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スマホを持たせようとしても、リスクが気になる
最近の子供たちは、幼い頃からスマートフォンなどを使って遊んだり、学校の授業でパソコンを使ったりなど、インターネットに触れる機会は多い。そして、今やほとんどの大人はスマートフォンを所有している。子どもにとって、「自分のスマートフォンを持ちたい」と思うのは自然なことだろう。
一方、登下校、あるいは塾や習いごとなどの送り迎えにおいて、安全のために小学生の間から子どもに携帯電話を持たせる家庭は増えている。
こういった需要であれば、スマートフォンでなくとも、家族や学校など、特定の人との通話に機能を限定し、GPSや防犯ブザーなどの機能を備えた「キッズケータイ」などと呼ばれる携帯電話もある。もっとも、子どもが中学生、そして高校生になってくれば、次第にスマートフォンへ乗り換える家庭も増えるだろう。
しかし、「子どもにスマートフォンを持たせるのは不安」という保護者もいる。オンライン上にはさまざまなリスクがある。見知らぬ人の危険性、安全なサイトと安全でないサイトの違い、アプリの課金など……。悩ましいことは多い。
マカフィーは6月、「2022年度 ネット接続している家族に関するグローバル調査(McAfee Connected Family Study)」を発表した。これは、世界10ヵ国の親1万5500人とその子ども1万2000人以上を対象に、家庭でのネット接続とその保護状況をまとめたものだ。
この調査によると、日本の子どもは他国よりも、ネット利用に伴ういじめや個人情報不正利用などの発生率が低い。もっとも、調査結果ではパソコンやタブレット利用率の低さが結果的に発生率の低さにつながったと見ており、デバイス利用の立ち遅れが指摘されている。これは、オンラインでのリスク経験に乏しいと言い換えることもできるだろう。
日本においては、子どもは親のスマートフォンなどを触って、デジタルデバイスやネット環境に触れること自体は以前より増えている面もある。ただ、PCやタブレットの利用率は(世界から見ると)低く、オンラインでのリスク経験、セキュリティ面でのリテラシーは万全とは言いにくいかもしれない。
では、いざ子どもにスマートフォンを持たせる段階になったとして、気をつけるポイントはなんだろうか。
よく話し合い、納得し合うことが大切なポイント
先述の調査によれば、日本の親は、子供のモバイルデバイスでセキュリティや安全性の対策を施すことが少ないという。「ネットの閲覧履歴やメール履歴をチェックしている」という回答は9%で、世界的な回答と比較すると23%も低い割合。また、「保護者機能ソフトウェアの使用」は15%少ない、「特定サイトへのアクセスの制限」は14%少ない、「対面での監視」は13%少ないなど、世界平均と比較して2桁少ない結果が多い。
もちろん、信頼のおけるセキュリティ ソリューションをスマートフォンにインストールすることを欠かさないことは大事なポイントだ。ただ、その手の作業は、子どものセキュリティに対するリテラシーを即座に高める行為ではない。むしろ、子どもにとっては“面倒くさい”ものかもしれない。
ペアレンタルコントロールに関しても、同じことが言えるだろう。子どもをリスクから遠ざけるために、設定しておきたい機能ではあるが、やろうと思えば、子ども側で、設定を解除する方法を見つけるかもしれない。
よって、子どもがスマートフォンを利用するにあたり、「1日、使う時間はこれぐらいがよい」「この設定をオン/オフにするにはこういう理由がある」ということを伝え、よく話し合い、納得し合うことが大切なポイントといえる。アプリの課金などについても同様だ。
あわせて、ネット上でリスクの伴う行動についても説明しておきたい。子どもたちが、オンラインアカウントの窃盗や、サイバーいじめなどの危険性を理解することは、「自分が、なぜ、この設定を守らなければいけないのか」という理解にもつながる。
そのためには、オンライン上での行動について、オープンな会話ができる環境を作ることも必要になる。ポイントは、大人と子どもの双方が、リスクを理解し合い、対策を考え続けていくことだ。
今回は、McAfee Blogから「子供たちに初めてスマートフォンを持たせるときの心構え」を紹介しよう。(せきゅラボ)
※以下はMcAfee Blogからの転載となります。
子供たちに初めてスマートフォンを持たせるときの心構え:McAfee Blog
人生の中で、もし最も補助を必要とする時を選ぶとしたら、それは子供が初めてスマートフォンを使用する時かもしれません。
子供たちが初めてスマートフォンを使うことは、補助輪を外した自転車で初めて近所に出かけた時のような、今まで経験ことのないような新しい世界を知ることになります。そして、家にいながらアプリ、ソーシャルメディア、友だちとのグループチャット、TikTokスターなどのインターネット内で得た共有の体験を通して、クラスメイトや友達と一緒に純粋に楽しみを覚えるでしょう。
子供を持つ親にとってこの感覚は、子供が初めて自転車に乗れた時や初めて電話が使えた時と通じます。親は、このように子供が何か新しいことができた瞬間にその成長を喜ぶ一方で、「もしこれが自分がそばにいない時だったら・・・」と想像を巡らせ、心配をします。あなたはこれまでこのような場合、子供たちに対してどのように対応をしてきましたか?そして、果たしてそれは本当にしっかりとした対策ができていたのでしょうか?
