどがあるが、HISモバイル「自由自在290」はそれらと比べても、料金やサービス内容で違いを持った興味深い存在だろう。

 

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