先日、自宅の近くで外国人に話しかけられた。
ぱっと見、インドなど南アジア系の顔立ちの男性だ。年齢は30歳前後だろうか。道に迷っているというので、途中までいっしょに歩いた。
話を聞いてみると、来日したばかりのバングラデシュ人だった。
日本の製造業の工場に働きにきたのかなと思ったが、聞いてみると、楽天に内定しているというITエンジニアだった。日本に来る前は、中国・上海の大手IT企業で働いていたという。
アジアのIT人材の争奪戦が国際的に繰り広げられているとのニュースは目にしていたが、こうした話が現実であることを実感する出来事だった。
男性と別れ、自宅まで歩きながら考えた。
国際的な人材として通用するアジアのIT技術者たちにとって、日本は今も魅力的な働き場所なのだろうか。日本は果たして、人材獲得競争で世界と伍していけるのだろうか。
世界を席巻するインドのIT人材
バングラデシュのお隣インドは、IT人材の送り出し国として知られる。
すでに知られた話ではあるが、多くのIT企業のトップや役員にインド系の人たちが就いている。
●グーグル:サンダー・ピチャイ氏
●マイクロソフト:サティア・ナデラ氏
●IBM:アーヴィンド・クリシュナ氏
●アドビ:シャンタヌ・ナラヤン氏
●ツイッター:パラグ・アグラワル氏
このところイーロン・マスク氏に振り回されているツイッターでも、2021年11月にイインド系のパラグ・アグラワル氏がCEO(最高経営責任者)に就任している。
インド工科大学のジャパンデイ
こうした顔ぶれを見ただけで、日本だけでなく世界中の企業がほしいと考えるのも理解できる。
経済産業省は2022年9月24日に、インド工科大学ハイデラバード校で「JAPAN DAY 2022」を開くという。
インド工科大学は同国の理工学系高等教育機関の最高峰とされ、JAPAN DAYはインドの技術人材を獲得することを目指す催しだ。
経済産業省はこうした海外での催しだけでなく、日本の中小企業向けに、海外の技術人材の獲得を目指すセミナーなど、人材獲得競争で日本企業を後押しするさまざまなイベントを企画している。
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