子供はいつスマートフォンを使えるようになるのか?
子供が最初にスマートフォンを使い始めるのはいつくらいが適正なのでしょうか?実はそれが問題なのです。
最近の子供たちは、幼い頃からスマートフォンやタブレットを使って遊んだり、学校の授業でパソコンを使うなど、何年間もインターネットに触れています。その過程で、先生や親からインターネットを安全に利用することや、オンライン上で他人との接し方といったようなちょっとした教えを受ける機会は誰にでもあったはずです。言い換えれば、大人は子供にインターネットについての知識を段階的に教えてきたということです。また、子供に自分専用の携帯電話を持たせることも、大きな一歩といえるでしょう。
こういった学校でのパソコンを使った授業で学んだことや親からのちょっとした教えは、子どもたちが自分自身の携帯電話を使う際に役立ちます。たとえば、オンライン上での「見知らぬ人の危険性」や適切なマナー、安全なサイトと安全でないサイトの違いなどです。子供がインターネット上の様々な事に対応できるようなしっかりとした基礎を身に付けているかどうかは、スマートフォンを持つ準備ができているかどうかを把握する上で大きな指標となります。結局のところ、スマートフォンを通して日々オンラインの世界で安全に過ごすためには、インターネットの知識はもちろんのこと、物事の良し悪しを判断できるような気持ちの成熟度が求められるということです。
初めてスマートフォンを使用するのに適した年齢は?
いい質問ですね。現在、子供たちのスマートフォンの利用は増加傾向にあるということがわかっています。例えば、Common Sense Mediaの調査によると、11歳の子供の53%がスマートフォンを持っており、12歳になるとその数は69%にまで増加します。8〜12歳の子供たちのスマートフォンの使用率はかなり高いですが、その使用状況はほとんど監視されていない、もしくは一切監視されていない可能性があります。下の分析図では、年齢別のスマートフォン所有率と、スクリーンタイムの長さを示しています。
出典:Common Sense Media
なぜ、幼い子供たちのスマートフォン所持者が増加しているのでしょうか?一方で、9歳の子供の実に4人に1人がスマートフォンを通して一日中、自由気ままにインターネットを使用していますが、これはこれでいいのでしょうか?こういった問題には正解は存在しないので、各家庭それぞれのルールに則って自分たちで決めましょう。しかし、小学3年生がスマートフォンを持っていること自体が少し危険だと思うのであれば、スマートフォンに代わるものがあります。
幼い子供たちのためのスマートフォンに替わる代替品
もし、子供と連絡を取り合うことが一番の目的の場合は、インターネットを使わずに電話機能のみのものも検討してみるのもいいかもしれません。
・フリップ電話:インターネット接続状況の心配をせずに連絡を取り合うには最適なデバイスです。子供に電話を渡すと落としたり、蹴ったり、水に濡らしたり、紛失する可能性がありますが、フリップ電話の多くは頑丈で低価格なので、幼い子供たちにデバイスの扱い方を教えるのに最適といえるでしょう。また、なくさないように名前を書いておきましょう。
・子供用「スマートウォッチ」:インターネットで検索すると、時計のように装着型の製品で通話機能、SOSボタン、位置情報を備えたものがいろいろと見つかります。そのほかにもより機能が充実しているモデルもありますので購入を検討する際はよく調べてみましょう。
・子供用「スマートフォン」:基本的な機能のみを搭載したスマートフォンです。子供が本格的なスマートフォンを持つ前の段階としては最適です。日本国内では、キッズケータイ(docomo)、mamorino/マモリーノ(au)、キッズフォン2(Softbank)と大手各社がそれぞれ子供向けのスマートフォンを販売しています。どの機種も防犯ブザーやGPS機能が付いているので、子供の安全を把握する上で重要な役割を持つでしょう。興味のある方は検索してみてください。
幼い子供用には、これらの選択肢の中から1つを選ぶのが最善といえます。これらの製品は子供と連絡を取り合ったりするほかにも、子供にとって良い習慣を身につけたり、デバイスを使って他者とコミュニケーションをとる際の基本的な方法や振る舞いを学ぶのに役立ちます。
子供の初めてのスマートフォン使用に向けて、あなたと家族が準備すること
子供が初めてちゃんとしたスマートフォンを使用し始める日に備えて、今からしっかりと準備をしておくとよいでしょう。そのためにまずは、ちょっとしたリサーチと会話が必要です。ネットいじめ、デジタルリテラシー、ソーシャルメディアでの一般的なマナーなど、これらはほんの一部に過ぎませんが、さまざまなトピックについて理解を深めることが重要です。
