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ディスプレー搭載ハイエンド電源「ROG Thor 1200W Platinum II」をレビュー

次世代GPUに備えるならコレ!最新規格「12VHPWR」に対応する1200W電源の実力を試す

2022年08月30日 12時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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次世代GPU向けの12VHPWR対応のケーブルが同梱

 ケーブルはフルモジュラー式、EPS12Vのケーブルは2本、ビデオカード用の8ピン用(6+2ピン)は合計6本用意されているので、ハイエンドビデオカードをマルチで運用したい人にも向いている。

ケーブルを接続するポート側。役割別にカコミが入っているので分かりやすい。左下にある小さなポートはAura Syncのケーブルを接続するためのもの

ATX/EPS12V/PCI Express用のケーブルはすべて各線ごとのスリーブケーブルとなっている。電源ユニット側のコネクターには「PSU」と印字されているので間違えにくい

ビデオカード用のPCI Express8ピン(6+2ピン)ケーブルは全部で6本同梱

SATAやペリフェラル4ピンケーブルはスリーブ化されていない。あまりケース内に出てこないケーブルなので当然か

そのほかの付属品。ケーブルをまとめる結束バンドなどが入っている

 では、ROG Thor 1200W Platinum IIの目玉である「12VHPWR」対応ケーブルに注目しよう。これは、PCI Express 5.0で定義された最大600Wをビデオカードへ供給可能とするものだ。12VHPWRについての解説は大原氏の記事をまず御一読いただきたいが、形状としてはMicro-Fitの12ピンに制御用の4ピンを追加した16ピンのコネクターを採用している。

 この制御用の4ピンをどう実装するかが電源メーカーの悩みどころで、メーカーによっては電源ユニット側にPCI Express 5.0専用のポートを持ち、そこから12VHPWRを引き出すという設計を採用するところもある。

 しかし本機の12VHPWRは、PCI Express用の8ピンポートを2つ束ね、12VHPWRコネクターに変換しているというシンプルなもの。制御用の4ピンは特別インテリジェントな仕組みではなく、12VHPWRへ出力する最大電力を決定するS3とS4ピン(規格的にはSense0とSense1)が両方GNDに繋がっているだけであるため、決め打ちで最大600W「まで」出せる仕様になっている。

 なんとなく追加の4ピン全部使ってビデオカードと通信しながら最適な出力を決定するイメージがあるが、普通のPCの場合だと最大出力を決定するS3/S4だけあれば事足りる。余計な回路を挟まずに最大の効率を目指すという本機のアプローチは合理的といえる。

 なお、12VHPWR変換ケーブルには16AWGのケーブルが使われている。通常の8ピンケーブル(18AWG)よりも太く、より大電流を流せる。この選択はデザインガイド準拠となる。

同梱の12VHPWRケーブル。PCI Express用の8ピン用のポート2つから12VHPWRコネクターへ変換する

12VHPWRコネクターをよく見ると、4ピンのうちS3/S4(Sense0/Sense1)しか接続されていない。テスターで導通を確認したところ、どちらもGND(Common)に接続されていた

インテルのドキュメントによれば、Sense0とSense1がGNDに落ちている場合は最大600Wの電力を供給することが可能になるとあり、本機の12VHPWRケーブルはこの最大出力に照準を合わせたものとなっている

 ただ、現時点では単体で600Wを要求するビデオカードは出ていないため、この変換ケーブルは今年登場が噂される超ハイエンド級ビデオカードに備えるための装備と考えたほうがいい。無論、12VHPWRをいち早く採用したTGP 450W(以上)のRTX 3090 Ti搭載カードもこの変換ケーブルで問題なく運用できた。

 従来だとRTX 3090 TiはPCI Expressの8ピンケーブルを3本束ねて運用しているが、この変換ケーブルを使うことで(根元だけ)8ピン2系統から12VHPWRケーブル1本を引き出せる。12VHPWRケーブルはメインパワーケーブルのように1本1本がスリーブケーブルになっていないが、配線がスッキリと収まるメリットは大きい。ここをどう評価するかで本機の価値は決まるといえる。

同社の水冷RTX 3090 Tiカード「ROG Strix LC GeForce RTX 3090 Ti OC Edition」は8ピンケーブルだと3本を引き回す必要がある

12VHPWRケーブルを使えばこの経路をスッキリさせられる

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