まずは家族や仲の良い友人が、子供たちにスマートフォンを持たせる際、どのように対応しているかを聞いてみましょう。家庭によってさまざまな方針や考え方があり、中でも実際の経験談などは、大変参考になるでしょう。
また、週にほんの数分でもいいので、マカフィーブログの安全に関するトピックを読んで、必要な知識と手法を学んでおくことをお勧めします。
マカフィーブログでは、子育てや子どもに関連するトピックを定期的に掲載していますので、こちらで簡単に確認できますのでご覧ください。
・見知らぬ人の危険性
・オンライン上で略奪者から子供を守り続ける
・デジタルリテラシーの形成
・インターネット上で誰が、何を、どのようにしていじめをするのか
・スクリーンタイムと子供の睡眠不足
・教訓:この10年のデジタル時代の子育て
・ソーシャルインフルエンサーと子供たち
・子供たちにオンライン上の安全性に関心を持たせる
初めてのスマートフォンを持つ時期
スマートフォンを持つことで、子どもの生活だけでなく、同様にあなたの生活も変わります。そして子供は、中学や高校の同級生たちと新しいオンライン生活を送る中で、人間関係もいろいろと変化していくでしょう。 (自分が学生だった当時のことを思い出してみてください。あの頃の人間関係は決して簡単なものではありませんでしたよね。しかし、今はそこにスマートフォンが加わることでより複雑になっています)。
そこで、親子で最後にスマートフォンを使用する上でのいくつか大事なポイントを確認する機会を設けてみてはいかがでしょうか。以下のスマートフォンを持つことに関する家族の会話のポイントは、会話をすることで子供が間違ったインターネットの使い方をしたり、犯罪に巻き込まれないようにしっかりとオンライン上のルールを提供し、親子でスマートフォンを使いこなしていくために本当に準備ができているかどうかを評価する方法です。
そしてスマートフォンを持つ日が来たら、モバイルセキュリティとペアレンタルコントロール(保護者による制限)の2つの対策を講じる必要があります。
1.子供のAndroidもしくはiPhoneのスマートフォンにモバイルセキュリティを導入しましょう。これにより、システムスキャンなどの基本的な保護と、さらに不審なウェブサイトやリンクを回避するための保護対策が可能になります。
2.子供の携帯電話にはペアレンタルコントロールと呼ばれる保護者による制限を適用しましょう。また、事前にこのペアレンタルコントロールを使うことをしっかりと子供たちに話すことをお勧めします。これは事実上、各家庭のルールをインターネット上にも適用するということなので、まずはルールを共有し、明確にしておくと良いでしょう。この優れた保護者管理システムは、子どもたちの携帯電話での行動を監視し、スクリーンタイムを制限し、さらに危険なアプリをブロックしたり、ウェブサイトを選別することができます。
コミュニケーションを取る大切さ
たくさんあります。私自身も母親として、自分で導入したペアレンタルコントロールを大変信頼しています。しかし、子供たちがオンライン上で何をしているのかにも気を配るように心がけています。こういうのはちょっとした組み合わせが大事です。私は単純に子供たちに何が起きて、何をしているのかを聞き、多少監視もすることで、彼らが危険な目に遭わないか、常に状況を把握しておくようにしています。例えば、今、お気に入りのゲームやアプリは何か聞いたり、普段どんな音楽を聴いているかを話したりします。このようにコミュニケーションを取り、携帯電話やインターネットの使用状況、オンライン上で起こっていることについて自然と話す習慣を普段の生活の中に取り入れています。このようにコミュニケーションを取っておくことは、仮にもし子供がオンライン上で起きた問題に巻き込まれ、あなたの助けが必要になった時にきっと役立つでしょう。なので、今のうちに話し合っておくことをお勧めします。
子供たちがスマートフォンを持つことを段階的に進め、近い将来、訓練用の車輪が外れる日に備えて、今から準備しておきましょう。そうすれば、子供とともにスマートフォンのある生活という新たな発見を親子で十分に楽しむことができるはずです。
※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。
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